食生活の乱れによる影響
食生活が乱れると、体に必要な栄養素が摂取できずさまざまな不調が生じます。まずは、どのような悪影響が考えられるのかをチェックしていきましょう。
腸内環境が悪化し、免疫力が低下する
コロナ禍でたびたび聞かれるようになった「免疫力」という言葉。これは人間の体に備わっている防御能力のことで、細菌やウイルス、カビといった体に悪影響を及ぼす病原体が体内に侵入するのを防ぐものです。免疫力を損なわないためには運動や睡眠などのさまざまな要素が必要ですが、なかでも「食事」は重要なポイントです。
食生活が乱れ腸内環境が悪化すると、下痢や便秘になりやすくなります。その結果、腸内の常在菌のバランスが崩れ、免疫力も低下してしまうのです。免疫力が低下すると感染症にかかりやすくなったり、皮膚トラブルや口内炎などが生じやすくなったりとさまざまな不調が起こります。バランスの良い食事をとり腸内環境を整えることで、免疫機能がしっかり働くようになります。
体力が低下する
食事量が減ったり食事内容が偏ると、必要な栄養素が摂取できないため体力がどんどん低下して活動的な状態を維持できなくなります。体を動かすことがしんどくなり、運動や外出が億劫になることも多いでしょう。毎日を楽しめないのはもちろん、体型の崩れや肥満といった悪影響が出てくる可能性もあります。普段の生活で疲れやすくなっていたら要注意です。
脳に十分な栄養がいかず、集中力や判断力が低下する
体だけでなく、脳にとっても「エネルギー不足」は深刻な問題です。栄養というエネルギー源がなければ脳は正しく働くことができず、記憶力や集中力などが低下してしまいます。考察力や判断力、集中力が低下するため仕事や勉強の効率も大幅にダウン。周囲からの評価を下げることにも繋がりかねず、ビジネスパーソンにとっては大きな問題になります。
回数だけでなく「食事の質」も大切!食生活が乱れやすい方の特徴
三食しっかり食べていても「食事の質」が悪ければ体に必要な栄養素を摂ることができません。
最近はコンビニ弁当やテイクアウト、宅配フードなど、便利なサービスが数多く展開されています。自分で料理する必要なく手軽にお腹を満たすことができるので、疲れているときはつい利用したくなりますよね。しかし、こうした食事が増えると栄養が不足したり偏ったりすることもしばしば。
「忙しくて食事が疎かになる→コンビニや宅配フードを頻繁に利用する→栄養が偏る→心身ともパフォーマンスが低下する→疲労が溜まりやすくなる→さらに食事が疎かになる」なんて悪循環に陥る方も多いのです。とはいえ、コンビニや宅配フードも上手に活用すると、バランスの良い食生活を送る手助けとなります。次にご紹介するヒントを参考に、規則正しい食生活を送っていきましょう。
食生活を規則正しく送るためのヒント
ご紹介したとおり、規則正しい食生活は健やかな体と脳、心を育むものです。忙しい毎日を送っているからこそ、食事に気を配っていきましょう。最後に、規則正しい食生活を送るためのヒントを3つご紹介します。コンビニ飯を選ぶときのポイントも解説するので、ぜひ参考にしてくださいね!
① 朝ごはんは欠かさずに食べる
1日のうちで、とくにバタバタしている出勤前。「身支度を整えるのが精一杯で朝食を食べる時間まで確保できない」という方も多いのではないでしょうか。
しかし朝食を抜いて空腹状態が長くなると、次に食事をとるタイミングで血糖値が急上昇してしまいます。このとき、血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンが過剰に分泌されるのですが、インスリンには糖を脂肪に変える働きがあるため、体が自然と脂肪を溜め込むように。知らず知らずのうちに太りやすい体質に近付いてしまうのです。
また、朝食をとって血糖値を穏やかに上昇させると、1日を通して血糖値のバランスが整います。これは血糖値の急上昇を抑える「セカンドミール効果」と呼ばれるもので、ダイエットやボディメイクの強い味方です。おにぎりやオートミールのほか、忙しい日にはりんごやアボカド、ヨーグルトなど調理なしでそのまま食べられる食材を用意しておくと良いでしょう。
② 「コンビニ飯」を活用しよう
前述したように、取り入れ方次第で「コンビニ飯」も規則正しい食生活を助ける存在になります。忙しいときは、以下のポイントをチェックしながらコンビニ飯を選んでみましょう。
糖質を摂れる「おにぎり」を選ぶ
糖質は脳を働かせる唯一のエネルギー。糖質は摂りすぎると脂質として蓄積されてしまいますが、適量(エネルギーとして必要な量)を摂ることで体にとって必要なエネルギーを補充することができます。適正量には個人差がありますが、毎食“おにぎり1つ分”は食べたほうが良いと考えられています。コンビニのおにぎりは種類も豊富で、飽きがこないのも嬉しいポイント。食事メニューを考える手間を省くことができますし、糖質量を簡単にコントロールできます。
たんぱく質を1品取り入れる
たんぱく質の摂取量が減ってしまうと、筋肉量が減少して「基礎代謝(生きているだけで消費されるエネルギー)」の量までダウンしてしまいます。太りやすくなるだけでなく、筋肉が減ることで疲れや重さが生じやすくなることも……。1日あたり<体重×1g>のたんぱく質を摂るように心がけましょう。
コンビニ商品の栄養成分表示をチェックすると、たんぱく質量も明記されています。最近では、“高たんぱく”を売りにしている商品も。上手に取り入れることで、自炊するときよりも効率的にたんぱく質を摂取できるようになるでしょう。
野菜メインの副菜を1品取り入れる
食物繊維が多く含まれる野菜を食べると便秘が改善され、腸内環境が整いやすくなります。免疫力アップのために、野菜メインの副菜を1品以上取り入れるようにしましょう。健康志向が高まっている昨今、コンビニ各社も野菜をふんだんに使ったメニューを販売しています。サラダはもちろん、ポタージュや温野菜などもおすすめです。
③ 早めの時間帯に夕飯をとろう
夜遅い時間に摂取したエネルギーは消費されにくいため、余分なエネルギーが体脂肪として蓄積されやすくなります。また寝る時間が遅くなったり朝になってもお腹が空かなかったりと、生活リズムや体内時計が乱れる原因にもなるので要注意です。
忙しくても、区切りの良いタイミングで早めに夕飯をとるようにしましょう。夜遅くにお腹が空いてしまったときは、夜食としてサラダやホットドリンクなど低カロリーなものを選んでください。
「食生活」を整えて免疫力アップ
年を取るにつれて「免疫力」はどんどん低下します。腸内環境を整えるバランスの良い食事や規則正しい食事時間はもちろん、運動、十分な睡眠も免疫力を高める大事なポイントです。しっかり食べて、動いて、眠って——健やかな体を目指しましょう。