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アスリート支援レポート

女子サッカー

プレナスなでしこリーグ

日テレ・ベレーザ

第9回 2018.07.09 [トレーニング・レポート] 選手個々のパフォーマンス向上を可視化していく新・テスト&トレーニング

現在、なでしこリーグ連覇に向けてしのぎを削る日テレ・ベレーザ。さらに長期的な視野に立ち、パワーアップとパフォーマンスアップの両面の強化に向けた新たなるプランがスタートしました。今回は個別のトレーニングメニューを組み立てるために行われたパフォーマンステストについてご紹介します。

FMS TIPNESSだから提案できる最新の測定ツール

パフォーマンステストで導き出すのは
個別の強化プログラム

サッカー特有の動きの質を上げるために
独自のテストメニューを設計

新しいプランは、毎日のチーム・トレーニングに加えて、個別トレーニングを取り入れることで一人ひとりのレベルアップを図ることを目的として行われるものです。前後、左右、上下とさまざまな方向・角度においてスピードとパワーを要するサッカー特有の動きを想定し、その質の向上につなげるため個人の状態に合わせたトレーニングメニューを提供。これにより、チーム全体のレベルアップにつながる個人のパワーアップとパフォーマンスの両面の進化を目指します。

個別のトレーニングメニューを組み立てるために、日テレ・ベレーザとティップネスが共同で細かな測定内容を設計し、選手の測定を行いました。

パフォーマンステストの数値をもとに個別トレーニングをスタート測定後はそれぞれの選手へのフィードバックとともに測定結果から一人ひとりに合ったトレーニングメニューを作成。チームの全体練習前のウォーミングアップ時に個別メニューを取り入れ、これを継続して行います。3カ月ごとに成果をチェックするためパフォーマンステストを実施。その数値をもとに選手たちへのフィードバックを行い、トレーニング内容を見直し、日々意識してトレーニングができるようなアドバイスを行います。選手が自分のストロングポイントやウイークポイントをどれだけ意識してトレーニングしていけるかが重要となります。

藤田トレーナー個別のトレーニング内容はウォーミングアップの時間内でできるものを考えています。選手には数値にしばられるのではなく、自身の感覚で左右差やスピード感についてのおおまかな認識をしながらトレーニングしてもらえるといいですね。定期的に測定を続けて、各選手に特化したトレーニング内容をチーム側と一緒に作り上げていきます。

パフォーマンステストで
サッカーに必要な動きやスピード、
パワーを測定

多様なジャンプテストから
バランス、連携、パワーロスなどをデータ化
筋肉量や基礎代謝量などを体組成計でチェック後、まずはジャンプテストを実施。以下に紹介するように、上方向と前方への2種類のジャンプテストをさまざまな体勢で行います。どちらも両足、片足で行うことで左右差やバランス能力を見るほか、持っているパワーやスピードを活かせているか、どこにロスがあるかなど、実に多くの情報を得ることができます。

上方向へのジャンプ

  1. 1. 両膝を90度直角にした状態から両足で上方向にジャンプ
    1

    両膝を90度直角にした状態から両足で上方向にジャンプ

  2. 2. 両足で立った状態から一度しゃがんだあとに伸び上がるように上方向にジャンプ
    2

    両足で立った状態から一度しゃがんだあとに伸び上がるように上方向にジャンプ

  3. 3. 片足で立ち、立っている方の片膝を90度直角にした状態から上方向にジャンプ
    3

    片足で立ち、立っている方の片膝を90度直角にした状態から上方向にジャンプ

  4. 4. 片足で立った状態から一度しゃがんでから伸び上がるように上方向にジャンプ
    4

    片足で立った状態から一度しゃがんでから伸び上がるように上方向にジャンプ

このテストでは、腰につけたセンサーによるデータから、ジャンプ時の筋力とスピードを割り出すことができます。選手によってどちらが優位かを見きわめ、トレーニングに活かします。

止まった状態からのジャンプでは、実際のプレー中に加速が十分にできているならその分の高さが出るのと同時に早く動くこともできるということが分析できます。
両足と片足で異なる傾向が出た場合には、片足のバランス能力を鍛えたり、片足の動きを感覚的に覚えたりすることを中心としたトレーニング内容となります。

藤田トレーナー両足で立った状態から一度しゃがんでジャンプする動きでは、しゃがむ動きも含めて一連の流れの中で飛ぶ方がジャンプのスピードも高さも出すことができますが、一方でロスもあります。余分な動きによってパワーロスがないかなどもチェックしました。

片足でジャンプをする際にふらついている場合には、そもそも持っているパワーやスピードを出せていないということもわかります。その場合には片足ずつトレーニングしてバランスがうまくとれるように鍛えていきます。

前方向へのジャンプ

  1. 1. 両足で前方向へジャンプ
    1

    両足で前方向へジャンプ

  2. 2. 片足で前方向へジャンプ(左右)
    2

    片足で前方向へジャンプ(左右)

  3. 3. 両足で立ち、片足で一歩踏み出したあとに前方向へジャンプ
    3

    両足で立ち、片足で一歩踏み出したあとに前方向へジャンプ

前後移動の多いサッカーに必要な前方へのカラダの動かし方や、重力に逆らって筋力、スピードを前方向に飛ぶチカラにうまく活かせているかを見るテスト。上方向へのジャンプの際に出ていたパワー、筋力、スピードが前方向へ飛んだ際にも同じように出るのが理想です。

両足からスタートして、片足で一歩踏み出してからのジャンプはランニングジャンプやヘディングなどでも必要となる動きです。動きの中で、片足でいかにうまく着地してジャンプできるかを見ることができます。

藤田トレーナー上方向に飛んだ時にはパワーもスピードも出ていたのに、前方向に飛んだ時にはパワーもスピードもうまく出せないという場合には、前後移動のカラダの動作を鍛えるトレーニングが必要になります。
(3)のジャンプの場合は、2歩目と3歩目の差がどれだけ開いているのかを見ます。実際のプレーでは、複雑な動きの中でジャンプすることが多いわけで、走る動きとの連動や、素早い切り返しからジャンプするなど、つながりが重要です。

これらのジャンプテストに加えて、走るスピードやアジリティのテストを行うことで、サッカーの多様な動きに対する今のパフォーマンス力をトータルに見極めます。

個々のパワーアップと
パフォーマンスアップの先に
チーム全体のレベルアップが見えてくる!

共通メニューと個別メニューを組み合わせて
トレーニングをカスタマイズ

今回のパフォーマンステストによって、選手たちの“今”を数値で把握することができました。この測定結果から個々に強化すべきポイントを確認し、それに応じたトレーニングメニューを日々の練習に取り入れていきます。
トレーニングの構成は、全員が同じ時間内でこなせる前提で、共通メニューと個別メニューを組み合わせて3カ月間ごとに結果を計測し、トレーニング内容の見直しを行います。

今後はトレーニングを続けることによって見えてくる選手たちの変化もウォッチングしていきます。

藤田トレーナー

藤田トレーナー選手たちの性格やコンディションやパフォーマンス、怪我の状態などはわかっているものの、あらためてそれをデータとして詳細に把握することで、新たに見えてきたものもありました。サッカーに必要な動きの質を上げるために、スピード、筋力、その使い方などを総合的に見て、それぞれの選手に必要なトレーニングをできるだけきめ細やかに提案していきたいと思います。

そして、大切なのは次のパフォーマンステスト。今回のテスト結果と比較して選手たちにどうしてこのような数値になったのかをわかりやすくフィードバックしていきたいですね。それを繰り返して、良い結果につながってこそアスリート支援ですから!

日テレ・ベレーザの今シーズンの活躍に注目しつつ、新たなテスト&トレーニングの取り組みの成果にも、ぜひご期待ください!

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