トレーニング前の食事は「炭水化物(糖質)」がポイント!
トレーニング前の食事では「炭水化物(糖質)」をしっかり摂りましょう。エネルギー源として体内に貯蔵できるブドウ糖やグリコーゲンの含有量は筋肉、肝臓、血液、脳のすべてを合わせても約1,700kcal程度です。食後約4時間で消化管からの血糖補給は終了してしまうため、トレーニング前にはエネルギー補給が必要になります。
空腹状態でのトレーニングは避けましょう
「炭水化物を摂ってしまうとトレーニング効果が薄れるのでは?」と思われる方も多いですが、空腹かつ炭水化物が足りない状態でトレーニングをしても、筋肉を増強させるエネルギーが不十分であるために思ったように筋肉を大きくすることができません。そればかりか、脂肪とともに筋肉もエネルギー源として分解され、筋肉量や基礎代謝が落ちてしまう可能性もあります。
また空腹時は集中力が下がってしまうため、トレーニングに集中できず意識が散漫しやすくなります。ケガのリスクが上がったり、低血糖になって体がだるくなったり、冷や汗や動悸などの症状が出たりする可能性もあるため注意しましょう。
運動までの時間や、空腹感に合わせて「補食」しよう
炭水化物にもさまざまな種類がありますが、トレーニング前は「トレーニング開始までの時間」や「空腹感」に合わせて食べるものを選ぶとより効果的です。トレーニングまでに時間があるときは吸収の遅い糖質を、時間がない時は吸収の速い糖質を摂ると良いでしょう。
- 運動まで1時間以上ある、強い空腹感がある ⇒ おにぎりやうどん、パンなど
- 運動まで30分程度 ⇒ バナナやカロリーメイトなど
- 運動まで10分程度 ⇒ 飲料やゼリー飲料など(低カロリー甘味料ではないもの)
手軽で簡単!トレーニング前に食べておきたいのは「バナナ」
「なにを食べるか迷ってしまう」という方には、バナナがおすすめです。バナナにはロイシン、バリン、イソロイシンといった必須アミノ酸BCAAが含まれており、これらの成分が運動中の筋肉のダメージを抑えてくれます。トレーニング前のエネルギー確保としてはもちろん、ケガの予防や筋疲労を和らげる目的としても最適です。
トレーニング後の食事は「タンパク質」がポイント!
トレーニング前は「炭水化物(糖質)」によるエネルギー摂取がポイントであったのに対し、トレーニング後の食事では「タンパク質」の補給が重要になります。トレーニング直後は筋肉のタンパク質合成が最大に達しており、筋肉のインスリンの感受性も最大になっています。このタイミングで「タンパク質」を摂取するとインスリン分泌が刺激されるほか、筋肉にアミノ酸を補給することもできます。
またトレーニング前と同じく、「糖質」もトレーニング後に摂取したい栄養素の1つ。トレーニング直後は筋肉のタンパク質分解も最大に達するのですが、このタイミングでインスリン分泌刺激作用をもつ糖質を摂取すると筋肉の崩壊(分解)を防ぐことができます。
- 手軽に摂れるタンパク質の例:鶏肉、納豆、うずらの卵、焼き魚、牛乳、チーズなど
- 手軽に摂れる炭水化物の例:白米、パン、バナナ、干しぶどう、ジュースなど
筋肉を増強させたい場合はタンパク質を体重1kgあたり0.25〜0.3g、糖質を体重1kgあたり1〜1.2gを目安に摂取していきましょう 。
運動後1〜2時間以内に摂取するのが効果的
筋疲労を回復させて筋肉を増強させるために、運動を終えて1~2時間以内に摂るのがおすすめです。先ほどご紹介した「タンパク質」と「炭水化物(糖質)」はもちろん、筋分解の抑制や筋肉痛の軽減に効果のある「アミノ酸」や、トレーニング中に不足しがちな「電解質(ミネラル)」なども補えるといいですね。
たんぱく質を補給できて低カロリー!トレーニング後におすすめの簡単レシピ
※作り方の動画はこちらからご覧ください。
トレーニング後は、タンパク質や糖質を補給しつつ低カロリーである食事が最適です。ここでは、豚肉や豆腐でタンパク質を補給しつつ、適度に糖質も摂れる「豆腐と卵のお好み焼き風」の作り方を紹介します。
このメニューは、切って混ぜるだけ!それでいて栄養バランスもばっちりな一品です。
材料:2枚分
- 絹豆腐 200g
- 卵 2個
- 片栗粉 大さじ4程度
- ベーキングパウダー 小さじ1
- 和風だしのもと 小さじ1.5
- 豚コマまたは薄切り肉 6枚程度
- 下味用塩コショウ 適量
- 乾燥桜えび 大さじ1.5
- キャベツ 適量(1/4~1/5程度)
- エリンギ 2本
※お好み焼きソース、低カロリーマヨネーズ、青海苔、鰹節、紅しょうがなどのトッピングはお好みでご用意ください。
調理時のポイントはたったの2つだけ!焼くときに焦げ付きを防ぐ&カロリーを減らすために、フライパン用ホイルを使って油を敷かずに焼きましょう。フライパン用ホイルを使用しない場合は、テフロン加工のフライパンにほんの少しだけ油を敷いてください。
トレーニング前後の食事で効果を最大化させよう!
トレーニング前後に摂る食事によって、体への効果が大きく変わります。トレーニング前には「炭水化物(糖質)」でエネルギー摂取し、トレーニング後には「タンパク質」で筋疲労を和らげ筋肉を増強させましょう。果物やゆで卵など手軽に摂れる軽食を用意しておくのもおすすめです。食事のタイミングと栄養素を意識して、トレーニング効果をより良くしていきましょう。