便秘とは
水分不足もしくは腸の機能低下により、食べ物を消化した後の不要物が排泄されず腸内に残っている状態を便秘といいます。
「便秘」かどうかは回数だけじゃない
「毎日排便していない=便秘」と思われがちですが、実は回数ではありません。2日に1回でもスッキリと排便できていれば便秘ではなく、逆に「いつも便が硬く、出し切れていない感じがする」場合は、便秘と判断されます。
「便秘」の影響は血液にも
便秘になると、大腸菌(悪玉菌)の働きで有害物質が発生します。その物質が血液を通じて体全体にまわると、肌荒れや食欲不振、疲労、肩こりなどの不調を引き起こします。
70代以降になると男性が増加
日本人男性の2.5%、女性の4.4%が悩んでいるといわれる「便秘」。若いころは女性の方が多い傾向にありますが、70代以降になると男女比が逆転します。最近では、小学生も5人に1人が便秘に悩んでいるという報告もあります。
便秘の原因になる6つの生活習慣
体質的な原因もありますが、便秘のほとんどの原因は「生活習慣」によるものです。原因として挙げられる、6つの生活習慣をチェックしましょう。
1.朝食を食べないい
朝起きたばかりの胃腸は、食べ物が消化されて“空っぽ”の状態です。朝食を抜くと腸が刺激されず、便意を感じづらくなります。その日1日だけでなく、日常的に内臓の働きが弱まってしまうのです。
2.野菜やくだものをあまり摂らない
野菜やくだものといった食物繊維や水分を豊富に含む食品を摂らないと食べ物のカスがたまらず、便の量が少なくなり、排泄しづらくなります。
3.運動不足
運動不足が続くと大腸の働きが弱まります。体を動かすことで腸も伸縮したり動いたり刺激を受け、腸の活性化につながります。 また、腹筋が衰えるといきむ力も低下するので、便を押し出す力が弱くなります。
4.便意を我慢する
便意をこらえて我慢を繰り返すと、便意が脳に届きづらくなります。また、腸内に便が長時間とどまることで水分が吸収された「硬い便」が生まれてしまい、ますます排泄しづらくなります。
5.ホルモンバランスの乱れ
男性より女性のほうが便秘になりやすい理由のひとつが、ホルモンによる影響を受けやすいこと。生理前や妊娠中に分泌される「黄体ホルモン」には大腸のぜん動運動を抑える働きがあるほか、体調不良などによってホルモンバランスが崩れると便秘になりやすくなります。
6.ストレス
ストレスによって交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、腸を含む消化機能の動きが鈍くなります。さらに便秘と下痢を繰り返す「便通異常」になりやすくなります。
当てはまるもの、気になるところはありましたか?便秘を解消するために、とくに意識したいのが「運動習慣」と「食習慣」です。以下の習慣を取り入れてみましょう。
便秘がちなお腹をすっきりさせよう 〜運動習慣〜
お腹に効く、便秘解消エクササイズ
体の中でも特に「お腹」を動かす運動は、腸が伸縮したり揺さぶられたりするので良い刺激となり快便につながります。
▼座ったままできる!腹筋エクササイズ
1)太ももとお腹の角度が直角になるよう椅子に座り、背中を軽く背もたれにつけます。
2)手は椅子のサイドをつかみ、背筋を伸ばます。
3)かかとを床につけて、ひざ、くるぶしをくっつけます。
4)ひざ、くるぶしをつけたまま、膝を上げて5秒キープします。
5)膝の上げ下げを10セット程度行います。
▼お腹をひねって!ツイストポーズ
1)左の膝は床につけ、右足の膝を直角に曲げて片足立ちになります。
2)左手を一度上にあげ、上げた左手を右足の外側におろします。
3)上体を右に向け、両手の平を胸の前で合わせます。このとき背筋が伸びるようにしましょう。
4)上半身はそのままで、マットについていた左膝を床から離します。
5)息を止めず、キープしながらゆっくりと3回呼吸します。
6)伸ばしていた左足を床に戻し、両手をほどき、最初のポーズに戻ります。
7)反対側も行います。
普段の生活を利用して、運動量を増やす
お腹に効くエクササイズ以外でも、運動そのものが腸への刺激になります。
「エレベーターではなく階段を使う」「姿勢良く、速歩きする」「TVを見ながらストレッチをする」「レンジをチンする間にスクワットをする」など、少し運動量を増やすだけでも、便秘解消に効果的です。
家ではできないエクササイズはスポーツジムで
音楽に乗ってエクササイズしたり、ヨガの教室でポーズをコーチに教えてもらったり、ランニングバイクで思い切り汗をかいたり...など、さらに腹筋や運動量を楽しく増やしたいのであれば、スポーツジムもおすすめです。
便秘解消に加えて、見た目にもうれしい変化
定期的に運動すると、便秘以外に「むくみ解消」「血行促進による顔色アップ」「ダイエット効果」「ホルモンバランスの安定」など、見た目にも嬉しい効果がたくさんあります。
もちろん、「筋力アップ」「心肺機能の向上」「免疫力アップ」など、見えない体の内側の効果も。
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便秘がちなお腹をすっきりさせよう 〜食生活〜
食生活の見直しも便秘解消の重要なポイントです。「食物繊維」と「水分量」を意識してみましょう。
水分補給をしっかりと
水分が不足すると便が硬くなるので、冬でも1日2リットル程度の水を飲むことを心がけましょう。一気に飲まずに、こまめに飲むことも便秘には効果的です。朝起きたときにコップ一杯の水を飲み、日中もテーブルにピッチャーを置いておくなどして、水分補給しましょう。
3食のうち、1食は和食に
和食は野菜や海藻、水分が多く含まれており、自然と「食物繊維」と「水分」がとれる食事です。献立を考える時や外食する時、3食のうち1食は和食にするよう心がけるだけで、腸にうれしい効果があります。お米、お味噌汁と具、副菜だけでも野菜と水分がとれます。
野菜を加えて食物繊維を
便通を良くするために、「食物繊維」を多く含む野菜を積極的に摂りましょう。ブロッコリーをゆでるだけ、ミニトマトを添えるだけでもOK!他には、お味噌汁にキャベツの千切りを入れたり、玉ねぎと卵で中華スープにしたりなど、手軽に少しでもいいので野菜をとるようにしてみてください。
運動不足・食生活を変えて、つらい便秘を解消しよう
便秘は体質と思われがちですが、生活習慣を変えることでずいぶん解消されます。ポイントは「運動」と「食事」。この2つを改善すると、便秘だけでなく美容から健康まで、さまざまなうれしい効果があります。少し生活習慣を変えて、気持ちの良い毎日を送りましょう。