朝ストレッチに期待できる、5つの効果
最近話題の”朝ストレッチ”。「ストレッチが体に良いことはわかるけど、なぜ朝?」と思う人もいるかもしれません。朝に行うストレッチには、心身ともに嬉しい効果があるのです。
1. 生活リズムが整う
2. 筋肉がほぐれて体のコリが軽くなる
3. 体温が上がり、代謝と免疫力があがる
4. リラックスして1日をスタートできる
5. 寝起きの酸素不足の改善に
1.生活リズムが整う
朝にストレッチをして体を目覚めさせることで、自律神経の調整がしやすくなります。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類あり、体の機能を活発化させるのが交感神経。朝にストレッチを行うと、副交感神経から交感神経への切り替えがスムーズに行われ、心身ともにしゃきっと”目覚める”ことができます。
朝、体が目覚めて活動し始めると、夜も同じ時間に眠りが促されるように。自律神経が整うと良質な睡眠にもつながるので、「眠れない」「寝ても寝ても眠い」ということもなくなります。
2.筋肉がほぐれて、体のコリが軽くなる
朝ストレッチで体を伸ばしたり動かしたりすると、血行が促進され”体のコリ”が解消されます。
肩こりやスマホ首などの”体のコリ”は、筋肉が硬くなることが原因。筋肉が硬くなると、血液循環が悪くなり、疲労物質が滞ります。その疲労物質が周囲の神経や組織を刺激して、痛みや痺れを引き起こします。
寝ている間の姿勢で体が強張っている人も。朝ストレッチを行って、体がこったまま1日過ごすのを防ぎましょう。
3.体温が上がり、代謝と免疫力があがる
朝ストレッチで体の中から温まると、基礎代謝と免疫力が上がりやすくなります。
基礎代謝量は内臓温度が1度上がると10〜13%ほどアップ、免疫力も体温が上がることで向上すると言われています。
朝ストレッチによって血流が良くなると、筋肉や内臓が活動的な状態になり体温が上がります。寒い朝にこそ、朝ストレッチで体を温めるのが効果的です。
4.リラックスして1日をスタートできる
朝のストレッチは、心にも良い影響をもたらしてくれます。
1日の始まりである朝は、何かと忙しく呼吸も浅くなりがち。ゆっくりと深い呼吸をしながら朝ストレッチを行うことで、自分の体に意識を向ける時間を作ることができます。
また、自分の体に触れたり、伸びているのを感じたりすることでリラックス効果も。自分を大事にする時間から1日をスタートでき、幸福度も高まります。
5.寝起きの酸素不足の改善に
朝起きた時に頭痛がする方は、睡眠時に酸素不足になっているかもしれません。
体を起こす前に、寝たままゆっくりした呼吸でストレッチを行うのがおすすめです。身体の中に無理なく十分な酸素を取り込むことができるので、酸素不足の改善や頭痛の減少に効果が期待できます。
※ただし、痛みなどの症状が続くときは、医療機関を受診しましょう。
朝ストレッチはよくない?ストレッチするときのコツ
朝にストレッチを行う際、よくないのは”無理をすること”。朝ストレッチで気をつけたい点や効果を高めるポイントを紹介します。
・無理に体を伸ばさない
・深呼吸しながらストレッチをする
・起きてからすぐにストレッチする
無理に体を伸ばさない
寝起きは体が固くなっているので、体に大きな負荷をかけるようなストレッチはNGです。痛くなく、自分が気持ちいいと感じる強度で行いましょう。
痛くなるほど伸ばすと、伸張反射が働いて筋が硬直し、ストレッチの効果が低下してしまいます。伸ばす部位を意識して、ゆっくり20秒以上かけて伸ばすのがおすすめです。
深呼吸しながらストレッチする
ストレッチは深呼吸をしながら行うことで、よりその効果が高まります。
呼吸は、心臓や肺などの内臓の働きを調整する「自律神経」と密接な関係があるためです。
深呼吸をしながらストレッチすることで、心身ともにリラックスし筋肉がゆるみやすくなります。
吸うときは鼻からゆっくり、おへその下に溜めていくイメージで。吐くときは口からゆっくり、体の中の悪いものを全て吐き切るイメージで行うとよいでしょう。
また、朝に限らない"ストレッチあるある"ですが、頑張ると呼吸が止まりがちに。深呼吸を心がけ無理なく体を伸ばしてください。
起きてからすぐにストレッチする
朝ストレッチはベッドの上でもOK。習慣化が大事です。
ベッドの上なら起きてからすぐできます。ゆるいストレッチのため、ベッドの上でもやりやすいのがいいところ。
ストレッチは、習慣化することで「生活リズム」「血流促進」「代謝アップ」などの効果がよりアップします。「週1回1時間しっかり」よりも「毎日3分ゆる〜く」行いましょう。
【1日3分】忙しい朝でもできる簡単ストレッチメニュー3選
このように「1日3分、ゆる〜く」行う朝ストレッチ。忙しい朝でも、ベッドの上でもできる”簡単ストレッチ3選”を紹介します。
①全身を伸ばすストレッチ
②体をねじるストレッチ
③股関節・お尻を柔らかくするストレッチ
①全身を伸ばすストレッチ
ベッドの中で寝たまま全身を伸ばすストレッチです。
体幹、お腹が伸び、胸も広がり呼吸を深めるのに効果的。寝ている間に固まってしまった筋肉をほぐしていきましょう。
▼全身を伸ばすストレッチのやり方
1. 仰向けになり体を軽くゆすりながら全身をリラックスさせます。
2. 両腕を頭の上に伸ばし、肩、わき腹、腕が伸びているのを感じましょう。
3. 足もできる限り遠くに伸ばします。腰や背中も伸びていることを意識しましょう。
足首を曲げたり伸ばしたりして、ふくらはぎの筋肉などが動くのを感じましょう。
4. 2、3の動作に合わせて深呼吸をしましょう。
吸った息をお腹いっぱいにふくらませ、吐くときはお腹がぺちゃんこになるよう、ゆっくりと呼吸を意識して行いましょう。
5. 1分程度〜、やりたいだけやってOKです。
▼全身を伸ばすストレッチのポイント
・腰が反りすぎないように注意しましょう。
・深い呼吸を続けるようにしましょう。
・手先から足先まで、自分の全身を意識してあげてください。
②体をねじるストレッチ
体をねじるストレッチは、背中やお腹、腰回りの筋肉をほぐします。左右均等にねじることで、寝姿勢に左右差がある人の”体の歪み”の解消にも。
▼体をねじるストレッチのやり方
1. 仰向けに寝転がり、両腕を真横に大きく広げます。
2. 右足の膝を持ち上げ、床と平行になるように直角に曲げます。
3. 曲げた膝を、左側にクロスするように倒していきます。
顔は天井を向いたまま、足と一緒に倒れて横を向かないようにしましょう。
4. 倒した脚の膝が床に着くよう、手で軽く抑えます。30秒静止します。 首、肩、背中、腰回りが捻られ伸びていることを感じましょう。
5. 左足も同様に行います。
▼体をねじるストレッチのポイント
・両肩が床から離れないようにしましょう。
・30秒静止しているときは、深い呼吸を繰り返しましょう。
③股関節を柔らかくするストレッチ
股関節とお尻のストレッチは、血流やリンパの流れが良くなり、むくみや冷えの改善に繋がります。筋肉と一緒に股関節もほぐして、溜まった老廃物を流しましょう。
▼お尻と股関節を柔らかくするストレッチのやり方
1. 仰向けの状態で、右の膝を持ち上げます。
2. 膝で最初は小さい円から、徐々に大きな円を描くように回します。
3. 右足で大きな円を描く際、手前側のときは胸側にぐっと寄せ、足先側のときは思い切り足を伸ばしましょう。左側のときは足をひねり、右側の時は股関節を開いてください。
4. 20周行ったら、反対側も行います。
▼お尻を柔らかくするストレッチのポイント
・脚をまわす際に脚の付け根がつらいと感じる方は、脚のつけ根を意識して膝を内側、外側にパタパタ倒すだけでもOKです。
・膝で描く円は徐々に大きくしていきましょう。
朝ストレッチに関するQ&A
朝のストレッチは良くない?朝ストレッチで痩せる?夜にストレッチしているけど朝の方がいいの?など、よくある疑問にお答えします。
Q.朝ストレッチは体によくない?
A.「朝のストレッチは体によくない」は語弊があり、「朝に相応しくないストレッチは、体の負担になるので控えた方がよい」のが正しい答えになります。
朝は、長時間の寝姿勢により筋肉があまり動かされず、靭帯や関節が硬くなっている状態。また、寝起き直後は水分不足や体のこわばりから可動域も狭く深い呼吸もしにくくなっています。
そのような状態で強度の高いストレッチを行うと、負荷が大きくなり体を痛めてしまう可能性が。そのため「朝は深い呼吸をしながら無理のないゆるストレッチを」がポイントになります。
Q.朝ストレッチで痩せる?
A.朝のストレッチは血流をよくして筋肉をほぐしてくれるため、基礎代謝はアップしますがそれだけでは「痩せる」のは難しいかも。痩せるためには「食事」と「運動」のアプローチが必要です。
ただ、ストレッチを行って基礎代謝が高い状態で運動を行うと脂肪を燃焼させる効果が高まります。朝ストレッチで基礎代謝が上がる状態にしておくことはダイエットのためにもおすすめです。
Q.ストレッチは朝と夜どっちがおすすめ?
A.「体を目覚めさせる」「良い睡眠につなげる」など、ストレッチの効果はさまざま。目的によって朝と夜どちらに行ってもよい効果があります。
朝にストレッチを行うと、筋肉がほぐれて血流がよくなります。うれしい効果は前述した通り。
夜にストレッチを行うと、自立神経の副交感神経を優位にさせることができ、スムーズに入眠し、睡眠の質をあげることができます。
Q.ストレッチ以外のおすすめの”朝習慣”は?
A. 朝ストレッチ以外にも、「調子の良いカラダ」のために行うとよい習慣があります。
①太陽の光を浴びる
②朝食でもタンパク質をとる
①太陽の光をしっかり浴びると、睡眠ホルモンの「メラトニン」が分泌され、夜暗くなると自然と眠くなるように導いてくれます。ストレッチをしながら太陽の光を浴びると、幸せホルモン「セロトニン」が分泌されてポジティブな気持ちになったり、脳をリフレッシュさせたり、ストレス解消につながります。
②睡眠で長時間補給されていなかった「タンパク質」を朝食に摂ることで、「筋肉の生成」「体温の上昇」「生体リズムの改善」に効果があります。
3食の中で朝食はタンパク質が減りがちですが、朝食にタンパク質を取ることで活動的なカラダに切り替わります。 朝食に牛乳やバナナ、ハムやソーセージなどのお肉、目玉焼きなどの卵などを意識して取りましょう。
朝ストレッチで1日の良いスタートを切ろう
朝のストレッチには、「生活リズムが整う」「体のコリが軽くなる」「代謝と免疫力があがる」「リラックスできる」などの心身ともにうれしいメリットがたくさんあることがわかりました。
1日が始まる朝のタイミングで、自分の体を伸ばしたり感じたりする時間をもち、よい心身の状態でスタートできるのってとてもいいですね。
毎朝たったの3分、ベッドの中でストレッチを行うだけでも効果は絶大。気持ちのよい1日を過ごすためのルーティーンとして、朝ストレッチを生活に取り入れてみてください。