腸腰筋の鍛え方は「ほぐし」で決まる!具体的な手順やポイントを紹介

腸腰筋の鍛え方は「ほぐし」で決まる!具体的な手順やポイントを紹介

・腸腰筋とは
・腸腰筋の鍛え方
・便秘解消にもつながる

腸腰筋(ちょうようきん)は上半身と下半身をつなぐ筋肉で、背骨や骨盤を正しい位置に保ち下半身をスムーズに動かす働きをしています。そのため、腸腰筋を鍛えることで、姿勢の改善・腰痛予防につながったり、日常生活動作が楽になり体力が上がるといったメリットが多くあります。 本記事では、腸腰筋を緩める運動やストレッチ、腸腰筋の効果的な鍛え方を解説します。上手にトレーニングを行って快適に動ける体を作りましょう。

CONTENTS

そもそも腸腰筋とは?

そもそも腸腰筋とは

腸腰筋とは、大腰筋・小腰筋・腸骨筋の三つの筋肉から構成される筋肉群の総称で、脊柱・骨盤前面から太ももの骨(大腿骨)の上部にかけて連結しています。

主な働きは、
・背骨を反らせる
・骨盤を前傾させる
・もも上げ動作を行う
という3つの動きになります。

日常生活においてよい姿勢を保つことや、スムーズな歩行や走行、階段を上る動作で重要な役割を果たします。
腸腰筋がガチガチに固まったり、筋力が弱くなり正常に機能しないと、姿勢の乱れから痛みが発生したり、歩いたり走ったりしているときに疲れやすくなってしまいます。

腸腰筋は日常生活だけでは十分に動かされず、意識してストレッチやトレーニングを行わないと固くなってしまうため、日々のケアが重要になります。
 

腸腰筋を鍛えるメリット

腸腰筋を鍛えるメリット

背骨・骨盤・股関節にまたがる腸腰筋を鍛えると、姿勢の改善や腰痛予防、日常生活のパフォーマンス向上につながるなどの効果が期待できるほか、意外なことに便秘解消も期待できます

姿勢の改善・腰痛予防につながる

腸腰筋を鍛えると、背骨・骨盤・股関節の働きが正常化されて、姿勢の改善と腰痛予防につながります。

腸腰筋が十分に機能していないと、背骨や骨盤が安定せず猫背や反り腰などの姿勢の乱れにつながったり、腰に負担のかかる姿勢になってしまいます。しかし、適切に機能していると背骨・骨盤を適切な位置に安定させることができ、正しい姿勢を保持しやすくなるのです。

日常生活のパフォーマンスが向上する

腸腰筋は上半身と下半身をつないでいる筋肉の中でも強い筋肉で、鍛えることで体幹が安定します。体幹が安定すると、動作全般の安定性が高まるため、転倒のリスクを抑えたり、歩くときに無駄な動きが減って体力が向上します。

スポーツパフォーマンスにも好影響があり、太ももを上げる動作がスムーズになり走る速度が上がる効果などが期待できます。
 

【意外】便秘解消につながりやすくなる

運動をすることで腸を活発に動かし、便秘解消につながります。 特に腸腰筋を動かすとその便秘解消効果がより高くなります。

腸腰筋は腸とほぼ同じ位置に存在するため、腸腰筋が伸び縮みすると同時に腸にもマッサージのような刺激を与えられます。特に、便の詰まりやすいS状結腸を刺激し、よりよい排便を促してくれる効果があるのです。

腸腰筋の鍛え方は「ほぐし」で決まる!

腸腰筋の鍛え方は「ほぐし」で決まる!

腸腰筋を鍛えるためには「ほぐし」が重要です。一見、「鍛える」と「ほぐし」は逆に感じるかもしれません。しかし、腸腰筋は日常生活で硬くなってしまうため、適切に機能させるためにはほぐす必要があるのです。

また、腸腰筋は股関節にあるインナーマッスルであるためガッツリと追い込むことは難しく、そもそも追い込む必要性もありません。ほぐしつつ機能を取り戻すためには、しっかりと追い込むよりも体を動かして伸ばすような運動を取り入れつつ、少しだけ刺激を入れてあげると効果的です。
筋トレよりも動的ストレッチの方が「効果的で無理なく続けやすい」ということになります。
 

腸腰筋を伸ばしつつ動かす運動を紹介

腸腰筋を伸ばしつつ動かす運動を紹介

腸腰筋をほぐしながら鍛えるために効果的なのが動的ストレッチです。動的ストレッチとは関節を積極的に動かし筋肉を伸び縮みさせてほぐす方法で、トレーニングとストレッチを同時に行えます。
この章では腸腰筋をほぐして鍛える、おすすめの動的ストレッチを3つ紹介します。

もも上げ運動

 

もも上げ運動

もも上げ運動は、その場で太ももを上下させる運動です。
筋肉は収縮したあとにゆるむ性質があります。足を上げると腸腰筋が収縮し刺激が入った後にゆるむため、それを利用して筋肉をほぐしていきます。

 

もも上げ運動のやり方

1.壁などのそばに立ち、片手で壁を触り体を支えます。
2.軽く息を吸いながら右ひざをゆっくりと高く上げます。
3.目一杯上げたところで1秒キープし、口から息を吐きながらゆっくりと下げます。
4.10回程度行ったら、反対側も同様に行います。

 

もも上げ運動のポイント

・ゆっくりした動作で行いましょう。素早く行うとフォームが乱れて正しく筋肉が動作しないことがあります。

仰向け膝抱えストレッチ

仰向け膝抱えストレッチ

仰向け膝抱えストレッチは、寝た状態で片膝ずつ行うストレッチです。
写真の状態では、伸ばしている右の方の腸腰筋がストレッチされています。

 

仰向け膝抱えストレッチのやり方

1.仰向けで寝て、片膝を立てます。
2.その膝を両手で抱え、ゆっくり胸に引き寄せます。
3.この状態で20秒程キープし、ゆっくりと呼吸します。
4.反対側の膝も同じように行います。これを10回程度繰り返します。

 

仰向け膝抱えストレッチのポイント

・急いで行うのではなく、呼吸を意識しながらゆっくりとストレッチしましょう。
・伸ばしている足をグッと遠くへ伸ばすようにすると腸腰筋にアプローチできます。
・少しずつでも毎日続けることで柔軟性が高まります。

体を上下に動かすストレッチ

体を上下に動かすストレッチ

体を上下に動かすストレッチは、足を前後に開いて体を上下させるストレッチです。体を下げるときに後ろ足の腸腰筋を伸ばせます。

 

体を上下に動かすストレッチのやり方

1.足を大きく前後に開きます。前足の足裏は床にベッタリとくっつけ、後ろ足のつま先は床に立てます。
2.息を軽く吸いながら、後ろ足の付け根にストレッチ感を感じる程度までゆっくりと下がります。
3.口から息を吐きながら、ゆっくりと上がってきます。
4.1〜3を10回程度繰り返したら、反対側も同様に行いましょう。

 

体を上下に動かすストレッチのポイント

・実施中、前足の裏は常に床に全面触れているようにしましょう。かかとかつま先が浮くと安定的にストレッチされません。
・痛いと感じるほど下がるのはケガをする可能性が高まるのでNGです。気持ちよく伸びていると感じる程度で十分効果があります。
 

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腸腰筋を鍛えるときのポイント

腸腰筋を鍛えるときのポイント

腸腰筋を鍛えるためには、何よりも正しいフォームで実施することが大切で、さらに筋トレも取り入れると効率的に鍛えられます。鍛えるための効果的なポイントを知って、正しくトレーニングを行いましょう。

正しいフォームで実施する

間違ったフォームで実施すると、腸腰筋をうまく伸ばせずストレッチ効果が出ないことがあります。やり方や注意点をしっかりと確認して実施しましょう。

効果がなければ時間を浪費するだけになってしまうので、必ず正しいフォームで行いましょう。

筋トレも取り入れる

腸腰筋は適切な運動やストレッチでほぐすだけでも、スムーズに体を動かせるようになり改善は感じられます。しかし、加齢による筋肉の減少への対策や、さらなるパフォーマンスアップをするためには、より刺激の大きな筋トレを取り入れるとさらに効果は高くなります

実際に行う際はストレッチ → 筋トレの順番で行うと、筋肉が動きやすい状態でトレーニングができるため効率的に鍛えられます。

腸腰筋を効果的に鍛えて体の調子を上げよう

腸腰筋は背骨・骨盤・太ももの骨にまたがって付着している筋肉で、体幹の位置を正しく保ったり、足を上げる機能があります。正しく機能させると姿勢の改善や腰痛予防、日常生活の立ち座り・歩きがスムーズになるといった効果が期待できます。

効果的に鍛えるためには、腸腰筋をほぐすことから始めるのがおすすめです。腸腰筋の運動やストレッチを日々の習慣に取り入れ、スムーズに動く体を作りましょう。

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