筋膜剥がしのメリットを解説!日常生活で気をつけたいポイント、筋膜をリリースする正しい方法とは

筋膜剥がしのメリットを解説!日常生活で気をつけたいポイント、筋膜をリリースする正しい方法とは

・体のコリをほぐしたい
・筋膜ローラーの正しい使い方を知りたい

「筋膜」という言葉をご存知ですか? 筋膜は全身を包む薄い膜で、凝り固まってくるとコリや痛み、姿勢の歪み、慢性疲労に繋がります。この記事では、筋膜をほぐすメリットと効果的な方法をご紹介します。

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筋膜を「剥がす」とは?

筋膜は、筋肉や骨、内臓器官、血管、神経などを包む薄い膜のこと。筋膜は全身を包み、筋肉や内臓が正しい位置になるよう支えています。そのため筋膜は「第二の骨格」ともいわれます。

筋膜は本来はサラサラとした基質で滑りが良く、体の動きに合わせた柔軟性を持っています。しかし、非常に柔らかく薄い膜のため、長時間同じ姿勢を続けるなどの負担を受けると筋肉組織に癒着してしまったり、よじれて動きが悪くなってしまうことがあります。

この筋膜の癒着やよじれを解消するためにほぐしていくことは、筋膜を「(癒着から)剥がす」「リリースする」「柔らかくする」などと表現されています。

筋膜を柔らかく、ほぐすメリット

筋膜を柔らかく、ほぐすメリット

全身を包んでいる筋膜を柔らかくほぐし動きを良くすることには、体のさまざまな不調を改善する効果があります。特に実感しやすいメリットとしては、以下のようなものがあげられます。

・コリや痛みが解消する
・姿勢が良くなる
・体が動かしやすくなる
・冷えや慢性疲労の改善
・自律神経が整う
・たるみ、シワ、むくみの改善

筋膜が硬くならないために、日常生活で気をつけたいこと

筋膜がほかの組織と癒着してしまう原因を減らすことにより、心地良い体を保つことができます。筋膜が硬くならないための日常生活のポイントとしては、以下の点があげられます。

・特定の筋肉ばかり使わず、全身のバランスを取る
・良い姿勢で過ごす
・適度な運動をする
・体を冷やさない
・適度に水分を摂る
・ストレスを溜めない

長時間同じ姿勢で動かなかったり、体を冷やしたりしていませんか?片足に体重をかけて立ったり、同じほうの肩にばかりバッグをかけてしまう癖のある方は、筋膜が固まり、動きづらくなっているかもしれません。休憩時間に思いっきり伸びをしたくなるのも、無意識のうちに筋膜をリリースしているのです。

筋膜をほぐす方法

癒着したりよじれたりした筋膜を正常に戻すためには、いくつかの方法があります。

▶︎ヨガやストレッチ
ヨガやストレッチで筋肉を伸ばしたり可動域を広げることで、筋肉を気持ちよく伸ばしながら、筋膜を柔らかくほぐすことができます。

▶︎マッサージ
圧を加えたり揉みほぐすなど、セルフマッサージをすることで筋膜をほぐすことができます。ただし、専門知識がないとセルフマッサージで筋膜を剥がすことは難しいと感じることもあるでしょう。ほぐしたい部位になかなか手が届かなかったり、セルフマッサージがしにくい場合は思い切ってプロに頼るのも良いでしょう。

▶︎水分を補給する
体内の水分が不足してしまうことで、筋膜が硬くなりやすくなってしまうので、定期的に水分補給をするようにしましょう。筋膜リリースをした後に水分補給をすると、筋膜に新鮮な水分が取り込まれます。それにより、筋膜がより良い状態になり、良い働きをすることにもつながります。

▶︎道具を使う
自分で筋膜剥がしを行う場合は、筋膜ローラーを利用したり、テニスボールを活用したりすることが一般的です。筋膜ローラーのなかには疲れや痛みを取るだけでなく、ダイエットにも効果的な振動機能付きのものもあります。

『筋膜ローラー』を使った筋膜剥がし

筋膜をはがす効果がある「筋膜ローラー」は、じっと圧迫したり、前後に転がしたりとさまざまな使い方ができます。正しい使い方で効果的に筋膜を剥がし、動きやすい体を手に入れましょう!

▶背中の筋膜剥がし
猫背や呼吸の浅さを解消するための筋膜剥がしです。普段パソコンを長時間使用していて肩こりに悩まされている方におすすめ。

背中の筋膜剥がし

■やり方
1.体育座りの姿勢になります。
2.後ろに筋膜ローラーを置き、徐々に寄りかかるように上半身を倒します。このとき、筋膜ローラーがアンダーバストのあたり(肩甲骨より下)に当たるようにしましょう。
3.両手を首の後ろで組み、筋膜ローラーに乗ってお尻を浮かせます。
4.お尻を浮かせたまま、上体を前後に4往復動かして筋膜ローラーを転がします。
5.3の姿勢に戻り、お尻を床につけます。筋膜ローラーを静止させたままで、上体を横に曲げるようにして4回左右に動かします。
6.筋膜ローラーの位置を肩甲骨に合わせて移動させます。3~5の動きを行い、先ほどよりも上部の背中をほぐしましょう。

■ポイント
視線を天井に向け、脇を開いて胸を広げて呼吸しながら行いましょう。筋膜ローラーを大きくゴロゴロと転がすと表面の筋肉しか刺激されず、肝心の筋膜をほぐせないため細かく揺らすように行います。

▶ヒップの筋膜剥がし
お尻まわりの筋膜を剥がして動きを良くすることは、ヒップのセルライトやたるみの解消に繋がります。冷えにも効果的なため、座りっぱなしでお尻を圧迫した姿勢が多い方におすすめです。

ヒップの筋膜剥がし

■やり方
1.左の体側を下にして横向きに寝ます。右膝を曲げて左足の後ろの床に右足の裏をつきます。
2.左肘で体を支えて上体を浮かせ、筋膜ローラーを骨盤と床の間に置きます。
3.筋膜ローラーに左のお尻の外側を乗せ、5~6往復させてほぐします。
4.止めた状態の筋膜ローラーで、左右にお尻の外側をこするように5~6往復させてほぐします。
5.筋膜ローラーをお尻上部に当てた状態で仰向けになります。両肩は床につけましょう。
6.右膝を曲げて、左に倒して体幹を捻ります。骨盤正面が天井向きから左向きになるようしっかり動かして、お尻上部をほぐします。
7.右膝を曲げたまま骨盤正面が天井向きになるところまで戻します。
8.6~7を5~6回繰り返します。
9.反対側も1~8を同様に行います。

■ポイント
お尻に体重をかけながら筋膜ローラーを転がしますが、過度に圧迫するとアザができたり揉み返しを起こす原因にもなります。一点に集中し過ぎず細かく動かして、筋膜をまんべんなくほぐしましょう。

『テニスボール』を使った筋膜剥がし

テニスボールを使って、剥がしたい部位の筋膜をピンポイントにほぐすこともできます。安価で簡単に手に入るテニスボールではじめてみるのもおすすめです。

▶足裏の筋膜剥がし

足裏の筋膜剥がし

足裏の筋膜をほぐすことで、全身の筋膜をもほぐすことにつながると言われています。このやり方は簡単に行うことができるので、毎日の日課の一つとして取り入れても。

■やり方
1.真っ直ぐ立った状態で、徐々に右足に重心を移動させ、左足を軽く浮かせます。
2.左側の足裏、指の付け根あたりにテニスボールをセットし、何度かぐっと体重をかけます。
3.その後同じようにして、土踏まずやかかとのあたりでも同じ動作を行います。
4.最後に、体重をかけながら約1分間コロコロと転がしましょう。
5.反対も同様に行いましょう。

■ポイント
しっかりと体重をかけて、足裏の筋膜をしっかりとほぐせている感覚を感じながら行うようにしましょう。
バランスに自信がない方は、壁に手をつくなどして行いましょう。

▶ふくらはぎ・膝の裏の筋膜剥がし

ふくらはぎ・膝の裏の筋膜剥がし

第二の心臓と呼ばれているふくらはぎをほぐすことで、筋膜剥がしをするだけでなく血流もよくなります。

■やり方
1.両足を真っ直ぐに伸ばした状態で、姿勢良く座ります。
2.まずは左足のふくらはぎの一番膨らんでいる部位の下にテニスボールを置きます。
3.両手を床につき、体重を支えながら、徐々にテニスボールに体重が乗るようにします。
4.左足のつま先を正面方向に伸ばしたり、つま先を手前に引いてかかとを突き出すように繰り返し動かします。
5.その後、コロコロとテニスボールを前後に転がします。
6.テニスボールの位置を膝の裏にセットし、体重を乗せるようにします。
7.反対側も同様に行います。

■ポイント
両手で体重を支えながら動き、テニスボールにしっかりと体重を乗せることでより筋膜をほぐしやすくなります。 ゆっくりと時間をかけて丁寧に行いましょう。

筋膜ローラーやテニスボールを使い自宅で効果的に筋膜剥がしをして、ジムで効果を実感しよう

筋膜剥がしのメリット、日常生活で気をつけたいこと、自宅でできる正しいほぐし方についてお分かりいただけましたでしょうか。ジムに通われている方は、ジムに行く前に筋膜剥がしをして動きやすくしておいたり、ジムから帰ってきたときに筋肉をほぐす目的で使ったりすることで、いつものジムライフがさらに快適になります。いつもよりも動ける体でますます楽しく、ジムのトレーニングやプログラムを満喫しましょう!

健康面だけでなく、美容面でも嬉しい効果が期待できる「筋膜剥がし」。毎日の生活に取り入れてイキイキとした美しさを手に入れたいですね。

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