スロージョギングが「効果ありすぎ」と言われる理由
スロージョギングとは?ウォーキングやランニング、速歩きとの違い

スロージョギングとは、ウォーキングとランニングの中間に位置する、ゆっくり走る運動のことです。
ウォーキングよりも心拍数が上がりやすく、脂肪燃焼効果が高い一方で、ランニングほど膝や足首に負担がかかりません。体力に自信がない人や運動習慣のない人でも始めやすく、息切れしにくいペースで続けられるのが特徴です。
見た目は速歩きと似ていますが、決定的な違いは「走る動作」にあります。スロージョギングでは、両足が一瞬地面から離れる“浮く”時間があるのに対し、速歩きは常にどちらかの足が地面に接している“歩行”です。動きの違いによって、スロージョギングのほうが運動強度・消費カロリーともに高く、全身の筋肉をより多く使います。
また、ペースを自分で調整できるため、体調や気分に合わせて無理なく続けられます。ランニングほどハードではなく、ウォーキングより効果的なため、ダイエットや健康維持に最適な運動として注目されています。
スロージョギングは高い脂肪燃焼効果を期待できる
スロージョギングは見た目以上に脂肪燃焼効果が高く、効率よく体脂肪を減らしたい人に向いています。
最大のポイントは、負荷が低くても「長時間続けられること」です。強度が高すぎないため、体がエネルギーとして脂肪を使いやすい状態を維持できます。一般的に脂肪の燃焼が活発になりやすいのは運動開始から20分以降とされますが、スロージョギングなら無理なくその時間を超えられるため、効率的に脂肪を燃やせるのです。
また、全身の筋肉をバランスよく使うことで基礎代謝が上がり、日常生活の中でもエネルギーを消費しやすい体に変わっていきます。さらに、軽い筋トレを組み合わせると、筋肉量の増加によって代謝がより高まり、引き締まった体づくりに効果的です。
脂肪を燃やすには、運動だけでなく食事管理も欠かせません。糖質や脂質の摂りすぎに注意し、たんぱく質や野菜をバランスよく取り入れることで、スロージョギングの効果をより実感しやすくなります。
スロージョギングは継続しやすい
どんなに効果の高い運動でも、続かなければ成果は得られません。その点でスロージョギングは、無理なく続けやすい運動として多くの人に支持されています。
激しいトレーニングや極端な食事制限は一時的な結果を出せても、ストレスや疲労で途中で挫折してしまうことが少なくありません。スロージョギングは、自分のペースで行えることが最大の魅力です。体力に自信がない人でも始めやすく、気分や体調に合わせてスピードを調整できます。
また、生活の中に自然に取り入れやすい点も続けやすさの理由の一つです。たとえば、通勤時に一駅手前で降りて走る、買い物の帰りに少し遠回りをするなど、日常の移動時間を運動に変えることができます。特別な時間を設けずに済むため、忙しい人でも無理なく習慣化できるでしょう。
さらに、公園や川沿いなど自然の中で行えば、季節の変化を感じながらリフレッシュできます。音楽を聴いたり、仲間と一緒に走ったりと、自分に合った“楽しみ方”を見つけることで継続のしやすさがさらに高まります。
スロージョギングは老ける?デメリットはあるの?

スロージョギングそのものが「老ける」原因になるわけではありません。
ただし、やり方や走る環境によっては、肌や体に負担をかけてしまうケースがあります。
まず注意したいのは、走りすぎによる活性酸素の増加です。長時間の運動は酸化ストレスを高め、細胞の老化を促す要因になることがあります。また、屋外で行う場合は紫外線によるダメージも無視できません。UV対策をせずに長時間走ると、シミや乾燥など肌の老化のリスクが上がります。
さらに、フォームの乱れにも注意が必要です。姿勢が崩れたまま走ると、膝や腰、足首に過度な負担がかかり、痛みや故障につながることがあります。特に初心者は、いきなりスピードを上げたり長時間走ったりせず、少しずつ体を慣らしていくことが大切です。
また、水分補給を怠ると脱水や肌の乾燥を招くこともあります。室内・屋外を問わず、のどが渇く前に少量ずつ水分を摂るよう心がけましょう。
このように、スロージョギングのデメリットは「やりすぎ」や「ケア不足」が原因です。適度な時間と回数、正しいフォーム、そして紫外線対策を意識すれば、若々しく健康的な体づくりに役立つ運動になります。
スロージョギングの正しいやり方とポイント

スロージョギングの基本フォーム
スロージョギングを効果的に行うためには、まず姿勢とフォームを正しく保つことが大切です。
背筋をまっすぐ伸ばし、頭の先からつま先までが一直線になるよう意識しましょう。猫背や前傾姿勢になると、腰や膝に余分な負担がかかります。目線は数メートル先を見て、自然な姿勢を維持するのがポイントです。
腕は軽く曲げ、肘を後ろに引くように振るのが基本です。肩に力を入れず、上半身のリズムで自然に腕を動かすと体全体のバランスがとりやすくなります。
歩幅は普段の歩行よりも狭めにとることで、膝や足首への衝撃を軽減できます。
ピッチ(歩数)は、1分間に約180歩(1秒で3歩)が理想ですが、初心者は1分間に約120~140歩(1秒で2歩ちょっと)から始めて問題ありません。
「歩幅は狭く、歩数は多く」を意識し、慣れてきたら少しずつピッチを上げましょう。正しいフォームを意識することで、スロージョギングの効果を最大限に引き出し、ケガの予防にもつながります。
フォアフット着地を意識すべし
スロージョギングでは、かかとから着地するのではなく、足の前半分(フォアフット)で着地するのが基本です。
フォアフット着地は、地面からの衝撃を分散させるため、膝や関節への負担を軽減できます。また、ふくらはぎやアキレス腱を効率的に使えるため、脚全体の筋肉をバランスよく鍛えられます。
ただし、つま先立ちになりすぎるとふくらはぎに余分な負担がかかってしまいます。足裏全体で地面を押すように着地し、軽く弾むようなリズムで走ると、自然に正しいフォームが身につきます。
疲れてフォームが崩れてきたときは、そのまま走り続けず、一度立ち止まって姿勢を整えてから再開しましょう。フォアフット着地が習慣化すると、動きがスムーズになり、足取りも軽く感じられるようになります。
呼吸法にも注意
スロージョギングでは、正しいフォームと同じくらい呼吸法が大切です。鼻から吸って口から吐く鼻呼吸が基本で、空気を加湿・加温しながら異物を除去し、呼吸器への刺激をやわらげることができます。冷たい空気を直接吸い込みにくくなるため、のどの乾燥や痛みも防げます。
息が苦しくなってきたときは、口呼吸を併用しても構いません。浅い呼吸では酸素が十分に取り込めないため、深くゆったりとした呼吸を心がけましょう。
呼吸のリズムは自分のペースに合わせて調整し、たとえば「2歩で吸って2歩で吐く」ようにリズムを取ると、自然に呼吸が整いやすくなります。
呼吸を整えることでフォームが安定し、体全体の動きがスムーズになります。疲労感も軽減され、より長く快適にスロージョギングを続けることができます。
室内でのスロージョギング【天候に左右されない運動】

室内での効果的なスロージョギングのやり方
スロージョギングは、屋外だけでなく室内でも手軽にできる運動です。
広いスペースがなくても、2m × 6mほどの範囲で“8の字”を描くように走るだけで十分な運動になります。床を強く蹴らず、足を軽く持ち上げるイメージで静かに走るのがポイントです。
より効率的に行いたい場合は、ランニングマシン(トレッドミル)の利用がおすすめです。速度や傾斜を自由に調整できるため、体力や目的に合わせて負荷をコントロールできます。走行距離や消費カロリーなどのデータを確認できる機能もあり、モチベーション維持にもつながります。
ランニングマシンで走る際は、背筋を伸ばして目線を前方に向け、腕を軽く曲げて自然に振ることを意識しましょう。ベルトを蹴るように走ると脚への負担が大きくなるため、足をそっと置くように動かすのがコツです。転倒防止のためには、安全クリップを装着し、緊急停止ボタンの位置を事前に確認しておくと安心です。
正しいフォームと安全意識を持って行えば、限られたスペースでも快適にスロージョギングを続けられます。
室内スロージョギングのメリット
室内スロージョギングの最大のメリットは、天候に左右されずに続けられることです。
雨の日や真夏の猛暑、冬の寒さでも快適に運動できるため、1年を通して無理なく習慣化できます。
また、花粉症やPM2.5などの大気汚染が気になる季節にも最適です。室内なら空気環境を整えやすく、体への負担を減らして安全に運動できます。
さらに、人目を気にせず自分のペースで取り組めるのも大きな魅力です。テレビや音楽を楽しみながら行えば、飽きずに続けやすく、ストレス解消にもつながります。
自宅にランニングマシンがない場合は、ジムやスポーツクラブの室内トレッドミルを活用するのもおすすめです。トレーナーのアドバイスを受けながらフォームを確認できるため、初心者でも安心して始められます。
室内スロージョギングは環境を選ばず続けやすい運動法として、忙しい人や運動が苦手な人にもぴったりです。
スロージョギングを続けるための秘訣

色々なところで走る
スロージョギングで毎回同じ場所で走っていると、景色に飽きてモチベーションが下がってしまうこともあります。そのようなときは、走る場所を変えることが継続のコツです。
通勤・通学の際に一駅手前で降りてスロージョギングを取り入れたり、買い物ついでに少し遠回りしてみたりするのも効果的です。日常の移動時間を運動に変えることで、自然と習慣化できます。
また、旅行先や出張先でのスロージョギングもおすすめです。知らない街を走ると観光気分が味わえ、気分転換にもなります。桜の名所や紅葉の並木道、夜のイルミネーションなど、季節を感じられるロケーションを選ぶのも楽しみの一つです。
自宅周辺だけで行う場合でも、ルートを少し変えるだけで新しい景色や発見があり、気持ちをリフレッシュできます。
目標設定と記録
スロージョギングを長く続けるためには、無理のない明確な目標を立てることが大切です。
たとえば「1日10分から始める」「週3回続ける」「1ヶ月で15km走る」など、達成しやすい具体的な目標を設定しましょう。最初から完璧を目指す必要はなく、少しずつステップアップすることが継続の秘訣です。
また、走った時間・距離・消費カロリーを記録する習慣をつけると、自分の成長を実感できます。
スマートウォッチやランニングアプリを使えば、データを自動で記録できて便利です。ノートや手帳に書き残すのも効果的で、達成感がモチベーションにつながります。
定期的に記録を見返すと、自分に合ったペースや課題がわかるようになります。「この時間帯が走りやすい」「この距離なら無理なく続けられる」など、自分のリズムがつかめると継続が一気に楽になります。
ご褒美を設定する
モチベーションを維持するためには、目標達成後の“ご褒美”を決めておくことも効果的です。
ご褒美は高価なものでなくても構いません。お気に入りのカフェでコーヒーを飲む、新しいスポーツウェアを買う、映画を観るなど、自分が「これを楽しみに頑張れる」と感じるものを選ぶことが大切です。
こうした特別な時間を意識的に取り入れることで、スロージョギングを「頑張り」ではなく「楽しみ」に変えられます。
小さなご褒美を積み重ねながら続けることで、運動が自然と習慣になり、健康的な生活リズムも身につきます。
スロージョギングを無理なく続けるコツは、「場所を変える」「記録する」「自分を褒める」の3つ。このサイクルを意識すれば、楽しみながら長く続けられるはずです。
スロージョギングで健康的な生活を
スロージョギングは、無理なく続けられて脂肪燃焼や体力アップに効果的な運動です。ウォーキングよりも効率よく、ランニングよりも体にやさしく、誰でも気軽に始められます。
室内外を問わず取り組める手軽さも魅力のひとつです。正しいフォームと呼吸を意識し、目標やご褒美を設定しながら続けることで、楽しみながら健康を維持できます。
毎日の暮らしにスロージョギングを取り入れて、軽やかで前向きな毎日を手に入れましょう。





