その飲み方間違っていませんか?温度やタイミングは?熱中症対策にもなる「水分補給」のいろは

その飲み方間違っていませんか?温度やタイミングは?熱中症対策にもなる「水分補給」のいろは

・熱中症を予防したい
・水分不足が気になる
・夏の体調不良を改善したい

暑くなってきて、汗をかく機会も増えていますね。汗をたくさんかく夏は、脱水症状や熱中症対策のために水分補給が大切です。しかし「水の飲み方」にも大事なポイントがあることはご存知ですか?水の温度やタイミングなど、熱中症対策にもなる「水の飲み方」を紹介します。

CONTENTS

不足すると疲労感や熱中症の原因に。水の重要な役割とは

体の60%は水でできているといわれています。体の水分が不足すると、めまい、疲労感、頭痛、運動能力の低下などの脱水症状を引き起こします。
水は私たちの体にとって必要なさまざまな働きがありますが、いったいどんな働きをしているのでしょうか。

1.運搬する
血液の中の血漿(けっしょう)の約90%を占めているのが水です。血液には酸素や栄養分を体中に運び、老廃物を体外へ排出する役割があります。

2.体温調節をする
私たちの体にある水分は、皮膚への血液の循環を増やし、汗を出します。汗となって出た水は蒸発する際に体の熱を奪うため、体温を調節することができます。

3.環境を維持する
体を形成している細胞はほぼ水でできています。水分が十分にあることで、細胞の組織が活発に作られたり、老廃物の排出がスムーズになります。その結果、体液(血液)環境を一定に保ち、新陳代謝がスムーズに行われます。

このような「水の働き」があるからこそ、私たちは毎日を元気に過ごすことができますが、夏は気温や湿度が高かったり、汗をかいて「水分不足」になったりしがち。そして水分不足になった状態を放っておくと、熱中症を引き起こす危険性もあります。

熱中症対策になる水分補給のポイント

熱中症対策になる水分補給のポイント

熱中症対策には、「喉が乾く前」に
外を歩くときだけでなく、人間の体は汗や尿などから常に水分を排出しています。熱中症対策のためには「喉が乾いてから飲む」ではなく、乾く前に“ちょこちょこ”と水を飲むように意識しましょう。

熱中症対策には、水分だけでなく塩分も
大量に汗をかいて脱水状態になっている体に水だけを取り込むと、血液のナトリウム濃度(塩分と水分のバランス)が薄まってしまい、体は自動的に「これ以上バランスが崩れないように」と水分を排出しようと働きます。
この働きによって更に脱水症状が深刻化する可能性があるため、熱中症対策には0.1〜0.2%の食塩と糖質を含む飲み物がおすすめです。

▼塩分補給になる飲み物
熱中症対策や症状の改善には、塩分や砂糖、カリウムなどがバランスよく含まれるスポーツドリンクや経口補水液が最適。
とくに経口補水液は体液に非常に近い浸透圧のため、素早く吸収されて脱水症状を緩和できます。スポーツドリンクや経口補水液が手元にない場合や、「スポーツドリンクを常に飲むのは糖分が気になる」という場合には、水に塩をひとつまみ加えて汗と同じくらいの濃度にして飲んでみてください。

▼塩分補給になる食べ物
水分摂取だけでなく、食べ物を通して塩分を摂取することも効果的です。
暑い日が続くとあっさりしたものばかりを欲してしまいますが、「梅干し」や「そうめん」、「お味噌汁」であれば、夏バテしていても適度な塩分を取ることができます。
最近は、熱中症対策のために作られた塩分配合の飴なども販売されています。汗をかきやすい外出時には持ち歩くこともできますね。

1日に必要な水分量は、2L

1日に必要な水分量は、2L

水分補給といってもどのくらい飲めばいいの?と疑問になる人もいるでしょう。成人が1日に必要とされる水分量は、ずばり"2L"です。
やや多い印象ではありますが、2Lの中には食べ物からの水分摂取も含まれるため、「水」としては1.2L程度となります。

水分補給のタイミング
1.2Lの水ですが、一度に大量に飲むのではなくこまめに摂るようにしましょう。胃の1回の吸収量である200〜250ml程度(マグカップ1杯)が1回の目安です。また、カフェインやアルコールには利尿作用があるため、水分補給としては適していませんのでご注意。

「こまめに飲む」タイミングを、1日のスケジュールの中でまとめました。

水分補給のタイミング

上記以外にも、汗をかいた時は水分を補給するようにしましょう。

冷たい水はNG?大事なのは体の状態に適した温度

冷たい水はNG?大事なのは体の状態に適した温度

暑い時、つい冷たい水を飲んでいませんか?実は水分補給を効率的にするためには、冷たい水はよくありません。冷たい飲料のとり過ぎは、深部体温(体の中の温度)の低下に繋がり、以下のような不調を引き起こすことも。

1.消化機能が低下し、便秘に
深部体温が下がると消化器官の働きが悪くなり、「便秘」「胃痛」「下腹部痛」「肌荒れ」などの原因にも...。ぽっこりお腹や肌トラブルが気になってきた人は、冷たい飲み物を飲んでいませんか?

2.吸収力が低下し、ビタミン欠乏症に
深部体温が低すぎたり高すぎたりすると「消化酵素」が十分に働かなくなり、食べ物からの栄養の吸収力が低下します。
栄養素が体に取り込まれないと、ビタミンやミネラルが足りないことで欠乏症が生じる「下痢」「体重減少」「貧血」「全身のだるさ」などの原因になることも。

3.血行不良になり、むくみや冷え性に
体が冷えると血管が収縮されて、血液循環の低下(血行不良)を引き起こします。
血行不良になると、「肩こり」「むくみ」「冷え性」「生理不順」などがあらわれ、ひどい場合には「血栓症」や「不整脈」など重い病気の原因になることも。冷たいものをやめ、体を温めると、血液の流れは良くなります。

常温の水を飲むように意識しましょう
深部体温は約37℃ですが、冷蔵庫や自販機は通常5〜10℃に設定されているため深部体温よりかなり温度が低くなっています。できる限り、常温の飲み物を飲むように心がけましょう。

水なのにアンチエイジング?!水の種類

ひとくちに「水」と言ってもさまざまな種類があります。疲労回復や美容にいいとされる人気の「水素水」「炭酸水」から、運動時に大事な飲み物を紹介します。

◎水素水

◎水素水

水に水素を溶かしたもので、水素が豊富に含まれている水です。
水素水は、水素の働きにより「活性酸素」と結びつき、過剰な活性酸素を無害化する働きがあります。この抗酸化により、以下のようなうれしい効果が期待できます。

1)疲労回復
運動やストレスで「活性酸素」が体内に発生した時に「疲れ」を感じやすいのですが、水素水が活性酸素を除去することで疲労から回復しやすくなる効果があります。

2)アンチエイジング
体を酸化させる活性酸素を除去する「抗酸化」の効果により、アンチエイジングが期待できます。
色の濃い緑黄色野菜や果物などに含まれる、ビタミンA(βカロチン)、ビタミンC、ビタミンEも「抗酸化ビタミン」と同じ働きをします。

3)健康維持
ストレスや、飲み過ぎ・食べ過ぎなどで増える活性酸素を除去し、エネルギー代謝を行う肝臓をサポートします。肝臓の酸化を防ぎ、脂肪肝や血管の動脈硬化の予防に効果的です。

◎炭酸水

◎炭酸水

水に二酸化炭素を溶かしたもので、炭酸ガスが溶けている水です。
ヨーロッパでは、水といえば炭酸水といわれるほど一般的なもので、日本でも美容にも良いとして徐々に認知度が上がってきています。炭酸水には、以下のような効果が期待されます。

1)血流改善
炭酸水に含まれる二酸化炭素が、一次的に酸欠状態を作り出すため、それを回避しようと血管が広がり、軽い運動時のように血流が改善される。

2)食べすぎ予防
炭酸で胃が膨らみ満腹感が得られる。
※少量を摂取した場合は、炭酸の刺激で胃の活動が活性化し食欲が増進します。
水分補給の際には、自分の体の状態に合わせて、こうしたお水も上手に取り入れてみるといいですね。

◎イオン飲料
汗で失われた水分やナトリウムなどのイオン(電解質)が、身体にスムーズに吸収される飲料のことです。
運動中は汗をかくので、水分補給が必要ですが、「水」を過剰にとりすぎると、体内のナトリウムのバランスが低くなり、めまいやふらつきなど脱水症状と似た症状が出る「運動性低ナトリウム血症」になってしまうことも。運動時には、ナトリウムや電解質も補給できるイオン飲料・スポーツドリンクがおすすめです。

水分補給は飲み方も大事。喉が乾く前に飲んで熱中症を予防しよう

今回は「水の飲み方」について紹介しました。喉が乾く前に飲むこと、1.2Lの水をとること、汗をたくさんかくときには塩分も一緒に摂取すること、冷たい水ではなく常温を心がけること...。特に夏は汗などで脱水しがちなので、こまめな水分補給を心がけてくださいね。夏の暑さに負けないように、みずみずしく過ごしましょう!

 

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