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アスリート支援レポート

女子サッカー

プレナスなでしこリーグ

日テレ・ベレーザ

第2回 2016.8.25 [トレーニング・レポート1]岩清水梓選手の初期トレーニングに密着! 運動のベースメントとなる
〝カラダの動かし方〟と〝連動性〟の向上が、サッカーにも直結。

日テレ・ベレーザはなでしこリーグで2016シーズンを見事優勝で飾りリーグ連覇とシーズン2冠目を達成、そして田中選手は得点王に輝きました。ファンクショナルトレーニングで“カラダの動かし方”への意識が高まり、この好結果にも一役買った模様! シーズン終了後、3冠目の皇后杯の優勝に向けてトレーニングに汗を流している田中選手に、その成果などを聞きました。

専門のトレーナーからの指導のもと、
より効果的なカラダの使い方を学ぶ
貴重なチャンス! 使える筋肉をつくり、
動きを磨くファンクショナル
トレーニングに貪欲にチャレンジ。

この7月から始まっている日テレ・ベレーザへのアスリート支援プロジェクト。田中美南選手はFMSの測定結果で「トレーニングが必要」と痛感したといいます。もともと腹筋など上半身のトレーニングは好きで自分から積極的に行っていたが、臀部の筋肉をはじめとする下半身に対しては「サッカーをやっていれば自然に鍛えられる」と考え、いわばおざなりの傾向にあったとのこと。FMSの測定結果にはそれが的確に反映され、下半身に対するトレーニングやケアが「足りていなかった」と実感する結果に。

そこで、「専門のトレーナーに、自分に合ったプログラムを組んでもらい、必要な筋肉を鍛えられるのはラッキー!」と、週1回のペースでトレーニング指導を受けることを決意しました。田中選手自身は、「よりブレの少ない強い体幹」、「裏へ抜けだす瞬発力の向上」を目標にスタートしました。

強さ、速さ、高さが求められる
フォワードというポジション。
まずは「カラダ」への意識を高め、
動きの確立と再現性を高めていく。

藤田トレーナーに田中選手の印象について聞くと、「筋力やパワーが高く、競技に必要な身体同士がぶつかるコンタクトプレーにも強い印象です。また、FMSによれば上半身・下半身共に左右柔軟性も良好でした。体幹安定性やバランス能力は向上の余地があると思います」とのこと。初期のトレーニングは岩清水選手のプログラムとベースは同じで、こうした田中選手の身体能力をふまえ、以下のポイントを重視しながら行います。
●主に前後方向の動きに特化。
●フォームの確立と再現性を高める。
●バーベルなどは重量より正確に確実に上げることを重視。

「最初は “カラダの○○を意識する”ということがわからなくて…」と田中選手。何のためにどこを動かすのか、どうすれば効率よく動かせるのか、感覚的につかめなかったそうです。やがて、藤田トレーナーのデモンストレーションやアドバイスから、各トレーニングの目的を知り、くり返しのなかで理屈が徐々にカラダの感覚としてわかってくると、楽しさ、やりがいが出てきたと言います。

  • サイドステップ
    (臀部の側面の強化、効率的な動きの習得)

    両脚の大腿部にゴムベルトを巻き、膝を軽く曲げる。その姿勢から、ゴムベルトの抵抗に打ち勝って、右足を右側にステップさせる。反対側も行う。

  • バックスクワット
    (大腿部・ふくらはぎ・臀部の強化)

    バーベルを肩の背中側で支持した姿勢から、上体はそのままで股関節と膝関節を曲げていく。膝が90°程度に曲がったら、元の姿勢に戻る。

  • ウッドチョップ
    (下半身の強化、筋肉の連動性の向上)

    メディシンボールを両手で持って立つ。その姿勢からしゃがみ、このときにボールを下げる。次に立ち上がり、同時にボールを高く上げる。上半身と下半身を連動させるトレーニング。

  • スクワットジャンプ
    (下半身の強化、筋肉の連動性の向上)

    股関節と膝関節を曲げたスクワットの姿勢から、真上にジャンプする。腕を振り、上半身と下半身をうまく連動させることで、高くジャンプすることができる。「ウッドチョップ」の体を上下させる動きから、ジャンプに発展させたトレーニング。

  • SLDL:シングルレッグデッドリフト
    (体幹の強化)

    右手におもりを持ち、左脚で片脚立ちをする。左の膝を軽く曲げながら、上体を前傾させていき、右脚は後ろに伸ばす。この姿勢から、膝を伸ばしながら上体を起こす。反対側も行う。

  • ジャンプ
    (下半身の強化、筋肉の連動性の向上)

    片脚で大きくジャンプしながら前に進んでいく。腕など上半身の動きと、下半身の動きを連動させることで、カラダのばねをうまく引き出すことができる。「スクワットジャンプ」の上方向への両脚ジャンプから、前方向への片脚ジャンプに発展させたトレーニング。

サッカーのプレーを意識した
サイドステップで、
左右へのスムーズで
素早い動き出しを可能に。

「田中選手のようなプレースタイルの選手は全体的に短時間で大きな力を出し、跳ぶ、走るなどの瞬発力を向上させることが必要です。具体的には走り出しの加速などに必要な力の出し方の習得や、コーナーキックで相手に競り勝てるように素早く高い位置に到達できることなど」と藤田トレーナー。

「初回のトレーニング後は、さすがに筋肉痛がきつかったけれど、2回目以降からはさほど気にならなくなった」という田中選手。それより、田中選手を悩ませたのは上半身と下半身の連動性。「リズム感が悪いせいなのか、手と脚の動きがバラバラ(ウッドチョップ、スクワットなど)。できるようになったと思っても1週間後にはまたチグハグに。でもスムーズにできるまでの時間が段々短縮されてきました」 

さらに新たな発見があったのが、フォワードとして非常に重要な切り返しの速さ、滑らかさにつながる5mスプリント。足のどの部分に体重をのせるか、足の着く位置をどこにするかといったカラダの細部への意識が行き届くかどうかで、次への動きに決定的な差が出てしまいます。
「うまくいくと、本当に切り返しのスピード、蹴り出しの勢いなど瞬発力が全く違うんです」。常に傍らで藤田トレーナーが「今のそれ!」「よし!」と間髪入れず声をかけてくれることで、田中選手も「来た!これか!!」と正しい動きを実感できます。

  • 5mスプリント
    (敏捷性の向上、筋肉の連動性の向上)

    力強くダッシュし、5m走ったところで止まる。体幹の強さ、下半身の強さ、全身の筋肉の連動性、敏捷性などが必要となる。走り出しとストップはサッカーのプレーに直結する動作。軸足でない安定性の低いほうの足でストップを繰り返すことで、左右差の解消にも役立つ。

トレーニングが強みを伸ばし、
結果につながったという手応えあり。
新たな課題にも取り組み、リーグ戦
三連覇に貢献できるフォワードを目指す!

藤田 トレーニングを継続してカラダのコントロール力が向上してきています。頭の中で思い描いているカラダの使い方をより正確に実現することができ、動きの修正もできるようになってきました。
田中選手の試合での活躍はとてもポジティブなことですね。サッカーの試合は敵や味方、天候やフィールドの状態などさまざまな条件がプレーに影響を与えるのでトレーニングの効果を明言するのは難しいですが、コンマ何秒、もしくはボール一つか半個分のタイミングを競い合う極限の状況では、カラダを少しでも楽に素早く動かせる状態に作っていくことによって短期間で結果につながる可能性が大いにあると思います。今後も短期的・長期的な目標と結果の両方を考慮し、都度状況に合わせてトレーニングメニューを考えていくつもりです。さしあたっては、第2段階として横方向の動きを習得するためのトレーニングを行う予定です。

田中 今季は自分から「得点王獲得」を公言しました。プレッシャーに負けそうになったときもありますが、最終的には成果を出せ、それを支えてくれたたチームに感謝しています。
トレーニングを始めてから、試合中に自分の手ごたえとして印象的だったのが10月はじめの新潟戦。60分以降にまとめて4ゴールを決められました。自分で蹴り出したボールへの追いつき、裏に出る自分のスピードに「うゎっ速っ」と内心ドキリ。また自分のヘディングの高さにも驚きで、思わず「神が降りて来た~」(笑)。自分には理論立てた説明はできませんが、体の機能が全体的にアップしている感覚があって、トレーニングのおかげかなと感じています。
継続していく中で、下半身の左右差、それも筋肉の量ではなく使い方の差にも気づいたので、継続してそれも克服したいです。起点をしっかり作ることができ、裏への抜けだしがある!?と相手に怖がられる選手、そして、確実に得点し、チームを勝たせる選手を目標に頑張ります。

意識の変化がもたらすフィジカルとファンクションの向上は、着実にプレーにおける成果をもたらしているようです。これからも田中選手の進化と活躍に注目しましょう。

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