【基礎知識】体幹トレーニングとは?
“体幹”とは
体幹とは、体の中の顔、首、腕、脚を除いた胴体部分を指します。つまり、体幹トレーニングとは胴体部分を鍛えるトレーニングです。
体幹にある筋肉は、内臓とその周りの骨を保つ役割と、活動時のバランスをとる役割があります。どちらも健康的に過ごすのに欠かせない役割を担っています。
体幹トレーニングで鍛えられる筋肉
体幹の筋肉は、お腹&胸側と背中側に分けられます。トレーニングでは、「お腹に効いているのか」「背中に効いているのか」など、効いている筋肉を意識すると効果が格段に上がるので、以下5つの筋肉だけざっくりと覚えておいてください。
▼前体幹筋(胴体の前面)
・腹筋(お腹の前面〜脇腹までの筋肉)
・大胸筋(胸の筋肉)
▼後体幹筋(胴体の背面)
・僧帽筋(首〜肩の筋肉)
・広背筋(背中の筋肉)
・脊柱起立筋(背骨の両側にある筋肉)
体幹トレーニングで得られるメリット
腹筋や背筋を鍛える「体幹トレーニング」が人気な理由としては、以下の4つのメリットが挙げられます。
①太りにくい体になる
面積の広い筋肉が体感には集まっているため、体幹トレーニングを行うと体全体の筋肉量が増加します。ご存知の通り、筋肉量が増えると活動時の消費カロリーがアップ。「太りにくい体」に近づきます。
②引き締まってみえる
お腹周りの筋肉がたるんでいると、どうしてもぽっちゃりした印象に。腕や足よりもたるみやすく目立ちやすい部位となります。
Tシャツなど薄着の季節は特にバレやすいお腹周り。体幹部を鍛えることで男女ともに「スタイルがよい」印象になります。
③正しい姿勢を保持しやすくなる
猫背や反り腰などになってしまうのは、体幹の筋肉量不足が原因の一つ。いい姿勢をしていても、疲れていつの間にか猫背になっている、足を組んだり斜め立ちしてしまう、ということはありませんか?
姿勢の良さは筋肉量によるものが大きく、加齢や運動不足により姿勢が悪くなることがあります。お腹、背中、肩などの筋肉がつくと、美しく正しい姿勢を維持できるようになります。
④思わぬケガや不調を予防できる
最初に述べた通り、体幹の筋肉は活動時のバランスをとる役割があり、立つ、歩く、走るといった日常的な活動をするときにも体幹の筋肉は使われています。
体幹の筋肉が加齢や運動不足で減少すると、坂や階段を降りる時、くつ下を履く時などに転びやすくなります。今は「そのくらいできる」と思いますが、段々できなくなるのが怖いところ。歳をとってからの転倒は大ケガになることもあるので、体幹を鍛えておくことで予防しましょう。
また体幹の筋肉量の増加により、血行が良くなる&姿勢が正しくなるため、肩こりや腰痛の解消にもなります。肩こりや腰痛もひどくなると生活に支障が出てきます。体幹を鍛えることで、"ちょっとした不調”の予防にもなります。
効果のある体幹トレーニングの選び方
体幹トレーニングは様々な種目やバリエーションがあります。迷われてしまう人に向けて、体幹にダイレクトに効くトレーニングを紹介します。
キネティックチェーン(運動連鎖)の観点で選ぶ
体幹トレーニングの選び方は「キネティックチェーン」の考え方を考慮しましょう。
「キネティックチェーン」とは、「運動連鎖」の意味。一つの関節が動くと関連するほかの関節も連動して動作するというトレーニングの原則です。
体幹を鍛えるなら「クローズキネティックチェーン(CKC)」
キネティックチェーンのトレーニングには「クローズ」と「オープン」の2種類があります。
クローズは、手足が床などに固定され、体幹を動かしやすいのが特徴です。例えば腕立て伏せがイメージしやすいでしょうか。自重トレーニングや、フリーウェイトトレーニングに多いです。
正しいフォームのためには体幹をしっかり保つことが必要になり、自然と同時に負荷がかかるため、体幹を鍛えるには「クローズキネティックチェーン(CKC)」のトレーニング種目が効果的です。
オープンは、手足が床などから離れて自由に動かせる一方、体幹部は固定され動かしにくくなります。マシントレーニングに多く、足や腕などを鍛える時に効果的です。
初心者は「自重トレーニング」からスタート
クローズキネティックチェーンには、身体の重さで負荷をかける「自重トレーニング」と、ダンベルなどを持って負荷をかける「フリーウェイトトレーニング」がありますが、これから始める初心者には「自重トレーニング」からがおすすめです。
慣れてきたり、筋力がついてきたなと思ったら負荷やバリエーションを増やすために「フリーウェイト」を取り入れてみましょう。
【難易度別】おすすめの体幹トレーニングメニュー4選
クローズキネティックチェーン(CKC)を含む体幹トレーニングを4つ紹介します。1から4の順で徐々に難易度が上がるので、自分のレベルを試しながらトライしてください。
【初心者】デッドバグ
まずは寝ながら腕と足をタッチするだけの体幹トレーニングから。「こんな簡単そうでお腹に効くの?効果ある?」と思うようなポーズですが、やってみるとわかります。お腹の筋肉がないと続きません。
こちらはCKCではありませんが、体幹トレーニングの第一歩にまずはこの「1分 デッドバグ」をやってみてお腹の筋肉を感じてみてください。
▼デッドバグのポイント
・動画と一緒に、ゆっくりやるようにしましょう。
・手と足を上げる時も下ろす時も、お腹に力を入れるように意識してください。
・呼吸が止まらないように、10回行いましょう。
②【初心者/CKC】ワールドグレイテストストレッチ
直訳すると「世界で一番偉大なストレッチ」。実際、世界のサッカー選手やNFA、NBAの選手が行っている、パフォーマンスアップに必要なフォームがぎゅっと凝縮した偉大なストレッチです。大谷選手も行っているかもしません。
この一連の動きが体幹を鍛えるトレーニングにも効果的。最初はゆっくり、徐々にテンポ良く行ってください。
▼ワールドグレイテストストレッチのポイント
・ゆっくりと丁寧に行いましょう。
・伸びている、効いている筋肉を意識しながら、10回行いましょう。
③【中級者/CKC】プッシュアップ
プッシュアップとは腕立て伏せのこと。胸や腕の筋肉では?と思われがちですが、お腹〜背中の筋肉にも効果抜群です。
最初は膝を床につけて行ってもOK。できるようになったらつま先で支えて行ってみましょう。
▼プッシュアップのポイント
・頭からひざまで「一直線に保つ」のが、体幹に効くポイント。お尻が残ったまま肩だけ下げたり、腰を反らしたりして行わないようにしましょう。
・首や肩も縮こまりがちですが、手を肩幅より広めに置いて留意しましょう。
・動画の声かけと一緒に、10回行いましょう!
④【中級者〜上級者】30日間チャレンジ!第二弾/体幹コース
大人気の「30日間チャレンジ」の体幹トレーニング版。1週間でできるようになり、1週間ごとにレベルアップしていく4週間の自宅トレーニングです。
「体幹」に絞ったこのコースは体幹トレーニングの総まとめ。4週目は難易度高めの上級者向けになりますが、1週目からしっかり順を追っていけばステップアップできる内容です。
動画のコーチが分かりやすく解説&声かけをしてくれます。一緒に5分、30日間やってみませんか?来月のあなたのお腹周りは格段に変わっているはずです。
▼第1週
▶︎ポイント
・どのフォームも、背中やお腹が曲がらないように意識しましょう。
・「難しい...」と思ったあなたも、今日できなくても大丈夫!明日できるようになるかもの気持ちでチャレンジしましょう。
▼第2週
▶︎ポイント
・お腹の筋肉痛を感じてきた頃でしょうか。効いている筋肉を意識して行いましょう。
・同じフォームの中でも「レベルアップver」があります。難しい場合は無理せずそのまま行ってください。
・目線など、各フォームごとの注意点は動画で声かけしています。一緒にやってみてくださいね。
▼第3週
▶︎ポイント
・そろそろお腹が割れてきたのではないでしょうか?大きな動きも増えてきました。丁寧に行いましょう。
・疲れてくるとお腹に力が入らないことも。声かけのように「お腹をまっすぐ」にして行いましょう。
▼第4週
▶︎ポイント
・総仕上げの最終週。フォームは簡単に見えても難易度が高いプランクなどがあります。油断せず自分のカラダをチェックしましょう。
・動画のトレーナーも息が上がっています。一緒に頑張りましょう!
体幹トレーニングに関するQ&A
体幹トレーニングについて、「毎日やった方がいい?」「効果はどれくらいで出るの?」など、気になる疑問点を回答します。
Q.体幹トレーニングは毎日やるべき?
A.体幹トレーニングは週2〜3回程度でも効果が出るため、毎日やらなくても大丈夫です。
トレーニングにより、筋肉は「超回復」と呼ばれる現象によりトレーニング前よりも強くなって回復します。超回復は48〜72時間程度で起こるため、週2〜3回程度で十分に効果が出ます。
ただ体幹部の筋肉は回復が早いため、毎日行っても問題ありません。
Q.体幹トレーニングの効果はどれくらいで出る?
A.筋トレを行えば、超回復が起こり48時間程度で筋肉が修復され強くなっていきます。
すぐに効果が出るのはうれしいですが、カラダの筋肉量が変わる、見た目が変わるほどになるのは1ヶ月ほどかかるのではないでしょうか。
実感できなくても筋肉は鍛えられています。ちょっと長い目で30日間チャレンジしてみてください!続けていけば、必ず変わります。
「短期間で見た目を変えたい」「効果を実感したい」人にはフィットネスジムのプログラム参加もおすすめ。”タイパ”を意識したトレーニングで短期集中型で鍛えることができます。
Q.ウェストが太くならい?
A.自重トレーニングのような低負荷であれば、筋肉が太くなることはありません。
今回紹介したトレーニングは、効果はありますがすべて身体の重さを使った自重トレーニング。この程度の負荷であれば、ウエストが引き締まっても太くなることはないのでご安心ください。
筋トレ上級者やアスリートが筋肉モリモリになるのは、負荷の高いトレーニングを毎日数時間こなし、さらに食事や睡眠にも気を配って出来上がる賜物です。体幹トレーニングに限らず、足や腕のトレーニングでも一般人であれば太くなることは気にしなくて大丈夫です。
体幹トレーニングでお腹まわりを引き締め、気持ちのいいカラダに。
体幹のトレーニングは、お腹まわりの引き締めだけではなく美しい姿勢の保持や、日常活動(歩く・走るなど)の動きを強化して、気持ちのいいカラダを作ります。
「最近疲れやすくなった」「姿勢が悪くなっている気がする」「お腹のたるみが気になる」などを感じている人は、体幹の筋肉が衰えているかもしれません。若々しく引き締まった体でいるために、今日紹介した5分でできる体幹トレーニング動画を一緒に始めてみましょう。
最初は初心者向けトレーニングをやり切るだけで充足感があるかもしれませんが、だんだん中級者向けもできるようになる自分に成長を感じられるはずです。1週間×4コースの体幹トレーニングでは、たったの30日間で「疲れにくくなった」「姿勢が良くなった」「体の調子が良くなった」など、うれしい変化を実感できます。
毎日でなくてもいいので、1日5分の動画で、トレーナーの声かけと一緒に始めてみましょう!