• Facebook
  • Twitter
  • LINE

アスリート支援レポート

女子サッカー

プレナスなでしこリーグ

日テレ・ベレーザ

第2回 2016.8.25 [トレーニング・レポート1]岩清水梓選手の初期トレーニングに密着! 運動のベースメントとなる
〝カラダの動かし方〟と〝連動性〟の向上が、サッカーにも直結。

女子サッカーの名門、日テレ・ベレーザの選手全員が、ティップネスの「アスリート支援プロジェクト」の第1段階としてFMSを体験し、カラダの機能性のチェックを行いました。その結果に基づき、ファンクショナルトレーニングが始まっています。まず目指すのは、機能的なカラダの動かし方を身につけることと、左右のバランスを改善していくことです。

ベーシックな「動きのトレーニング」。
岩清水選手も
2つのポイントから取り組み始めた。

日テレ・ベレーザの選手全員が受けたFMSの評価について、藤田トレーナーによれば、「一般女性に比べると、さすがに高いレベルの結果が出ています。それぞれの選手に特色があるのですが、共通する傾向として左右のアンバランスが見られます」とのこと。
サッカー選手には利き足があり、そちらでボールを操作することが多くなるため、どうしても左右差が生じやすいのです。

サッカーのパフォーマンス向上と故障の防止を目的に行うファンクショナルトレーニングの初期段階として取り組んだのは「動きのトレーニング」。連動性を高めて機能的にカラダを動かせるようにすることと同時に、左右バランスの改善も視野に入れています。

岩清水選手が行うトレーニングの2つのポイント

  • 動きのトレーニング

    運動する上でベースとなるカラダの動かし方やカラダの連動性を高めるトレーニングです。今回は、体幹を強化し、上半身と下半身の連動性を高めることで、「走る・止まる」といった基礎的な運動能力の向上を目指します。

  • 左右バランスを改善するトレーニング

    一流アスリートには、使いすぎることで動きが悪くなっている筋肉が存在する場合があります。全身の筋肉を動かせる状態に整えた上で、左右の差をなくしていくのが目標。右にも左にも同じようなパフォーマンスを可能にします。

「動きのトレーニング」を
アスリート仕様で実施。
筋力を強化しながら
動けるカラダを作っていく。

ただ筋肉をつけるのではなく、使えるカラダにしていくのがこのトレーニングの特徴です。体幹や下半身の筋力を強化しながら、上半身と下半身の連動性を高め、それを「走る・止まる」といったサッカーに直結する運動能力の向上につなげていきます。

トレーニングの基本は、ティップネスが一般の人に提供しているファンクショナルトレーニングと同様。岩清水選手の筋力に合わせて重めのバーベルを用いるなど、負荷をアスリート仕様で実施しています。

  • SLDL:シングルレッグデッドリフト
    (体幹の強化)

    右手におもりを持ち、左脚で片脚立ちをする。左の膝を軽く曲げながら、上体を前傾させていき、右脚は後ろに伸ばす。この姿勢から、膝を伸ばしながら上体を起こす。反対側も行う。

  • ヒップリフト
    (大腿部裏側・臀部の強化)

    仰向けになり、膝を曲げて足を床につける。両膝の間にボールをはさみ、その姿勢から、膝から肩までが一直線になるようにお尻を上げていく。

  • フロントステップ+サイドベンド
    (体幹・下半身の強化、バランスの向上)

    直立した姿勢から、上体を垂直に保ったまま、右脚を前方に大きく踏み出す。その姿勢で左腕を上げ、上体と一緒に右側に倒す。反対側も行う。

  • バックスクワット
    (大腿部・ふくらはぎ・臀部の強化)

    バーベルを肩の背中側で支持した姿勢から、上体はそのままで股関節と膝関節を曲げていく。膝が90°程度に曲がったら、元の姿勢に戻る。

  • ウッドチョップ
    (下半身の強化、筋肉の連動性の向上)

    メディシンボールを両手で持って立つ。その姿勢からしゃがみ、このときにボールを下げる。次に立ち上がり、同時にボールを高く上げる。上半身と下半身を連動させるトレーニング。

  • スクワットジャンプ
    (下半身の強化、筋肉の連動性の向上)

    股関節と膝関節を曲げたスクワットの姿勢から、真上にジャンプする。腕を振り、上半身と下半身をうまく連動させることで、高くジャンプすることができる。「ウッドチョップ」の体を上下させる動きから、ジャンプに発展させたトレーニング。

  • ジャンプ
    (下半身の強化、筋肉の連動性の向上)

    片脚で大きくジャンプしながら前に進んでいく。腕など上半身の動きと、下半身の動きを連動させることで、カラダのばねをうまく引き出すことができる。「スクワットジャンプ」の上方向への両脚ジャンプから、前方向への片脚ジャンプに発展させたトレーニング。

  • 5mスプリント
    (敏捷性の向上、筋肉の連動性の向上)

    力強くダッシュし、5m走ったところで止まる。体幹の強さ、下半身の強さ、全身の筋肉の連動性、敏捷性などが必要となる。走り出しとストップはサッカーのプレーに直結する動作。軸足でない安定性の低いほうの足でストップを繰り返すことで、左右差の解消にも役立つ。

サッカーのプレーを意識した
サイドステップで、
左右へのスムーズで
素早い動き出しを可能に。

サイドステップは、足を横に動かす筋力を強化し、その動きをスムーズに行うための効率的なカラダの動かし方を習得するトレーニングです。足を横に動かすときには、中殿筋(臀部の側面にある筋肉)などが使われます。

「上体をまっすぐに保ち、ゴムベルトを巻いたままスムーズに脚を横に動かします。筋力が弱かったり、筋力をうまく使えていなかったりすると、脚をなんとか横に出そうと、上体を反対側に傾ける代償動作が生じてしまいます。これでは1歩出遅れるので、サッカー選手にとってはマイナスです。岩清水選手の場合、ボールを蹴る時の軸足である左足より安定性で劣る右足の強化に役立ちます」(藤田トレーナー)

中殿筋が鍛えてあっても、スムーズに脚が出るとは限りません。コアになる筋力を強化するだけでなく、まわりの筋肉と連動して効率性を高めるのが特徴。左右差の解消のために、右にも左にもスムーズにステップできるようにします。

  • サイドステップ
    (臀部の側面の強化、効率的な動きの習得)
    両脚の大腿部にゴムベルトを巻き、膝を軽く曲げる。その姿勢から、ゴムベルトの抵抗に打ち勝って、右足を右側にステップさせる。反対側も行う。

カラダへの意識や
動きの質が変わってきた!
「左足が自然と出た」という実感を大切に。

藤田 岩清水選手は、トレーニングのポイントを説明すると、すぐにそれを理解し、的確にカラダを動かすことができます。一流選手だから当然かもしれませんが、自分のカラダをうまくコントロールするセンスを持っているのでしょう。
ファンクショナルトレーニングを継続していくことで、機能的なカラダの動かし方をさらに洗練させることができるはずですし、サッカー選手によく見られる左右差も改善していくと思います。

岩清水 あと何年選手としてプレーできるのかわかりませんが、このトレーニングに取り組むことで、自分はまだ成長できると期待しています。
実際にトレーニングを始めてみて、カラダへの意識が変わってきたし、動きにも変化が現れていると感じます。左右差については、以前から自分でも気付いていたので、トレーニングの時はそれも意識しています。先日、練習中ですが、左足が自然に出てシュートを決めました。とっさの場面で、右足を軸にして左足を振り抜けたんです。新たに始めたトレーニングの成果がもう出たかな、と勝手に思っています!

ファンクショナルトレーニングに取り組み始めた岩清水選手の日々の実感は、継続の大きなモチベーションとなっているそうです。
今後、日テレ・ベレーザの他の選手のトレーニングもレポートする予定です。乞うご期待!

TRAINER PROFILE

藤田基弘Motohiro FUJITA

NSCA (ナショナル ストレングス アンド コンディショニング アソシエイション) CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(Certified Strength & Conditioning Specialist)」
プロアスリートへのトレーニング指導を多数経験。
現在はパーソナルトレーニングをティップ.クロス TOKYO池袋で行っている。
その他プロアスリートや高校生など幅広い対象にトレーニング指導を実施。
主に肩こり、腰痛など身体の不調を解消、猫背やO脚/X脚などの姿勢改善、もしくはスポーツパフォーマンス向上などクライアントの目的に合わせたプログラムでトレーニングを実施している。

page top