水中ウオーキングとは、その名の通りプールなどの水中で歩行する運動です。

陸のウオーキングとの違い
陸のウオーキングでイメージしやすいのが、公園や家の近所を散歩したり、ジムのランニングマシンで自分のスピードにあわせて歩行したりする運動です。
陸上と水中のウオーキングの違いは、水があるかないかによって大きく変わります。

「浮力」のおかげで、膝などへの負担が少ない
まず、水には「浮力」があります。陸上でウオーキングをした場合と比べると、水中での負荷は約10分の1程度に。体重が多い人や筋肉が少ない人は、膝などの体の一部に負担がかかりやすくなるので、水中ウオーキングがおすすめです。

「抵抗」が大きく、運動効果が高い
次に、水は空気よりも「抵抗」が強いです。水の中だと腕や脚を動かしづらいですよね。これは水の密度が空気の800倍もあるから。そのため、水中では全方向から体に負荷がかかっています。
この負荷のおかげで、少し体を動かしただけでも「全身運動」に。同じ時間運動を行った場合に、陸上よりも水中の方が高い効果を得られます。運動をする気が出ない時にこそ入って欲しいのが、プールです。

天候に左右されない
プールの多くはジムなどの室内施設にあるため、天候に左右されることなく、整った環境の中で快適でウオーキングできます。夏は熱中症や日焼けを気にしなくていいところもうれしいですね。
プールのレーンには泳ぐ人と歩く人を分けた「歩行専用レーン」もあり、より快適に。汗をかいた後はシャワーでさっぱりできるのもプールのありがたいところです。

ウオーキングをする気分じゃない時も、「水の中」はさまざまな効果があります。

入るだけで、血行がよくなる
プールの中にいると全身に水圧がかかりますが、プールの底に近いほど水圧は高くなります。そのため、プールの中で立っているときは足元が一番水圧が高く、ふくらはぎ、腰、胸と徐々に水圧は低くなります。普段からむくみやすい足元から強く水圧をかけられるため、プールに入ると全身の血行が良くなるのです。

浮くだけで、姿勢がよくなる
水の上に「浮く」、これだけでも腹筋や背筋の強化に繋がり、猫背や巻き肩を改善することができます。
水の上に横たわって浮くには、背筋をまっすぐにし、顔を上にして少し首を伸ばし、肩・腕・足の力を抜いて膝を自然に曲げるようにしましょう。普段から姿勢が悪くなっている人は、これだけで背中・肩・腰が弛緩する気持ちよさを感じられるでしょう。立っている時や床に寝転んだ時とは異なる、伸び伸びとした姿勢が体のコリをほぐしてくれます。

温度と無重力が、ココロを整える
水の中は、カラダだけでなくココロにも良い影響があります。
プールの水温は体温の36度前後より低く、温度差による刺激が自律神経を整え、リラックスした気持ちにしてくれます。
また、水にのんびりと浮く「浮遊感」もプールならでは。立ってばかり、座ってばかりで重力に疲れた人はプールで無重力体験はいかがですか？

水を感じて、マインドフルネスに
プールに入っている間は、スマホを見たりなどプール以外のことをすることができません。水の中で今触れている水の温度、揺れる波の感覚など「今ここの状態」に意識が向きやすくなり、忙しかった頭の中をスッキリさせることができます。シンプルに、目の前のことだけを感じる瞑想法を「マインドフルネス」といいますが、水の中はまさにマインドフルネスにうってつけの環境です。

入るだけでいろいろな恩恵を受けられるプールですが、運動をするとさらなる相乗効果があります。
水中で最も簡単にできる運動といえば、ウオーキング。水中ウオーキングで得られるメリットを3つ紹介します。

1）有酸素運動となるため脂肪燃焼効果
ウオーキングは有酸素運動の定番ですが、水中では水の抵抗を受けながら前進するため、陸上のウオーキングよりも体感的に軽い負荷で有酸素運動をすることができます。
また、脂肪燃焼の効果を出すには10分以上の有酸素運動が目安になりますが、水中ウオーキングは少ない負荷で長時間行えるため、脂肪燃焼に効果的です。

2）水の抵抗により筋力強化
水中ウオーキングは水の負荷を受けることで筋力をより強化できます。手ぶらのスクワットにダンベルを加えたときのように、同じ動きでも筋肉への負荷が高くなるのです。
さらに体に全方位から水の負荷がかかっているので、足だけでなく腹筋などの筋肉にも刺激が。運動で効率よく筋肉を鍛えたい人におすすめです。

3）体幹が鍛えられる
浮力あがる水中を歩くためには、バランスを取りながら手足を積極的に動かしていかないとなかなかうまく進めません。このバランスを保とうとする姿勢と腕と足をしっかり動かすことが連動して、日常では意識しにくい「体幹」に程よい刺激を与えることができます。
また、運動で大きくなった呼吸にも水圧の影響で自然に負荷がかかりますので呼吸筋の強化にも効果があります。

メイク落とし・スイミングキャップ不要で手軽に
スポーツジムなどでプールを利用する際は、メイクを落としスイミングキャップを被らないといけないところがほとんどでした。しかし、より手軽にプールを楽しめるよう総合フィットネスの「ティップネス」では顔を水につけない場合は「メイク落とし不要」「スイミングキャップ不要」に（プログラム参加は除く）。
プール後のドライヤーやメイク落としの手間が省けてうれしいですね。空いた時間でさくっと水中ウオーキングをして、着替えるだけで帰ることができます。

より手軽になった水中ウオーキング。ただ歩くだけではない、バリエーションを4つ紹介します。

①前に蹴るようにして歩行
前に進むウオーキングですが、すねや足の甲でしっかり前に水を蹴り出すようにしてみましょう。
蹴り上げた足は大股にして前方に着地させ、肩が水に浸かるくらいの大股歩きにすることもポイントです。水圧で体がブレやすいため、両手は軽く左右に広げてバランスを取ってもOK。下を向かず前を見て、背筋を伸ばして美しいフォームで歩きましょう。

②後ろ向き歩行
ウオーキングが物足りなくなってきた人は後ろ向き歩行で難易度アップしてみましょう。
後ろ向きに歩くと、前向き歩行よりも太ももの後ろ側の筋肉を使います。足を引き締めたい、筋肉量を増やして基礎代謝を上げたいという人におすすめのウオーキングです。歩行中は、進行方向にほかの歩行者がいないか気をつけて行いましょう。

③横向き歩行
股関節を柔軟にしたい、ヒップアップしたいという人に効果的な、横向きの水中ウオーキングです。
左足から行う場合は進行方向に対して右向きに立ち、左足を大きく一歩進行方向に出します。深く腰を落として肩まで水に浸かったら、大きく一歩右足を踏み出して左足と揃えます。この動きを繰り返しながら蟹のように横歩きします。
陸上では倒れそうになるのでなかなか実施しづらいスクワットですが、水の中なら浮力で安心。水中ならではのおすすめウオーキングです。

④腕の動きをアレンジ
水中で大きな腕の動きを加えると、二の腕や大胸筋にも効果的です。
例えば③の横向き歩行の際に、脚を開いたときは腕を左右に大きく広げ、脚を閉じるときに水を掻きながら腕を閉じてクロスさせてみましょう。水の抵抗を感じ、筋肉に力がぐっと入るはずです。

もっと詳しく！1日20分からできるアクアウオーキングメニュー
ウオーキングのバリエーションをもっと知りたい人に、1日20分からできるアクアウオーキングガイドを6つ用意しました。
より具体的な歩き方をわかりやすくイラストで紹介。プールでどんなウオーキングをしようか迷ったときは参考にして、6パターンに挑戦してみてくださいね。

「アクアエクササイズ」へのステップアップも
水の中でもっと体を動かしたい！思い切り水を感じたい！そんな人には「アクアエクササイズ」も。
軽快な音楽に合わせて水中で楽しく踊る＜アクアダンス＞は、1人で黙々とやるのが苦手な人、ダンスが好きな人にぴったり。
ボールを使い、よりダイナミックなエクササイズを行う＜アクアミット＋F＞は、体幹部をメインに、体全体を強化します。
アクアエクササイズは、楽しみながら抜群にカロリーを消費できるおすすめプログラム。水を感じながら、カラダもココロものびのびしませんか？

「水の中」という特別な環境による、カラダとココロへのうれしい効果はたくさんありました。水の抵抗により運動効果が高いこと、入るだけ・浮くだけでも姿勢や体幹に効果があること、水中ならではのリラックス効果があること...。自分の心身を整えて元気な生活を送るためにも、プールを活用したいですね。
室内プールであれば、夏以外でも雨の日でも入れます。運動をしようかなという人から、もっと効率的に筋力をアップさせたいという人まで、水中ウオーキングを始めてみませんか？