食事の3つのピラミッドとは
皆さんは、「食事のピラミッド」という言葉をご存知でしょうか。 「食事リズム」「食事バランス」「栄養素」 の3つから構成される考え方で、それぞれを最適化していくと健康的なバランスの良い食事に近づくことができます。
食生活を見直すときはつい“食べる量”ばかりに目を向けてしまいますが、実は食事のリズムや栄養素も重要な意味を持ちます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
STEP①食事リズム
ピラミッドの土台となる「食事リズム」。正常な代謝状態を決定し、日々のカロリー摂取・消費につながるベース部分です。 体内をリセットして正しい状態に整える作用があるため、「何を食べるか?」よりも優先されます。
食事リズムは、食べる時間だけでなく、各食事のボリューム配分や食べる速度なども含まれます。
STEP②食事バランス
「『何を』『どのくらい』食べるか」を整えるメソッドを「食事バランス」と言います。
摂取カロリーは日々の活動量によって異なり、毎日運動や歩き移動をしている方は活動量高め、反対にデスクワーク中心で運動習慣のない方は低めと分類されます。
今の自分がどこにカテゴライズされるかを把握したうえで、「何を・どのくらい食べるか」を考えてみましょう。
STEP③栄養素
最後に「栄養素」です。栄養素は、タンパク質・炭水化物・脂質の3大栄養素から、ビタミン・ミネラルを加えた5大栄養素が大事なポイントとなります。
中でも、とくに意識したいのが「炭水化物」「たんぱく質」「ビタミン」「ミネラル」。
炭水化物は摂りすぎる傾向にあり、「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」は少なくなる傾向にあります。
食事のクセをチェックしよう!
あなたの「食べ方」は大丈夫?
食事リズム、バランス、栄養バランスに自信はありますか?
「3食しっかり食べている!」という人や、「栄養バランスには気をつけてます」という人でも、「食事のクセ」や「生活習慣」があり、実は偏っているケースも。偏りが続くと、体の不調や生活習慣病につながります。
以下のチェック項目で、気づきにくい「食事のクセ」を確認してみましょう。
\ 食事のクセチェック!/
□ 1. 朝は食欲がわかない、忙しくて食べられない。
□ 2. 夜残業が多く、夕食が遅くなりがち。
□ 3. 朝食や昼食を欠食しがち、または夕食時間が不規則。
□ 4. 生活が変わり、外出や運動する機会が減った。
□ 5. 若い頃と食事の量は変わっていない。
□ 6. 料理が面倒で、家にあるものやコンビニ食ですませがち。
□ 7. カロリーが気になるから野菜だけで済ますことがある。
□ 8. 一度ハマると同じものを食べ続けてしまう。
どの項目が当てはまりましたか?
多かった項目をチェックして、結果と改善ポイントを次の項目で確認しましょう。
STEP①食事リズムを整える
<1~3のチェックが多かったあなた>
▶▶▶ 食事のリズムが崩れていませんか?
食事のリズムはピラミッドの土台。健康に関わる大事なファクターです。
まずは「食事リズム」から改善しましょう。
■決まった時間に3食食べる
朝食、昼食、夕食を決まった時間に食べるようにしましょう。
特に「朝食」の時間は大事です。朝食を食べないと1日のはじめの「食事摂取による熱産生」を損ない、日中の代謝量が低下してしまいます。また、胃腸の活動リズムも崩れてしまい便秘などの不調にも。朝食の目安時間を決めておくといいですね。
■欠食しない
忙しくて朝食抜き、リモートワークで気がついたら昼食抜き、なんてことになっていませんか?
一食抜くと血糖値が上昇したり、夜に食べすぎると胃腸に負担を与えたりなど、健康面への悪影響にもつながります。
■3食のボリュームを生活スタイルにあわせる
日本人は夕食の食事ボリュームが多いのが一般的ですが、食事の後すぐ寝る場合は、夜の食事ボリュームを減らしたほうが健康的です。
「朝3:昼4:夜3」「朝3:昼5:夜2」といったように、代わりに昼をしっかりとるなどで調整してみましょう。
仕事の都合などで夜遅くに食事を摂る場合は、夜間の大食いを防ぐためにいつもの夕食の時間におにぎりやサンドイッチなどの軽食を挟むのも一手です。
■食事の速度、早すぎない?
ゆっくり、よく噛んで食べるのも重要なポイント。早食いしていると十分に咀嚼できていないことが多く、消化する胃腸の負担につながります。
また、十分に咀嚼することで脳に満腹感が伝わり、食べ過ぎの防止にもなります。
STEP②食事バランスを良くする
<4~6のチェックが多かったあなた>
▶▶▶ 食べている量と内容が、今のあなたにあっていますか??
年齢や活動量によって「エネルギー消費」が異なり、相対して「摂取カロリー」も変化します。
消費カロリーと摂取カロリーを、「何を・どれくらい」食べるかで調整することが「食事バランス」です。
■「若い頃と同じ」はキケン
5年前と同じ食事量をとっていませんか?運動をしていないと加齢によって自然と筋肉量も減るため、若い頃と同じだけ食べていると過剰摂取に。
また、生活様式の変化で、リモートワークになったり外出の機会が減ったりして運動量自体が激減している人も多くいます。
まずは自分の年齢と活動量では「何を」「どれくらい」食べるのがいいのか、下の表で確認しましょう。
※複合料理の「つ(SV)」の考え方はこちら(農林水産省HPより)
■「運動」を始めるのもポイント
加齢により筋肉量が減り、食べる量も減る...。というのは少し寂しいですよね。元気なカラダで美味しく食べるのに大事なポイントはやはり「運動」です。
1日30分の運動、もしくは週に1〜2回でも運動した日は「活動量が低い」から「ふつう以上」にレベルアップ。若い頃と同じくらい食べても太らないカラダに戻りますね。
筋肉量が増えると健康寿命も伸びる、という衝撃的なデータもあります。目の前の自分だけでなく、将来の自分が健康にイキイキとすごすためにも「運動」は食事と同じくらい大切な生活の一部です。
STEP③栄養素を整える
<6~8のチェックが多かったあなた>
▶▶▶ その疲労は食事のせい?食べるものが偏っているタイプ
気がつかないうちに同じものが多くなっていたり、野菜やタンパク質が少なくなっていたりしませんか?またパン・麺・白米など「簡単な食事」は炭水化物が多めです。
「栄養素」が偏ると、それぞれの栄養が十分に吸収されず、疲れやすかったり代謝が悪くなったりします。食事の内容を見直しましょう。
■色々なものを食べるとパワーアップ!
たんぱく質はビタミンと合わせることで消化吸収力がアップしたり、たんぱく質だけを摂っていても糖質不足でパワーに転換できていなかったりと、栄養素はそのものだけではなく相互関係にあるもの。紹介した「手のひらサイズ」の食事バランスを意識してみましょう!
■「一緒に」入っている食べ物で気軽に
炭水化物・タンパク質・脂質・野菜..とバランス良く用意するのが面倒という人も多いと思います。
いろいろ用意するのではなく、それらが一緒になっているメニューにするのもおすすめ。
例えば、「親子丼」や「サーモンとキャベツのパスタ」や、「野菜と肉の炒め物+白米」などもいいですね。
■簡単な単品で「補完」も
朝やお昼に簡単にタンパク質を取り入れたい...という人には「卵」などの単品補完も。
野菜が少なくなりがちな人はプチトマトを出すだけでもOKです。フルーツもビタミン・ミネラルが多いのでおすすめです!ヨーグルトに入れてもいいですね。
また、食材は、どう扱うかによって摂取できる栄養量が変わってきます。食事を保存&調理するときに栄養を取りこぼさないよう注意しましょう。
■栄養が偏ると代謝も落ちる
忙しかったりダイエットなどで、食事を抜いたり糖質や脂質を極端に減らすのはNG!代謝が落ちてしまい、太りやすい体になってしまいます。
「基礎代謝」「抗酸化力」を上げる食事のポイントは以下の記事で紹介しています。メニューを決める際に参考にしてみてくださいね。
自分の食事のクセを知り、美味しく食べて元気にすごそう
3つのピラミッドから見た、自分の食事はどうでしたか?
栄養には気をつけていたけど土台となる「食事のリズム」は見落としていたなど、食事や生活スタイルの見直しになったのではないでしょうか。「何を・どのくらい」食べるかの食事バランスも、今の生活にあっているか確認が大事ですね。運動もおすすめです。
食事は元気な体をつくるもと!食事リズム、食事バランス、栄養素を整え、美味しく食べて元気に過ごしましょう。