体の歪みからくる不調
この不調は歳のせい?それとも?
「最近肩こりや腰痛がつらくなってきた」「胃がもたれやすくなった」「夕方になると足がむくんでだるい」などの”ちょっとした不調”はありませんか? もしかすると"体の歪み”からくるものかもしれません。
体の歪みからくる不調として顕著なのは「首や肩、腰などの痛み」ですが、以下のような症状も挙げられます。どれもQOLを脅かす、つらい不調です。
・首や肩、腰などの痛み
・頭痛
・胃もたれ
・生理痛や月経不順
・冷えやむくみ
・膝の痛みなどからくる歩きにくさ
体が歪んでしまうのはなぜ?
体が歪む原因は?
体の歪みの原因は、「筋肉の状態」の左右差にあります。
人間の体を支えているのは骨と筋肉ですが、骨の周りを囲んで骨を支えているのは筋肉です。この筋肉への負荷の違いや筋肉量の違い、または筋肉のコリの違いなどで左右差があると体の歪みにつながります。
歪みで気になるのは<肩>と<腰>
特に歪みがちな部位としては、<肩>と<腰>が挙げられます。日常生活でもよく動かす腕と足を支える「支点」となっているのが肩と腰。足や腕の筋肉の使い方に左右差があると、その支点である肩と腰の筋肉への負荷にも差が出てきます。
そして腕や足は「利き手」「利き足」により力の入り方や使用頻度が異なりがち。左右対称に位置している部位ですが、筋肉の状態に差が生まれやすいのです。
体の歪みが生まれやすい要因は?
運動をした後などは、利き手・利き足の筋肉への負荷は「筋肉痛」としてわかりやすく現れることがありますが、「体の歪み」は日常生活のクセや生活習慣などで、日常的に少しずつ、進行していることがあります。以下のような習慣が、体の歪みにつながりやすい要因です。
① 運動不足や筋力低下による"悪い姿勢"
② 片方の腕や足だけを使うことによる"筋肉のコリ”
① 運動不足や筋力低下による"悪い姿勢"
体を支えている「筋力」が低下すると正しい姿勢をキープできなくなり、"悪い姿勢”により体が歪んできます。
「立っていると、つい片足を斜め前に出したり、足を組んだりしてバランスをとってしまう」という人は体幹となる腹筋・背筋、股関節周りや脚の筋肉が衰えているのかもしれません。体幹の筋肉が衰えると、猫背や反り腰などの"悪い姿勢”になりがちです。
特に、体を動かさないデスクワークの場合は1日の大半の時間を座って過ごすことが多くなります。
歳をとるだけで自然と衰えていく筋肉ですが、そこに運動不足が加わると筋力は著しく低下します。ちょっとした運動習慣で筋肉の衰えは防ぐことができるので、生活の質を上げるためにも運動を意識して取り入れるようにしましょう。
② 片方の腕や足だけを使うことによる"筋肉のコリ”
利き腕・利き足など「どちらか片方」を使いがちな人も、筋肉のコリの左右差がでてきます。
筋肉を使っている分には筋力もつき血行も良くなりいいのですが、「右手でずっとスマホを持って操作している」「バッグは必ず右手で持って力が入っている」などの”同じ姿勢”で筋肉が緊張した状態が続くと、片側だけの筋肉がコリ固まってきます。
「どちらかの手でずっとスマホを持っている」場合は使っている側の肩の筋肉が緊張状態になり、「バッグをどちらかの肩や腕にかけている」場合は脇腹である腹斜筋に左右差のあるコリが生まれがちです。どちらか片側だけ筋肉が凝り固まっていると筋肉の動きに差が出てくるため、体の歪みにつながります。
部位別!体の歪みをセルフチェック
このように、体の歪みは日常生活による習慣でいつのまにか進んでいることがあります。自分では気付きにくい<肩・腰>の体の歪みを、次の方法でチェックしてみましょう。
<肩>の歪みをセルフチェック
▼背中で両手を触る
1. 右手を頭の横にまっすぐ上げて、そのまま肘を曲げて手のひらを背中の方に下ろします。
2. 左手を体の横にまっすぐ下げて、そのまま肘を曲げて手のひらを背中の方に上げます。
3. 右手と左手の指がつくように手を寄せましょう。3回やってみて、どのくらい両手の指が触れるかを確認します。
4. 右手と左手を逆にして同じように行い、同じように指がつく程度を確認します。
左右それぞれで同じくらい指が触れたら肩まわりの筋肉の硬さに左右差はなさそうです。全く異なるとしたら...差がある分だけ肩の硬さに違いがある可能性があります。
<腰>の歪みをセルフチェック
▼目をつぶって50歩足踏み
1. 半径1m以内にぶつかるものがないところで立ちます。始める前に、自分が立ったところに目印などをつけておきましょう。
2. 目をつぶったまま、足をしっかりと上げてその場で50歩足踏みします。
3. 足踏みし終わったら目を開け、始めた時につけた目印から離れているかを確認します。
離れた距離が30cm以内であれば腰の歪みはなさそうです。30cm以上離れた場合は歪みがある可能性があります。
他にも、腰の歪みがある場合は以下のようなケースがあります。チェックしてみてください。
✔ 腰痛がある
✔ スカートをはいているといつの間にかファスナーの位置がずれている
✔ 靴の底が片方だけ減る
歪みがありそう...という人も大丈夫。次に紹介する「歪み改善ストレッチ」で、肩・腰のコリをほぐしていきましょう。
歪み改善ストレッチ3選
歪みの原因となる肩や腰の筋肉のコリをほぐす定番かつ初心者でもできるストレッチを紹介します。
<肩><脇腹><腰>のそれぞれの筋肉が伸びていることを意識してやってみましょう。
<肩>に効くストレッチ
▼肩周りの僧帽筋をほぐす・・・鷲(わし)のポーズのアレンジ
ヨガでお馴染みの「鷲のポーズ」のアレンジです。肩の筋肉から肩甲骨周りの筋肉がストレッチできます。
1. 椅子に座る、もしくは地面にあぐらをかいて座りましょう。
2. 胸の前で両手をX字にクロスさせ、手の甲同士を合わせます。
3. 手を甲を合わせた状態のまま、腕を頭の上に持ち上げます。
4. 肩や肩甲骨の伸びを感じながら、20秒キープします。
肩に効くストレッチは以下の記事でも紹介しています。わかりやすい動画付きで、1分〜5分のストレッチ。あわせて試してみてください。
<脇腹>に効くストレッチ
▼腹斜筋をほぐす・・・腕を持ち上げる側面伸ばし
肩の歪みは、上半身の脇腹にある「腹斜筋」の硬さや縮みによる左右差も原因となります。バッグをいつも片側に持つクセのある人は「腹斜筋」のコリに差があるかも。左右の腹斜筋をストレッチしてほぐしましょう。
1. 背筋を伸ばして立ち、両手を真上に上げます。
2. 右手で左手の手首を掴み、ゆっくり体を右方向に倒していきます。前に体が曲がると効果が薄れるので、前を向いたまま横にまっすぐ倒しましょう。
3. 伸ばした側の腹斜筋の伸びを感じながら、痛みのない位置で止め5秒キープします。
4. 左側も同様に、2の動きを繰り返しましょう。それぞれ3〜5回行います。
<腰>に効く定番ストレッチ
背骨〜太ももをつなぎ、腰を支える筋肉である「大腰筋」と、骨盤をしっかり支える「腸骨筋」。この2つの筋肉が「腸腰筋」です。上半身と下半身をつなぐ腸腰筋が、片方だけ硬くなっていると"腰の歪み”に。
腸腰筋をほぐす定番ストレッチで整えていきましょう。肩周りの筋肉にも効く、一石二鳥なストレッチです。
▼腸腰筋を伸ばしてほぐす・・・三日月のポーズ
前後に足をしっかり伸ばし、腸腰筋をほぐしていきましょう。最後に両手を上げ状態を反ることで、僧帽筋も一緒にストレッチできます。
1. 四つ這いになります。その状態から左足を両手の間から肩幅くらい前に伸ばします。
2. 前に伸ばした左足を、床と直角になるように曲げます。後ろ足の膝はお尻の位置よりも後ろになっていることを確認してください。
3. 伸ばした左足の腰が前に出ないよう、上半身をまっすぐ正面に向けます。腰を手で持ち、肩・腰が斜めになっていないかを確認しましょう。
4. 正面を向いて胸を張り、そのまま両腕を頭の上にあげます。
5. 天井を見るように上半身を反ります。後ろに伸びている右足から両手の先までが三日月の形になるのをイメージして、しなやかに反りましょう。
腰の筋肉をほぐし、筋力の衰えを予防するストレッチは以下の記事でも紹介しています。こちらも動画付き&5分以内でできるストレッチです。
不調を引き起こす”体の歪み”は筋肉の左右差。ストレッチで解消しよう
いつの間にか進んでいる体の歪み。放っておくとQOLを脅かすほどの不調にもなりかねません。歪みの原因はちょっとした筋肉の使い方のクセなので、意識して過ごしたり、ストレッチをしてほぐしたりするだけで改善できます。ストレッチをする前とした後にセルフチェックをすると、効果も実感できますよ。3つのストレッチをまずは1回、始めてみましょう。