わたしって猫背...?
背中が丸まった状態をよく「猫背」といいますが、猫背とは具体的にどのような姿勢なのかご存知でしょうか。
良い姿勢とは
「良い姿勢」といわれる状態は、まず骨盤が軽く前傾して背骨が自然なS字カーブを描いています。また、首の骨にも自然なカーブがあります。このカーブは頭の重みを支えるクッションの役割をしていて、歩いたり走ったりするときはもちろん、じっとしているときにも内蔵のスペースを潰さずに重たい頭を支えてくれています。良い姿勢だと、ウエストはくびれ、背筋はすっと伸び、顔から肩までの距離ができるため小顔に見えますね。
猫背の姿勢とは
これが猫背になると、頭が骨盤より前に飛び出した姿勢になります。肩が内側に入ることで首は短く太く見え、顔も大きく見えるように。背中が丸まることでお腹がたるみ、二段腹、三段腹も出現。なんだか自信もなさそうに見えます。
鏡や写真に映った自分の姿勢が、思っていたよりも悪くてはっとしたことはありませんか?加齢により体幹の筋力が弱くなるため、自然と姿勢は悪くなりがちです。体重は変わらなくても老け見えしてしまうこともあります。
「わたしって猫背?」「気づいてないけど姿勢が悪いのかな」など気になるときは、歩いている姿などを鏡で確認することもできますが、最近では姿勢の診断ができるサービスもあります。一度、”今の自分の姿勢”を確認してみるのもいいですね。
姿勢が良くなると...モテる?
猫背が改善されたらどんな変化があるか、いい姿勢をしながら確認してみませんが?
姿勢を良くすると、背筋から首筋までしゃんとしてきます。顔の位置もいい感じ。あごはグッとひかれて、心なしか目力もアップ。お腹もへこんでなんだか手足も長くなったような気が...。
姿勢を良くするだけでこんなにも見た目が変わり、しかも気持ちまで明るくなっていませんか?
「いい姿勢」には、こんなポジティブ効果があります。
1)見た目が変わる
2)若く見える
3)歩き方が変わる
4)気持ちが上がる(整う)
5)服が似合う
そして...姿勢の良い人って「モテそう」なイメージ。たしかにこのポジティブ効果は「モテ」につながりそうです。しかも異性だけでなく同性からもステキな人ねと思われそう。それぞれのポジティブ効果をみていきましょう。
1)見た目が変わる
丸まった背中で顔が前に出されていたときは、自分のことを「首が短くて顔が大きい」と感じたこともあるかもしれませんが、それは「姿勢が悪かったから」かもしれません。
猫背が改善されると、頭の位置が骨盤の真上に正しく戻り、首の長さが出て小顔効果が。背筋が伸びることで潰されていた内臓のスペースも元通りに確保され、下腹もスッキリ!ウエストのくびれも現れますね。
全身のバランスが整い、ダイエットをしなくても第一印象がガラリと変わっちゃいます。
2)若く見える
喋る前などの「見た目の第一印象」では、姿勢が悪い人、特に猫背の人は年齢が上の人かな?と思われがち。姿勢が悪い、それだけで老けた印象を与えてしまいます。
逆に姿勢の良い人は、先述したような「スタイルが良く見える効果」や「アクティブな印象」から若くみられることが。背筋を正すか正さないかだけで老けてしまうなんてもったいない!猫背を整えて、瑞々しい印象に塗り替えましょう。
3)歩き方が変わる
姿勢が良くなると「歩き方」も変わってきます。猫背だと下向きにうつむきがちになるため、この姿勢で歩幅を大きくするのは難しいのですが、姿勢を良くすると上体が上がり、歩幅が広い堂々とした歩き方に。いいことあったの?と思われるような歩き方は、周りにも良い影響を与えそうですね。
4)気持ちが上がる(整う)
姿勢が正しく整うと、目線が上がり、背筋から顔、お腹にも少し力が入り、だら〜っとしていた気持ちがしゃんとしませんか?
気を抜いているときはカラダの力を抜き、背筋をしゃんとすると気持ちにスイッチが入るという経験がある人も多いのでは。そして「良い姿勢」は自分に自信も与えてくれます。今日はなんだか気持ちが上がらないなぁというときや、自信を出したいとき、「姿勢を良くして歩く」だけで気持ちがアクティブになることも!
5)服が似合う
意外とうれしい効果がこちら、"服が似合うようになる”。
SNSなどで一般人モデルさんなどがカッコよく着こなしているのと同じTシャツなのに、自分が着るといまいちキマらない…それ、もしかしたら猫背のせいかもしれません。
もとの身長よりも縮こまった姿勢になっていたら、八頭身美人から遠ざかるのは当たり前。さらに猫背はお腹が出て見えたり、肩が前に丸まってバストまわりが下がって見えたり。横からの姿も洋服のラインがかなり変わるところです。
姿勢を良くするだけで、同じ服でもとてもステキに着こなせるように。似合わないと思ってクローゼットにしまっていた服も今一度引っ張り出してみてください。
見た目だけじゃない!猫背がもたらす悪影響
猫背による恐ろしいマイナス効果ですが、猫背の影響は見た目だけにとどまりません。さらに怖い、猫背がもたらす4つの悪影響はこちらです。
- 肩こりや腰痛、ストレートネック
- 頭痛
- 冷えやむくみ
- 筋力の低下
肩こりや腰痛、ストレートネック
猫背になると頭が前方に突き出し、重みで首のカーブが失われてストレートネックになりやすくなります。
また、骨盤よりも前に出た頭を持ち上げるために肩がこり、前のめりにならないように姿勢を支えようと腰にも負担がかかります。「肩こり」や「腰痛」といった、ありがちですが"ひどくなるとつらい”悩みに猫背も関係しているのです。
頭痛
猫背による肩こりが悪化すると、頭部への血流が悪くなり酸欠を引き起こし、頭痛に発展することがあります。筋緊張性頭痛といわれる頭痛で、首や肩をもみほぐすことで一時的に緩和することができますが、姿勢が悪いままだと繰り返してしまいます。
冷えやむくみ
猫背の姿勢が続くと、頭部だけでなく全身の血流やリンパの流れも阻害されます。老廃物も流れにくくなり、手先足先など末端の冷えや、特にふくらはぎのむくみなども起こりやすくなります。
筋力の低下
猫背になると肺が圧迫され、呼吸が浅くなります。この状態を続けていると呼吸のための筋力が弱まり、普段から呼吸が浅い状態が続くことに。酸素が体内に十分に行き渡らないと、疲れやすくなったり頭痛を引き起こしたりと良いことがありません。
また、猫背の姿勢が続くと背中やお腹の筋肉が使われず、体幹となる筋力が低下。さらに姿勢が悪化すると将来は背骨が90度くらいに曲がった姿勢になってしまうことも。
猫背の原因と対策は?筋肉の強張り?
見た目やモテ要素だけでなく、健康にも悪影響を及ぼす猫背。改善が早ければ早いほどよさそうです。
そもそも、どうして猫背になってしまうのか、以下の原因に思い当たることはありますか?
1)長時間のスマホ使用
2)PCでのデスクワーク
3)運動不足
4)浅い胸式呼吸
1)長時間のスマホ使用
現代の不良姿勢の代表ともいえるのが、猫背での「スマホ」の使用です。
スマホに関しては画面が小さく、手で持つため下を向いてしまうのが猫背になりやすい要因。手に持たずスマホスタンドなどを活用し、画面を覗き込まないように位置を調整すると正しい姿勢を保ちやすくなります。
長時間スマホを手放せない方は、アラームをセットしておくのもひとつの手。スマホの見過ぎによる猫背やストレートネックを予防できます。
2)PCでのデスクワーク
長時間パソコンの前にいる人は、PCと腕の高さを正しく調整することで猫背対策ができます。
肘が90度に曲がった状態でキーボードを打てる姿勢が理想的ですが、今の姿勢はどうなっていますか?机の高さが調整できない場合は、PCスタンドでPCの高さをあげたり、椅子の高低の調整で解消しましょう。
3)運動不足
運動不足で全身の筋力が落ちていると、姿勢を保つ筋肉も弱っています。よい姿勢をしていると疲れちゃう人、すぐに悪い姿勢に戻っちゃう人は「姿勢を保つインナーマッスル」が衰えているのかも。
運動をする際、外から見える筋肉だけではなく、内側で姿勢を支えるインナーマッスルを鍛えることが良い姿勢のための第一歩です。ヨガやピラティスなど、体幹を使う運動を取り入れて姿勢を保持する筋肉を育てるとインナーマッスルが鍛えられ、よい姿勢をしていても疲れなくなりますよ。
4)腹式呼吸
呼吸筋もインナーマッスルのひとつ。ゆっくりと腹式呼吸すると、横隔膜が動き、内臓がマッサージされ、酸素が全身へと送り届けられます。
腹式呼吸ができていない、胸だけで浅い呼吸をしている方は肋骨の動きが悪くなりがちです。運動不足と同じくインナーマッスルが鍛えられず、姿勢を保ちにくくなり猫背になります。息を吸うときにしっかりお腹を膨らませ、吐くときにしっかりお腹をへこませる動きを意識して行ってみましょう。
猫背を改善できるおすすめ筋トレ・ストレッチ4選
さて、すでに猫背になっている人に向けた、猫背改善"実践編"です!
凝り固まった筋肉を「ほぐす」ストレッチ、良い姿勢を保つ体幹の筋肉を「鍛える」ストレッチを紹介します。どちらも運動初心者でも今日からできるものです。すぐに身につくものではありませんが、続けることで猫背が改善されますよ。
ほぐす/胸椎ストレッチ
猫背の人は肩甲骨まわりの筋肉が「猫背型」に凝り固まっていることが多いです。背面で手を組んで胸を反らしたり丸めたりすることで背中をほぐし、肩甲骨まわりの筋肉を働きやすくするストレッチです。
◾️胸椎ストレッチのやり方
- 椅子か床に座り、腰の後ろで手を組みます。
- 息を吸って組んだ手を床方向に下げながら肩甲骨を寄せ、胸を開いて天井方向を見上げます。
- 息を吐いて背中を丸めながら肩甲骨を左右に離し、おへそを覗き込みます。
- 2~3の動作を呼吸に合わせて繰り返します。10回行いましょう。
◾️ポイント
肩甲骨を寄せるときは上部(首の近く)ではなく下部(アンダーバストのあたり)を寄せましょう。
ほぐす/肋骨ストレッチ
猫背で固まりやすいのは背中だけでありません。肩〜胸まわりも内側に丸まって呼吸が浅くなりがち。肩と肋骨まわりの筋肉をほぐすことで、呼吸が深く入るようにしましょう。
◾️肋骨ストレッチのやり方
- 右腕を天井方向に上げてから肘を曲げます。曲げた先の肘下は背中側に垂らします。
- 左手で右肘をつかみ、息を吐きながら左に体を倒して側屈します。
- 右脇が伸びていることを感じながら、肺にいっぱい空気を入れるよう大きく呼吸を5回します。
- 大きく呼吸をしているとき、肋骨が上下するのを意識しましょう。少し上を見るようにすると肋骨が大きく広がります。
- 体を真っ直ぐに戻し、両手を下ろしたら反対側も同様に行います。
- 左右で1セットとして5セット行いましょう。
◾️ポイント
2で側屈する際は体が前に倒れないように気をつけましょう。倒す方向と反対のお尻でしっかり床や座面を押すことで安定してストレッチできます。
ほぐす・鍛える/バックエクステンション
肩甲骨まわりと同じく、背筋も丸まっていませんか?丸まるほどではないけど、背中を反れない、という人もいるかもしれません。背筋を猫背とは逆の方向に鍛えて、凝りを柔らかくしましょう。背中も美しくなりますよ。
◾️バックエクステンションのやり方
- うつ伏せに寝ます。両手は頭の後ろで組むか、腰の後ろで組みます。
- 息を吸って背骨をできるだけ長く伸ばします。
- 息を吐いておへその下で床を押し、上体を前方に伸ばしながら床から起こします。
- 息を吸いながらゆっくりと上体を床へと下ろします。
- 3〜4を10回繰り返しましょう。
◾️ポイント
首が詰まりやすい方は腰の後ろで手を組んで、上体を起こすときに組んだ手を後方に伸ばすようにして行いましょう。
鍛える/プランク
筋肉が凝り固まっていなくても、上半身のインナーマッスルが衰えていることで猫背の姿勢になってしまう人も多くいます。良い姿勢が保てないということは、将来も心配になるところ。ますます衰えてしまうと今よりももっと悪い姿勢になり、支えがないと疲れるように...。長い人生、いい姿勢で若々しく過ごすためにも、インナーマッスルを鍛えましょう。
インナーマッスルを鍛えるには「10秒プランク」がおすすめです。以下の記事で、初心者でも寝る前の10秒で効果を感じられるプランクを紹介しています。
猫背をなおして、いつまでも見た目と気持ちを前向きに
猫背を見直すだけで、背が伸びて小顔になったような印象を与えられ、気持ちも前向きになり歩き方や表情も変わりそうですね。猫背による「肩こり」や「筋力の低下」など健康への悪影響もあるので、思い立った今日から背筋を伸ばしてみましょう。
姿勢をよくすることは将来のためにも効果的。姿勢の良い、カッコいいおじいちゃん・おばあちゃんになるために、猫背を改善する筋トレとストレッチを今から始めませんか?