速歩きとは?速度の目安はどれくらい?

「速歩き(早歩き)」とは、普段のウォーキングよりも少し速いペースで歩くことです。
目安は時速5〜7km程度ですが、最初から細かく速度を測る必要はありません。
感覚としては、息が少し弾むものの、会話はできるくらいのペースが目安です。
「いつもより少し速く歩く」「歩幅をやや広げる」「腕を振って歩く」といった意識を持つだけでも、普段の歩行より運動量を増やすことができます。
まずは速度にこだわりすぎず、普段の散歩や通勤の一部で「少し速く歩く」ことから始めてみましょう。
普通のウォーキングとの違い
普通のウォーキングと速歩きの一番の違いは、ランニングと同等の運動効果がありながらランニングよりも体に優しい点です。
というのも、普通のウォーキングと速歩きの違いは、歩くスピードだけではありません。
歩幅をやや広くし、腕を前後に振って歩くことで、下半身だけでなく上半身も使った全身運動になります。
また当然、ペースが上がると運動強度も高まります。以下の図のように、時速7kmの速歩きは時速5kmのウォーキングと比べてエネルギー消費量がおよそ1.5倍になります。
さらに、時速7〜8km程度ではウォーキング(速歩き)とランニングのエネルギー消費量が近くなり、走らなくても運動量を高められることがわかります。

出典:アシックススポーツ工学研究所
また、着地時に足へかかる衝撃は、普通のウォーキングで体重の約1.1倍、速歩きで約1.5倍、ランニングで約2.2倍とされています。
速歩きはランニングの約7割程度の衝撃に抑えながら、普通のウォーキングより高く、ランニングと同程度の運動効果を狙える歩き方です。

出典:アシックススポーツ工学研究所
そのため、走るのが苦手な人や、久しぶりに運動を始める人にも向いています。
まずは普段の散歩や通勤の一部を速歩きに変えるところから始めてみましょう。
速歩きの消費カロリーはどれくらい?
速歩きは、普通に歩くよりも運動強度が高く、消費カロリーを増やしやすい歩き方です。
同じ距離を歩く場合でも、少しペースを上げるだけで、より多くのエネルギーを使えます。
ただし、実際の消費カロリーは、体重や歩く時間、歩く速度、歩幅、腕の振り方などによって変わります。
そのため、以下の数値はあくまで目安として参考にしてください。
体重別・時間別の消費カロリー目安
ここでは、時速6km前後の速歩きを想定し、体重別・時間別の消費カロリーの目安を紹介します。
| 体重 | 20分 | 30分 | 45分 |
|---|---|---|---|
| 50kg | 約80〜90kcal | 約120〜135kcal | 約180〜200kcal |
| 60kg | 約100〜110kcal | 約145〜160kcal | 約215〜240kcal |
| 70kg | 約115〜125kcal | 約170〜185kcal | 約255〜280kcal |
たとえば、体重60kgの人が20分ほど速歩きをすると、約100kcal前後を消費する目安になります。
30分、45分と時間を延ばせば、その分消費カロリーも増えていきます。
速歩きはランニングと同じくらいカロリーを消費できる?
速歩きは、ペースによっては軽いランニングに近い運動強度になります。
特に、時速6〜7km程度で歩くと息が弾みやすく、普通のウォーキングよりも消費カロリーが高くなります。
ただし、速歩きだからといって、必ずランニングと同じだけカロリーを消費できるわけではありません。
消費カロリーは、体重や歩く速度、時間によって変わります。
坂道か平坦な道か、腕をしっかり振っているかなどによっても負荷は変わります。
速歩きは、ランニングの代わりというより、普通のウォーキングより運動量を高めやすい歩き方と考えましょう。
速歩きはダイエットに効果がある?

速歩きは有酸素運動のひとつなので、ダイエットにもおすすめです。
ランニングほど負荷が高くないため、運動が苦手な人や、久しぶりに体を動かす人にも向いています。
通勤や買い物、散歩のついでに取り入れられるので、運動のためにまとまった時間を確保しにくい人でも始められます。
ただし、速歩きをすれば必ず体重が減るわけではありません。消費カロリーを増やしても、食事量や間食が増えると体重は落ちにくくなります。
ダイエット目的で取り入れる場合は、運動とあわせて食事内容も見直すことが大切です。
まずは20分から始めるのがおすすめ
速歩きを始めるときは、まず1回20分前後を目安にしてみましょう。
最初から長く歩こうと頑張りすぎると過度な疲れが出たり、膝や足首などの関節に負担がかかったりすることがあります。
20分続けるのが難しい場合は、5分や10分に分けても問題ありません。
通勤時に駅まで少し速く歩く、買い物の帰り道だけペースを上げる、散歩の一部を速歩きにするなど、日常生活の中で取り入れてみましょう。
外で速度を調整するのが面倒な場合は、ジムのウォーキングマシンを使うのもおすすめです。
速度を設定しながら歩けるため、自分に合ったペースを確認しながら速歩きを実践できます。
以下の動画では、ビギナー向けに20分間の「ジム速歩」を紹介しています。
慣れてきたら、30分、45分と少しずつ時間を延ばしていくのがおすすめです。
無理に毎日行う必要はないので、まずは自分の生活に合う頻度で始めてみてください。
ダイエット目的なら食事管理も大切
ダイエット目的で速歩きを取り入れるなら、少しでいいので食事にも意識を向けてみましょう。
速歩きで消費カロリーを増やしても、食べる量が増えすぎると減量にはつながりません。
特に見直したいのは、間食や甘い飲み物、夜の食事量です。
運動を始めた安心感から食べる量が増えると、せっかく速歩きをしても消費カロリーを上回ってしまうことがあります。
無理な食事制限をする必要はありません。速歩きで体を動かしながら、食事の量や内容も少しずつ整えていくことで、健康的なダイエットを目指しましょう。
速歩きで期待できる健康効果

速歩きは、ダイエットだけでなく健康づくりにも役立つ運動です。
歩く力を保つことは、年齢を重ねても自分の足で動き続けるために大切です。
ここでは、速歩きで期待できる健康効果を紹介します。
健康寿命を支える運動習慣になる
健康寿命とは、健康上の問題によって日常生活が制限されることなく過ごせる期間のことです。
年齢を重ねても自分らしく生活するためには、体を動かす習慣を持ち、歩く力を保つことが大切です。
速歩きでは、太ももやお尻、ふくらはぎなどの下半身の筋肉を使います。
さらに、息が少し弾む程度のペースで歩くことで、心肺機能にも適度な刺激を与えられます。
特別な道具や場所を用意しなくても始められるため、いつまでも健康的な「動ける体」を保ちたい人にも向いています。
歩行速度と死亡リスクの関連も報告されている
歩行速度は、体力や筋力、バランス能力などを反映する指標のひとつとされています。
歩くスピードと死亡リスクに強い相関関係があることは、高齢者を対象にした複数の大規模な研究で報告されています。
もちろん、速く歩けば必ず病気を防げる、死亡リスクが下がるというわけではありません。
ただ、無理なく歩ける体を保つことは、日常生活の自立や健康維持に関わる大切な要素です。
速歩きを習慣にすることで、普段から自分の歩く力を意識するきっかけにもなります。
将来の健康を考えるうえでも、まずはできる範囲で歩く時間を増やしていくことが大切です。
下半身を中心に筋肉を使える
速歩きでは、太もも、お尻、ふくらはぎなど、下半身の筋肉を中心に使います。
普通に歩くときよりも歩幅をやや広げ、地面を軽く蹴るように歩くことで、脚全体に刺激を与えられます。
さらに、腕を前後に振って歩くと、背中や肩まわりなど上半身も使えます。
下半身だけでなく全身を使う意識を持つことで、運動効果も高まります。
筋肉は、姿勢を保つ、歩く、階段を上るといった日常動作を支えます。
筋肉を維持したい人や、年齢とともに体力の低下が気になってきた人にも、速歩きは取り入れやすい運動です。
筋肉と健康の関係については以下の記事でまとめていますので、詳しく知りたい人はご覧ください。
速歩きの効果を高める歩き方のポイント
ここでは、速歩きを無理なく続けるために意識したい歩き方のポイントを紹介します。
「やや大股の歩幅」を意識する
歩幅を広くすることで、自然と歩行速度が上がり速歩きになります。
足を開きすぎると転倒や股関節に負担がかかる可能性が上がるので、身長の約50%の幅を意識しましょう。
かかとで着地し、つま先で地面を軽く蹴るように歩くと大股歩行がしやすくなります。
腕を前後にしっかり振る
肘を90度に曲げ、腕を前にも後ろにもしっかりと振って歩くようにしましょう。腕を振ると歩くスピードが速くなりやすいです。
腕を振ることで、下半身だけでなく上半身も使った歩き方になります。
特に腕を後ろに引く意識を持つと胸が開き、猫背の予防にもつながります。
背すじを伸ばして目線を前に向ける
速歩きでは、歩幅や腕の振り方だけでなく、姿勢も大切です。
背中が丸まったままだと歩幅が狭くなり、腕も振りにくくなります。猫背にならないよう、背すじを軽く伸ばして歩くことを意識しましょう。
目線は足元ではなく、少し前に向けます。下を向いて歩くと、頭や肩が前に出て姿勢が崩れます。
前を向くことで胸が開き、自然と歩幅も出しやすくなります。
また、スマートフォンを見ながら歩くと姿勢が崩れるだけでなく、周囲への注意も散漫になります。
安全に速歩きを続けるためにも、歩くときは前方を確認し、無理のない姿勢を保ちましょう。
無理のないペースから始める
速歩きは手軽に始められる運動ですが、普段の歩行よりも運動強度は高くなります。
最初から時速6〜7kmを目指すと、息が上がりすぎたり、脚や膝、足首に負担がかかったりすることがあります。
運動に慣れていない人は、まず「いつもより少し速く歩く」くらいから始めましょう。
息が上がりすぎる、会話ができないほど苦しい、足に痛みや違和感があるといった場合は、無理をせずペースを落とすことが大切です。
慣れてきたら、歩く時間や速度を少しずつ上げていきましょう。
体に負担を感じる場合は、靴が合っているか、姿勢が崩れていないかも確認してみてください。
足の張りが気になるときは、ストレッチも取り入れながら、無理なく続けていきましょう。
自分の歩行速度を知る方法
速歩きを始めると、自分がどれくらいの速度で歩けているのか気になることもあるでしょう。
歩行速度を把握しておくと、目安となるペースを確認できます。
下のフォームに「歩いた距離」と「時間」を入力して、自分の速度を測ってみましょう。
歩行速度がわかります
速く歩けていた人もいれば、思った以上に遅かった…という人もいるのではないでしょうか。
例えば、いつも行く駅までの距離を調べておき、少しずつペースを上げながら「時速5〜7km」を目指してみましょう。
道の距離はスマートフォンやPCのmapアプリで測ることができます。曲がっている道なども細かく測れますので、以下を参考にしてみてください。

例)Google Mapsでの距離の測定の仕方
①地図上をタップし、スタート地点を設定します。
②「距離を測定」をタップすると、ゴールを設定する○のアイコンが現れます。
③道が曲がっている場合は「地点を追加」ボタンから地点を追加できます。
④地点を追加し、道に沿って細かく距離を測ることができます。
⑤スタート地点から最後の○までの距離が表示されます。
速歩きに関するQ&A

最後に、速歩きに関するよくある疑問に回答します。
Q.速歩きはどれくらいの速度で歩けばいい?
A.速歩きの目安は、時速5〜7km程度です。初心者の場合は、まず時速5km前後を目安にするとよいでしょう。
ただし、毎回速度を測る必要はありません。速度がわからない場合は、「いつもより少し速い」と感じるくらいでOKです。
息が少し弾むものの、会話はできる程度を目安にしましょう。
速度だけにこだわるよりも、やや大股で歩くこと、腕を前後に振ること、無理のないペースで続けることが大切です。
いつも同じ道を歩く場合は、かかった時間だけ記録しておくと、自分の変化に気づけます。
より正確に速度を知りたい人は、ジムのウォーキングマシンやスマートフォンのアプリなどを使って確認してみましょう。
Q.速歩きは何分くらいやるといい?
A.まずは20分前後から始め、慣れてきたら30〜45分程度を目安にするとよいでしょう。
まとまった時間が取れない場合は、5分や10分に分けても問題ありません。
通勤や買い物、散歩の一部を速歩きに変えるだけでも、日常の中で運動量を増やせます。
Q.速歩きで痩せる?
A.摂取カロリーが変わらない場合、減量効果が期待できます。
速歩きをすることで普通のウォーキングよりも消費カロリー量は大きくなるため、減量の手助けになります。
ただ、動いた分食べ過ぎてしまってはあまり効果は期待できません。
速歩きだけでなく食事管理の意識も持つとよいでしょう。
Q.速歩きのデメリットはある?
A.速歩きだけでなく運動全般に言えることですが、ケガをするリスクは少なからずあります。
日常生活よりもやや強めの負荷が体に入るため関節や筋を痛める可能性はあります。
また、不注意で転倒するリスクもあります。
これらを回避するためには、腕をしっかりと振り全身を使うこと、また徐々にペースを上げていくことがおすすめです。
ほかにも、人が多い場所だとぶつかる可能性があるので、周囲に配慮しつつ、広い道や公園など、歩きやすい場所を選んで行いましょう。
まとめ|速歩きは毎日の歩行を運動に変えられる手軽な習慣
速歩きは、普段の移動や散歩のペースを少し上げるだけで始められる運動です。
特別な道具や場所を用意しなくても、通勤や買い物、散歩など日常生活の中で取り入れられます。
普通のウォーキングより運動強度が高まるため、消費カロリーを増やしたい人や、健康づくりのために運動習慣をつけたい人にもおすすめです。
歩幅をやや広くし、腕を振って歩くことで、下半身だけでなく全身を使った運動になります。
ただし、最初から速度や時間にこだわりすぎる必要はありません。
まずは「いつもより少し速く歩く」ことから始め、体調に合わせて無理なく続けることが大切です。
毎日の歩行を少しだけ変えて、速歩きを健康的な習慣として取り入れてみましょう。







