「プランク」の効果とは?体幹強化におすすめのトレーニング

プランクは、うつ伏せの状態から肘とつま先の4点で体を支えるシンプルな体幹トレーニングです。
短時間でできるうえ、特別な道具も不要。腹直筋や腹横筋などお腹まわりを中心に、肩・背中・股関節など胴体全体の筋肉を鍛えることができます。
ここでは、プランクで得られる代表的な3つの効果を紹介します。
効果①たるんだお腹がひっこむ
プランクは腹直筋と腹横筋(インナーマッスル)を同時に鍛え、内側から腹部を引き締めることができます。これにより、ぽっこりと出たお腹や脇腹の“浮き輪肉”が目立ちにくくなり、続けるほどにお腹全体が引き締まっていきます。結果として、自然と姿勢も整いやすくなります。
20〜30秒×3セット(合計60〜90秒)を週4〜5日行うのが目安です。
ただし、残念ながら「プランクをしていればどれだけ食べてもOK!」とはいきません。適正カロリーを守ること、脂質が少なくたんぱく質が多い食品をチョイスすること、糖質はほどほどにすること、食物繊維を一定摂ること…等、意識して食事をするようにしてください。
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プランクと食事管理を組み合わせることで、お腹のラインが整い、姿勢や体の動きも改善しやすくなります。少しずつでも続けることで、見た目にも動きにも変化を感じられるようになります。
より早く高い効果を得たい方は、プランクと合わせて、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を20〜30分、週2〜3回取り入れるのがおすすめです。
効果②正しい姿勢を維持しやすくなる
プランクは、背骨を支える体幹の筋群(多裂筋・脊柱起立筋など)をバランスよく鍛えられるトレーニングです。これらの筋肉が安定して働くことで、猫背・反り腰・巻き肩などを防ぎ、背筋がまっすぐ伸びた美しい姿勢を保ちやすくなります。
プランクを継続して行うことで、姿勢を支える筋肉の持久力も高まり、デスクワークや立ち仕事など長時間同じ姿勢をとる場面でも、体が疲れにくくなります。
体幹がしっかりすると、無理に姿勢を正そうとしなくても自然と良い姿勢を維持できるようになります。
さらに、姿勢の改善は肩こりや腰痛の予防にもつながります。背骨が正しい位置に整うことで、筋肉や関節への負担が減り、血流もスムーズになります。その結果、疲れにくく動きやすい体づくりにも役立ちます。
日常の「姿勢のクセ」をリセットし、軽やかに動ける体をつくりたい人にとって、プランクは最も手軽で効果的なトレーニングの一つです。
効果③太りにくい体質・生活スタイルに変化していく
プランクは、腹筋・背筋・お尻・太ももといった大きな筋肉を同時に使うため、基礎代謝の向上に役立ちます。基礎代謝が上がると、安静にしている時間でも消費されるエネルギー量が増え、脂肪を燃焼しやすい体に近づいていきます。
また、筋肉量の増加によって血糖値や脂質のコントロールが安定し、太りにくい体質の維持にもつながります。特に、下腹部や背中まわりの筋肉をバランスよく鍛えることで、内臓の位置が整い、代謝の働きがより効率的になります。
さらに、プランクを毎日1〜2分程度でも継続することで、運動への抵抗感が減り、自然と体を動かす習慣が身につきます。運動を日常の一部として取り入れられるようになると、食事や睡眠リズムも整いやすくなり、体重が増えにくい生活リズムを維持しやすくなります。
このように、プランクは体を引き締めるだけでなく、基礎代謝を高めて太りにくく健康的な体づくりをサポートするトレーニングなのです。
プランクはどこに効く?鍛えられる部位
トレーニングをする際、“どの筋肉に効いているか”を意識すると筋トレ効果が上がります。
プランクは、体幹の中でも腹部や背中の深層筋を中心に幅広く鍛えられるトレーニングです。お腹を引き締めるだけでなく、姿勢の改善や腰痛予防にもつながります。
ここでは、主に鍛えられる筋肉と、それぞれの特徴やおすすめの人を紹介します。

腹直筋への効果とおすすめの人
腹直筋は、お腹の前面(肋骨の下)に位置し、いわゆる「シックスパック」を形づくる筋肉です。体を前後に曲げる動作で使われ、プランクでは姿勢をキープすることで静的に鍛えられます。
この筋肉を鍛えることで、お腹の中央部分が引き締まり、前に出たぽっこりお腹の改善につながります。見た目を整えたい人や、腹筋を割りたい人に特におすすめです。
腹斜筋への効果とおすすめの人
腹斜筋はお腹の側面にあり、外腹斜筋と内腹斜筋の2層から構成されています。体をひねる・横に倒す動作で使われ、脇腹の引き締めに関わる重要な筋肉です。
サイドプランクなどで特に刺激を与えやすく、脇腹の“浮き輪肉”を解消したい人や、ウエストのくびれを作りたい人に適しています。バランスのとれた引き締まった体を目指す人におすすめの部位です。
腹横筋への効果とおすすめの人
腹横筋は、お腹の深層部に位置するインナーマッスルで、内臓を包み込むように支える“天然のコルセット”のような役割を果たします。
この筋肉が鍛えられると、姿勢を安定させる力が高まり、猫背や腰の丸まりが改善しやすくなります。さらに、内臓の位置を正しく保てるため、代謝の向上にもつながります。
姿勢を改善したい人や、長時間のデスクワークで肩こり・腰痛が気になる人におすすめです。
腰方形筋(ようほうけいきん)への効果とおすすめの人
腰方形筋は、背中の奥深くにあり、肋骨と骨盤をつないで体を横方向に支える筋肉です。体を傾けたり、片側の腰でバランスを取るときに使われます。この筋肉が弱ると、片側だけに痛みが出たり、骨盤の左右差が生まれやすくなります。
プランクを正しい姿勢で行うことで、左右均等に刺激を与え、腰のバランスを整えることができます。
慢性的な腰の張りや坐骨神経痛の予防にも効果的です。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)への効果とおすすめの人
脊柱起立筋は、背骨の両側に沿って縦に長く伸びる筋肉群で、背骨を支える柱のような役割を果たします。姿勢を正しく保つために常に使われており、プランクでは上半身と下半身を一直線に維持する動作で鍛えられます。
この筋肉を鍛えると、背筋が伸びて姿勢が美しくなり、背中の引き締めにもつながります。まっすぐな姿勢を保ちたい人や、背中をすっきり見せたい人におすすめです。
多裂筋(たれつきん)への効果とおすすめの人
多裂筋は、背骨に沿って細かく付着している深層筋で、背骨を1本ずつ支えるように働きます。プランク中に体をまっすぐ支える動作で活発に使われ、姿勢を保つうえで欠かせない筋肉です。
猫背や反り腰、骨盤の歪みを改善したい人、長時間の座り姿勢や立ち姿勢で腰が疲れやすい人に効果的です。背骨を安定させることで、腰痛の予防にも役立ちます。
プランクの”基本”のやり方【動画あり】
では早速、プランクをやってみましょう。うつ伏せになるスペースと、ヨガマットなど下に敷くものがあればスタートできます。
まずは”基本”の「プランクのフォーム」を動画で紹介します。
STEP.01【解説編】プランクのフォーム
- うつ伏せになり、胸の脇に肘をおきます。
- 肩を持ち上げ、肩の真下に肘を置き、上半身を支えます。
- つま先を立て、かかとを後ろに蹴り出しながら腹筋に力を入れて体を床から引き上げます。
- 横から見たときに「頭・肩・腰・膝・かかと」が一直線になるように腹筋を引き締めます。
- 10〜30秒間キープしたらゆっくりと膝をついて休みます。
注意したいポイント
- お尻が上がりすぎると腹筋への刺激が弱まり、逆に落ちすぎると腰を痛める原因になります。全身を一直線にキープすることを意識しましょう。
- 肩をすくめてしまうと、首や肩まわりに余計な力が入り、脇を締める力が使えなくなります。肩を後ろに引き、首を長く伸ばすように意識します。
- 呼吸を止めると筋肉が硬直しやすくなります。鼻から吸って口から吐くリズムを保ちながら、一定の呼吸を意識しましょう。
- プランク中は腕や肩の力だけで支えず、お腹・お尻・太ももを一体化させるイメージで体を支えます。体幹を「固める」のではなく、「支える」感覚をつかむことが大切です。
STEP.02【実践編】基本のプランクを1分チャレンジ!
STEP.01でプランクのフォームがわかったら、いよいよ1分チャレンジしてみましょう。
- うつ伏せになり、スマートフォンのストップウォッチを目の前にセットします。
タイマーを見ながら、呼吸のリズムを意識してスタートできるように準備します。 - 肘とつま先で体を支え、頭からかかとまでを一直線にキープ。
お尻が下がったり、腰が反ったりしないように注意しましょう。体を“板”のようにまっすぐ保つことが大切です。 - 30秒を過ぎたあたりで、徐々にきつさを感じるのが理想です。
きつくてもお尻を上げてごまかさず、腹筋とお尻を同時に締める意識でキープします。呼吸は止めずに、ゆっくりと深呼吸を続けましょう。 - 1分間キープが難しい場合は、まずは「膝つきプランク」から始めてもOK。
肘と膝をついて同じ姿勢をとり、腰が反らないように注意します。膝をついても腹横筋などのインナーマッスルは十分に鍛えられるため、初心者でも安全に取り組めます。
1分プランクが安定してできるようになったら、2分、3分と少しずつ時間を延ばしていくのがおすすめです。
STEP.03【応用編】上級者向けアレンジ「プランクウォーク」
上級者の人は、「プランクウォーク」に挑戦するのもおすすめです。
プランクウォークは、肘付きのプランク姿勢から片腕ずつ伸ばして手のひらで支え、再び肘で支える状態に戻る動作を繰り返します。
腕や肩の筋肉も同時に使うため、全身の安定性がさらに高まり、体幹強化に加えて二の腕の引き締めにも効果的です。
3つの“意識”で効果が変わる!プランクの効果を最大限に引き出すポイント
プランクはシンプルなトレーニングですが、ちょっとした意識の違いで効果が大きく変わります。
正しい姿勢をとるだけでなく、「どこに力を入れるか」「どのような状態を保つか」を意識することで、より安全かつ効率的に体幹を鍛えることができます。
ここでは、効果を最大限に引き出すための3つのポイントを紹介します。
①腹筋に力を入れる
プランク中は、腹筋をただ「固める」のではなく、お腹をへこませるように力を入れるのがポイントです。へその下あたりを背中側に引き寄せるイメージで腹横筋(インナーマッスル)を使うと、体幹が安定し、腰が反るのを防げます。
腹筋に力が入っていないと、体の重さが腰に集中してしまい、腰痛や姿勢の崩れにつながることも。お腹を常に“へこませる”意識を持つことで、余計な力を使わずにまっすぐな姿勢をキープしやすくなります。
②お尻を締める
プランク中は、お尻を軽く締めるように意識するのがコツです。お尻に力を入れることで骨盤が安定し、腰が落ちたり、逆にお尻が高く上がったりすることを防げます。
また、腹筋とお尻を同時に引き締めることで、下半身から上半身まで一直線のラインを作りやすくなります。お尻を締める感覚が弱いと、姿勢が崩れて負荷が分散してしまうため、腹筋とセットで意識してみましょう。
③肩甲骨を寄せない
肩甲骨が寄ったままプランクを続けると、肩や首に余計な負担がかかります。胸を張りすぎず、肩甲骨が肩より後ろに下がらないようにすることが大切です。
正しいフォームの目安は、肩甲骨を軽く開くようにして背中をフラットに保つこと。この姿勢を意識することで、肩や首を痛めにくくなり、体幹の筋肉でしっかり支えられるようになります。
プランクを正しく実行するための注意点4つ!「意味がない…」と嘆かないために
プランクは、正しい姿勢で行ってこそ効果が見込めます。フォームが崩れると、せっかくの努力も「腰が痛い」「効かない」といった残念な結果になりかねません。
ここでは、プランクの効果を最大限に発揮するために意識したい4つのポイントを解説します。
1. 正しいトレーニングフォームで行う

プランクでよくある間違いが、お腹が沈む・お尻が上がる・首が前に突き出るといった姿勢の崩れです。これでは腹筋や体幹に十分な刺激が入らず、腰や肩に負担がかかってしまいます。
理想のフォームは、「頭・肩・腰・膝・かかと」が一直線になる姿勢です。お腹を軽くへこませて腹横筋(インナーマッスル)を意識し、背中を反らさずに体の軸を保ちましょう。
顔は正面ではなく、やや斜め前を見るのがポイントです。目線を下げすぎると背中が丸まり、上げすぎると首に力が入ってしまいます。
特に初心者は、フォームの癖を自覚しづらいため、鏡やスマホのカメラで自分の姿勢を確認するのがおすすめです。自分の体のラインを「見て修正する」ことが、正しいフォーム習得の近道です。
2. 肘と足首を直角に保つ
プランクでは、肘と肩、つま先と足首の角度が崩れると全体のバランスが崩れます。肘は肩の真下に置き、床に対して垂直に。肩が前に出すぎると腕で支える形になり、腹筋への刺激が弱くなります。
また、足首は直角にしてかかとを後ろに押し出すように意識しましょう。「足の裏で見えない壁を押す」イメージを持つと、下半身の軸が安定します。
体全体を1本の線として支える感覚をつかむことで、腹筋・お尻・太ももが同時に働き、体幹全体を効率よく鍛えられます。
もし肩や腕にばかり力が入ってしまう場合は、お腹とお尻を同時に締める意識をプラスしてみましょう。これで力の分散が減り、フォームが安定しやすくなります。
3. クッションやマットの上で行う
プランクは畳1枚ほどのスペースがあればどこでもできますが、床が硬いと肘や肩に痛みが出やすいので注意が必要です。クッション性のある環境で行うと、体への負担を減らしながら集中して続けられます。
おすすめは、ヨガマットやラグマット、厚手のバスタオル、布団の上など。肘の下に小さなクッションを敷いても効果は変わりません。痛みを感じた状態で続けるとフォームが崩れやすくなるため、「痛くない場所で行う」ことが継続のコツです。
環境を整えるだけでも、トレーニングのストレスが減り、「続けやすさ」が大きく変わります。プランクを習慣にするために、まずは“続けられる快適さ”を確保することから始めましょう。
4. 拳の周辺を見て行う
フォームの中でも「視線の位置」は見落とされがちですが、実は体の軸を安定させる大切なポイントです。
プランク中に首を上げて前を向くフォームになってしまうと、首や肩の筋肉に余計な力が入り、痛みやコリの原因になります。
正しい姿勢を保つためには、拳の周辺、またはその少し先の床の一点を見つめるようにしましょう。こうすることで、自然に首のラインが背骨と一直線にそろい、体への負担を最小限に抑えられます。
また、モチベーション維持のために動画や音楽を再生しながら行う場合は、テレビのように視線を上げる位置ではなく、スマートフォンやタブレットを床に置いて観るのが理想的です。
目線が下がることで、首を反らさずに姿勢をキープでき、長時間のトレーニングでも疲れにくくなります。
プランクにも弱点が存在する

お腹を引き締めたり正しい姿勢を維持したり、特別な道具やテクニックを必要とせずに太りにくい体を作れるプランク。一見すると万能なトレーニングのように思えるかもしれません。
しかし、プランクにも効果が期待できない「弱点」と呼べる点が存在します。ここでは、その弱点と対策について詳しく解説します。
プランク単体では脂肪は落ちない
プランクは筋肉を鍛える効果がありますが、脂肪を直接落とす効果はほとんどありません。筋肉がつくプロセスと脂肪が減るプロセスは異なるため、プランクを続けても脂肪が自然に減るわけではないのです。
脂肪を落とすには、摂取エネルギーよりも消費エネルギーが上回る必要があります。そのため、エネルギー消費量が大きい有酸素運動を取り入れたり、食事を見直すことが必要です。プランクと組み合わせて運動全体のバランスを考えることが、脂肪燃焼の鍵になります。
継続しないと効果が望めない
すべてのトレーニングに共通しますが、プランクも継続しなければ効果は得られません。一回のトレーニングで体は微細な変化を始めますが、それが目に見える形で現れるのは日々の積み重ねがあってこそです。
毎日の習慣として、最初は30秒を1セット、難しければ10秒を3セットなど、自分のペースで取り入れることをおすすめします。また、一度休んだからといって、これまでの成果がすぐに失われるわけではありません。体調が悪いときは無理せず休みを取り、長期的に続けることを意識しましょう。
筋肥大向けのトレーニングではない
プランクの特長は、腹筋を「アイソメトリック収縮」で鍛えることにあります。アイソメトリック収縮とは、筋肉や関節の長さ・角度を変えずに筋肉を収縮させる運動です。一方、一般的な腹筋運動では、体を上げ下げする際に「コンセントリック収縮」や「エクセントリック収縮」と呼ばれる筋肉を伸縮させながらの動作が行われます。
アイソメトリック収縮は、コンセントリック収縮・エクセントリック収縮と比べると筋肥大効果が低いとされています。そのため、プランクは筋肉を大きくしたい人よりも、体幹を安定させたり姿勢を改善したい人向けです。一方で、関節にかかる負担が小さいため、運動初心者や関節を傷めたくない人に適したトレーニングといえるでしょう。
さらなる筋肥大を行うためには下記のトレーニングと組み合わせましょう。
【筋肥大なら】①クランチキック
クランチキックは、上体起こしと膝の曲げ伸ばしを同時に行うエクササイズです。腹直筋を集中的に鍛えられるため、シックスパックを目指す人に適しています。筋肥大にも効果的で、短時間でお腹まわりを強化できるトレーニングです。
クランチキックのやり方
- マットの上に座り、膝を曲げ、腕を足の方向へ伸ばします。
- 鼻から息を吸いながら、背中をマットに近づけるように上半身を後ろに倒します。同時に、両足をまっすぐ前に伸ばしてかかとを床から浮かせ、頭とかかとを遠ざけるように体全体を伸ばします。
- 口から息を吐きながら、膝を胸に引き寄せ、同時に上体を丸めます。腹直筋を意識しながら動作を行い、しっかりと収縮させましょう。
- 体を伸ばす動作(2.)と引き寄せる動作(3.)を一定のテンポで20秒間繰り返し行い、その後5秒休憩します。これを3セット繰り返しましょう。
クランチキックのポイント
- 上体を起こしたときは背中をしっかり丸めることを意識しましょう。
- 体を伸ばす際には、足をできるだけ体から遠くに伸ばし、膝をしっかり伸ばすようにします。
- 20秒間3セットを行うことが難しい場合は、無理せずできる範囲で行いましょう。徐々に回数を増やしていくことで、筋力がアップします。
【筋肥大なら】②アブローラー
アブローラーとはホイールの軸部分にハンドルがついたトレーニング器具で、一般的には腹筋を鍛えるために用いられます。プランクと同じく体幹を強化するアイソメトリック収縮を伴うトレーニングですが、より強度が高いため、筋肥大にも効果が期待できます。
アブローラーのやり方
- 床に膝をついて四つん這いの姿勢をとり、足を腰幅程度に開きます。
- 顔の下にアブローラーをセットし、両手でハンドルを握って軽く肘を曲げます。
- ゆっくりとローラーを前方に転がして前に体重をかけ、腹筋をしっかりと使いながら体を支えます。
- 体が真っ直ぐになるところまで転がしたら、腹筋を使ってゆっくりと元の位置に戻します。
- この動作を5〜10回繰り返し、余裕がある人は15回程度を目指しましょう。それを2〜3セット行うと効果的です。
アブローラーのポイント
- 腰が反らないように、動作中は常に腹筋に力を入れ、体幹を意識しましょう。
- 首や肩に力が入りすぎないようにリラックスし、正しいフォームを保つことが重要です。
- 動作が難しい場合は、ローラーを転がす範囲を短く調整してみてください。徐々に動作範囲を広げていくことで、無理なく筋力を強化できます。
基本ができたら…さらにプランクの効果を高めるためのバリエーションを紹介
基本のプランクでは物足りなくなってきた人に、いくつかのプランクのバリエーションを紹介します。
難易度が高いものもありますが「正しいフォーム」で「しっかり効いているか」を意識してやってみてください。それぞれのやり方やポイントを解説していきます。
サイドプランク

「サイドプランク」とは、横向きで肘をついて体を支えるプランクです。体を横向きにした状態で姿勢をキープするため、バランスを取りながら体の軸を保つ力(体幹の安定性)がより試されます。
特に「脇腹(腹斜筋)」と「お尻(中臀筋)」に効果的で、ウエストラインを引き締めたい人や、姿勢を美しく整えたい人におすすめです。
サイドプランクのやり方
- 通常のプランクの姿勢になり、右肘を肩の真下に置いて上半身を支えます。
- 右肘と右足の外側で体重を支えながら、左足を右足の上に重ねて横向きになります。
- 正面から見たときに「頭・肩・腰・膝・かかと」が一直線になるように腹筋を引き締め、右の脇腹が床方向に落ちないように引き上げます。
- そのまま10〜30秒キープしたら、ゆっくり元の姿勢に戻して休みます。
- 反対側も同様に行いましょう。
慣れてきたら、上側の腕を天井方向に伸ばすとバランスがより難しくなり、体幹全体の安定性を高めることができます。
サイドプランクのポイント
正面から見て体の軸がまっすぐでも、後ろにお尻を突き出している姿勢になっているケースがよくあります。背骨を長く伸ばすように意識し、頭からかかとまでを一直線に保つようにしましょう。
また、腰が落ちると腹斜筋への刺激が弱まるため、脇腹をぐっと引き上げる意識が大切です。きつい場合は、膝を床につけた「膝つきサイドプランク」から始めるのもおすすめです。
フォームを崩さずに続けることで、左右差のない引き締まったウエストと、美しい姿勢づくりにつながります。
リバースプランク

リバースプランクとは、お腹側を下にして行うプランクの逆で、お腹を上に向けて行う体幹トレーニングのことです。背面の筋肉で体を支えるため、ハムストリングス(太ももの裏)やお尻(大臀筋)が強く刺激され、ヒップアップにも効果的です。
さらに、胸を開く動作が含まれるため、猫背の改善や姿勢のリセットにも役立ちます。デスクワークで丸まりがちな背中を伸ばしたい人にもおすすめです。
リバースプランクのやり方
- 足を前に伸ばして座り、お尻の20cmほど後ろに両手を置きます。指先は前方に向け、手のひら全体で床を押せるように準備します。
- 手のひらで床を押しながら腰を引き上げ、胸をしっかり開いて肩甲骨を軽く寄せます。かかとで床を押し出すようにして下半身も持ち上げます。
- 頭からかかとまで一直線になるように全身を強く伸ばし、腹筋とお尻を同時に締める意識で体をキープします。
- 10〜30秒間キープしたら、ゆっくりお尻を下ろして休みます。呼吸は止めずに、吸うときに胸を広げ、吐くときに体幹を引き締めましょう。
慣れてきたら、片足ずつ上げて行う「リバースプランク・レッグリフト」に挑戦すると、より強度が上がり、お尻や太ももの裏を集中的に鍛えられます。
リバースプランクのポイント
リバースプランクでは、体の重さに耐えられず肩をすくめたり、腰が落ちたりするフォーム崩れが起きやすいのが注意点です。胸を張り、肩を耳から遠ざけるようにして首筋を長く保つことで、肩や首への負担を軽減できます。
また、体を一直線に伸ばす意識が弱いと、背中が丸まって効果が半減します。頭からつま先までを遠くに引き伸ばすように意識して行うと、自然と背面全体の筋肉が連動して働き、姿勢を支える力が高まります。
プランクレッグレイズ

「プランクレッグレイズ」とは、基本のプランク姿勢を保ちながら、左右の脚を交互に持ち上げるトレーニングです。片足で体を支えることでバランスが不安定になり、体幹の安定性・腹横筋の働きがより強化されます。
さらに、脚を持ち上げる動作によって太ももの裏(ハムストリングス)やお尻(大臀筋・中臀筋)にも刺激が入り、ヒップアップや小尻づくりにも効果的です。
お腹・お尻・脚裏を同時に鍛えられる「全身型プランク」として、女性にも人気の高いメニューです。
プランクレッグレイズのやり方
- 基本のプランク姿勢をとります。 肘を肩の真下に置き、頭からかかとまで一直線をキープします。
- 右足を床から離し、肩または腰の高さまで持ち上げます。 腰を反らせずに腹筋を引き締めましょう。
- かかとで後ろを押すように意識し、ゆっくり下ろします。
- 反対の足も同様に行い、左右で1回として10回×3セットを目安に行いましょう。
慣れてきたら、動作中に腹筋を意識しながらテンポよく行うと、脂肪燃焼効果もアップします。
プランクレッグレイズのポイント
足を引き上げる際に息を止めると腹圧が抜けて腰に負担がかかるため、呼吸を意識して行いましょう。上げるときに「息を吐く」、下ろすときに「吸う」とリズムをつけると自然に続けやすくなります。
また、脚を高く上げすぎると腰が反りやすくなるので、持ち上げすぎには注意が必要です。お尻と太ももの裏に効いている感覚があるか確認しましょう。
さらに、かかとを遠くへ蹴り出すように動かすと、つま先がつるのを防ぎ、脚全体をしなやかに伸ばせます。
ツーポイントプランク

ツーポイントプランクとは、基本のプランク姿勢から対角線上の手足(右手と左足、左手と右足)を同時に持ち上げてバランスを取るトレーニングです。体を支える面積が少なくなるため、腹筋・背筋・お尻・太ももといった全身の筋肉がフルに働きます。
体幹の安定力が試される上級者向けのプランクで、体全体を一本の軸で支える感覚を磨くことができます。
ツーポイントプランクのやり方
- 基本のプランク姿勢をとります。 肘を肩の真下に置き、頭からかかとまで一直線を意識します。
- 右足を床から離し、腰の高さまで持ち上げます。
- 次に左手を床から離し、腕を前に伸ばします。 手と足が対角線上に伸びるように意識し、10秒キープします。
- ゆっくりと手足を下ろし、反対側(左足と右手)も同様に行います。
- 左右で1セットとして、5〜10セットを目安に行いましょう。
慣れてきたら、手足を交互にテンポよく動かす「ツーポイントプランクウォーク」もおすすめです。
ツーポイントプランクのポイント
手足を上げるとお腹が落ちやすくなるため、腹筋とお尻の両方を締めて体幹を固定します。伸ばした手・肩・腰・伸ばした足が一直線になるようにキープすると、軸が安定します。
特に、手を上げた側の肩が持ち上がりやすいので注意しましょう。肩を下げ、肩甲骨を軽く外に開く意識を持つとフォームが崩れにくくなります。
プランクに関するQ&A
プランクに初めてチャレンジするときによくある疑問をまとめました。
Q.プランクは毎日実施しても良い?
A.プランクは基本的に毎日実施しても問題ありません。負荷が比較的少ないため、体に負担をかけすぎずに継続できます。
ただし、筋肉の回復時間を無視して続けると、フォームが崩れたり腰を痛める原因になるため注意が必要です。プランク後に強い筋肉痛を感じた場合は、1〜2日ほど休息をとって回復を優先しましょう。
また、同じ姿勢ばかりにならないよう、サイドプランクやリバースプランクなどを交互に行うと、バランスよく鍛えられます。
Q.お腹に力が入っていない気がするけど、どうしたらいい?
A.お尻が落ちていたり、肩が前に出すぎていると、腹筋にうまく力が入りません。
基本姿勢は「頭からかかとまで一直線」です。このラインが崩れると、体幹に負荷がかかりにくくなります。まずは鏡を使ってフォームを確認し、「お腹をへこませるように腹圧をかける」ことを意識してみましょう。
慣れてきたら呼吸を止めずに腹筋を締める“ドローイン”を意識すると、より効果的です。
Q.プランクが全然できない場合は?
A.体が慣れていなかったり、筋力が不足していると10秒でもきつく感じます。その場合は「膝つき」プランクで行ってみてください。
きつすぎてポーズが崩れてしまったり、あまりに短い時間だと効果が出ません。「膝つき」のフォームでいいので、正しく腹筋に負荷がかかるようにしましょう。
また、最初から長時間行うよりも、10秒×3セットなど短時間を積み重ねる方が安全で効果的です。慣れてきたら徐々に膝を浮かせて通常のプランクに移行し、自分のペースで強度を上げていくのがおすすめです。
Q.プランクはどのくらいの時間から効果がある?30秒でも良い?
A.プランクは時間よりも「正しいフォームで続けられるかどうか」が重要で、短時間でも効果があります。
プランクは1分キープが理想とされますが、最初から無理をする必要はありません。30秒×2セットや20秒×3セットのように、短時間を分けて行っても十分に効果があります。
大切なのは、頭からかかとまで一直線をキープしたまま、腹筋を引き締めて行うことです。フォームが崩れた状態で長時間続けても、腹筋に負荷がかからず、肩や腰を痛める原因になってしまいます。
最初は「正しい姿勢を保てる限界時間」で止め、休憩をはさみながら少しずつ時間を延ばしていくのがおすすめです。
プランクは継続が大事!1日30秒でも続けよう
たるんだお腹や姿勢の改善に効果絶大の「プランク」。歳を取ると気になってくる「お腹まわり」や「丸まりがちな背中」は、体幹の筋力低下が原因です。1日数秒〜数分のプランクで、若々しく健康な生活を取り戻しましょう。
カラダを変えるためには、習慣化することが大事です。器具もいらず狭いスペースでもできて、30秒でも効果のあるプランクは習慣化しやすいトレーニング。寝る前や、朝コーヒーのお湯を沸かす間、お風呂に入る前など、「ルーティーン」に組み込みましょう。できない日があっても次の日から再開して継続すれば大丈夫です。
続けていくうちに、中級~上級のプランクにも挑戦できるようになるかもしれません。体幹が鍛えられると、姿勢が整い、動きが軽快になるのを実感できるでしょう。






