「睡眠の質」とは?
睡眠の質とは、睡眠時間ではなく眠りの深さのことです。ノンレム睡眠のときに深く眠れていると、質の良い睡眠につながります。質の良い睡眠が取れていると、体の疲れを蓄積しにくくなり目覚めも良くなります。
睡眠の質が良くなるメカニズムには生体リズムが関与しているため、深い睡眠を得るためには、体内リズムを正常な状態に調整していくことが大切です。生体リズムとは、体内時計ともいわれるように24時間周期で働く体の仕組みのことです。
生体リズムと睡眠のメカニズムについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参照してください。
睡眠の質が悪いまま過ごすとどうなる?
睡眠時間や睡眠の質は、私たちの健康と深く結びついています。睡眠時間が極端に短いと、肥満や高血圧、糖尿病などの発症リスクが高くなることがわかっています。健康に過ごすためにも、1日6~8時間の睡眠時間は確保したいものです。
十分な睡眠時間を確保するためには、働く時間の長さに関しても見直す必要があるかもしれません。睡眠だけではなく、ライフスタイル全体を一度チェックしてみるとよいでしょう。
睡眠の質を下げる5つの原因
睡眠の質を下げる原因は、主に5つあります。
● 生活習慣の乱れ
● 就寝前のブルーライト
● 睡眠環境
● 加齢
● ストレス
加齢以外は、自分でも改善できるものばかりです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
生活習慣の乱れ
交感神経が活発になると脳が活性化し、質の良い睡眠を得られにくくなります。たとえば、眠る前にお酒をたくさん飲む、タバコを吸う、熱いお風呂に入るなどは、基本的に睡眠の質を悪くする行動です。
また、朝食を抜く、昼と夜逆の生活をしているなどは体内時計が乱れる要因となり、やはり睡眠の質を低下させます。
就寝前のブルーライト
寝る前に、スマホを見ることも睡眠の質を下げる原因となります。ベッドに入ってから、寝る直前までスマホを見る習慣がある人は少なくありません。
スマホから発せられるブルーライトは、脳を興奮状態にします。交感神経が優位になるため、深い睡眠の妨げになってしまいます。
睡眠環境
寝るときは体をリラックスさせる必要があるため、睡眠環境が悪いと睡眠の質にも影響が出ます。
たとえば、合わない枕を使っている、布団やマットレスが柔らかすぎる、または硬すぎるなどは、体がリラックスできないので睡眠の質が悪くなります。寝ているときに、頻繁に寝返りを打っている人は睡眠環境が悪いかもしれません。
加齢
高齢になると消費するエネルギー量が減ってくるため、睡眠時間が短くなる傾向がありますが、定年退職などで自宅で過ごす機会が増えた人などは、時間がありすぎて寝すぎてしまうこともあるでしょう。
睡眠不足も健康に大きな影響を与えますが、寝すぎも良くありません。
ストレス
ストレスを感じると交感神経が活発になるため、寝つきが悪くなったり途中で目を覚ましたりと睡眠に悪い影響が出やすくなります。
仕事が忙しい、人間関係で悩みがあるなどネガティブなことだけではなく、新しい仕事に就いた、引越しをしたなど環境の変化もストレスとなる場合があります。
睡眠の質を改善する5つの方法
睡眠の質を改善するために、以下の5つの方法を試してみましょう。
● 就寝前に体をリラックスさせる
● 朝起きたら日光を浴びる
● 生活リズムを整える
● 適度に体を動かす
● 部屋の温度を調整する
それぞれ詳しく紹介していきます。
就寝前に体をリラックスさせる
脳の興奮を抑えて副交感神経に切り替えるためにも、好きな音楽やアロマなどを使って体をリラックスさせましょう。
就寝前のスマホいじりやパソコンの操作は極力避けてください。どうしてもスマホやパソコンを使わなければいけない場合は、光度を落として使用するとよいでしょう。
朝起きたら日光を浴びる
朝起きたときに日光を浴びるようにしましょう。体内時計は25時間周期で動いているとされ、何もしないでいると1日1時間ずつのズレが生じてきてしまいますが、朝の太陽の光を15分以上浴びることで体内時計がリセットされてリズムが整います。
毎朝起きてから太陽の光を15分以上浴びる習慣をつけましょう。
生活リズムを整える
生活リズムを整えることも質の良い睡眠を得るためには必要です。朝ご飯をしっかり食べる、寝る直前に食べ物を食べないなどを意識して、1日3食しっかり食べるようにしましょう。
また、嗜好品であるお酒やタバコは睡眠の質を悪化させることがあるので、寝る前はなるべく控えてください。
適度に体を動かす
日中の身体活動を上げると眠りが深くなりやすいため、適度に体を動かす習慣もつけましょう。ジムに通って適度な運動をするのもよいですが、通勤のときにひと駅手前で降りて歩く、遠くのスーパーまで買い物に行くなど、普段の生活の中でも体を動かすことは可能です。
少し速いスピードで歩く「速歩き」も、気軽に体を動かすことができておすすめです。
部屋の温度を調整する
眠るときは、部屋の温度を適温に調節しましょう。夏は暑すぎず、冬は寒くない温度を維持してください。寝室を適温に保つことで、眠りに入りやすくなります。また、良質な睡眠を十分取ることは、夏バテ対策にもつながります。
夏場なら室温は25~28度、冬は室温18~25度が目安です。
睡眠の質に関するQ&A
Q.1日何時間寝ればいい?
A.適切な睡眠時間には個人差がありますが、1日6~8時間がベストです。なるべく、毎日6~8時間の睡眠を確保できるようにしましょう。
仕事が忙しくなかなか早く寝られないという人もいますが、平日は睡眠時間が短く休日に寝だめするやり方では睡眠不足は解消しません。毎日しっかり寝ることが大切です。
Q.睡眠の質を上げる食べ物や飲み物はある?
A.睡眠の質に関わるホルモンのメラトニンは、トリプトファンというアミノ酸の一種が原料となっています。そのため、たんぱく質を多く含む食べ物や飲み物を意識して摂取することは、睡眠の質を向上させる可能性があります。
ただし、健康な生活習慣ができていることが前提です。あくまでも食べ物や飲み物は補助的な役割と認識しておきましょう。
睡眠の質を改善して充実した毎日を!
いかがでしたか?快適な生活を送っている人は、生活習慣を工夫して生体リズムを整え、質の良い睡眠を手に入れています。今の状態をちょっと変えるだけで、睡眠の質が改善されて、仕事もプライベートも充実した毎日が送れたらうれしいですよね。ぜひあなたも今日から実践してみてください!