【ちゃんと知ってる?】そもそも「スポーツ」とは?
そもそもスポーツとは体を動かし勝敗・成績を争う競技という意味ではなく、もっと広い意味を含みます。
スポーツ(Sports)はラテン語の「deportare(デポルターレ)」が語源と考えられています。deportareとは、生活に不可欠なことから一時的に離れ、気晴らしをする・休養する・楽しむといった意味を持ちます。バスケットボールやサッカーなどといった競技をするだけではなく、スポーツを「みる」「ささえる」といったことや、自然の中でのハイキングや海水浴までもスポーツと言えるのです。
出典:スポーツ庁Web広報マガジンDEPORTATE『スポーツ庁が考える「スポーツ」とは?Deportareの意味すること』
スポーツの秋とは?その由来を解説
国民の祝日である体育の日が定められたのをきっかけに「スポーツの秋」と言われるようになりました。今は10月の第2月曜日がスポーツの日として休日に定められていますが、2019年までは体育の日と呼ばれ、2000年(平成12年)にいわゆるハッピーマンデー制度が適用されるまでは10月10日が休日でした。
体育の日は1964年に行われた東京オリンピックの開会式の日として定められました。涼しく適度な湿度であるため多くのスポーツをするのに適した気候であり、10月10日前後にさまざまな大会が行われていたため、スポーツの秋と呼ばれ始めたと考えられています。
スポーツの秋を機に運動を始めるメリット
スポーツを始めるのに適した気候の秋から運動を始めるのは、気持ちよく運動ができて健康的な体づくりやストレス解消にピッタリと言えます。良いタイミングで運動を始めて、私生活を充実させつつ健康的な体を作り始めましょう。
ここでは秋にスポーツを始めるメリットを6つ紹介します。
私生活が充実する
スポーツ庁の調査から、1週間のうちにスポーツをする頻度が高いほど生活が充実していると感じる人の割合が増加すると報告されています。1週間のうちスポーツをした日数が0日の人は、日常生活に充実を感じていると答えた人が43%だったのに対し、スポーツを1〜2日した人では70%の人が充実を感じると答えています。
適度にスポーツを行うと幸福を感じさせる脳内ホルモンのエンドルフィンなどが分泌され、気持ちよさや爽快感を得られます。そのため、スポーツを行うと充実感を感じるのです。
健康な体の維持につながる
運動は体力の維持・向上に加え、生活習慣病を予防してくれる役割もあります。
適度に体を動かすと筋肉や心臓血管系に刺激が入り、筋肉量や酸素を取り込む能力を増やしてくれるのです。その結果として、日常生活で疲れにくい動ける体を維持できます。
筋肉を動かし心臓血管系を積極的に機能させることで中性脂肪や体脂肪の減少といった、生活習慣病に関わる指標の改善にもつながります。運動をすることで健康な体の維持につながり、QOL(人生の質)が高まるのです。
ストレス発散につながる
運動を行うとエンドルフィンやセロトニンといった物質の分泌量が増加し、ストレスの発散やメンタルの安定につながります。
エンドルフィンは別名脳内麻薬とも言われます。運動を行うとストレスに対抗するために分泌され、幸福感や爽快感を増加させます。その結果、ストレスの発散につながります。
セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれる脳内の神経伝達物質の1つで、適切に分泌すると精神を安定させる働きをします。
結果として運動を行うとストレスの発散とメンタルの安定につながるのです。
新しい趣味を得られる
運動をするのに適した気候の秋にスポーツを始めると、気持ちよくスポーツを行えるため、楽しく継続できる趣味を得やすいというメリットがあります。
スポーツはウォーキング・ジョギング・筋トレなど一人でも簡単に始められるものから、ゴルフ・ゲートボールなど誰かと個人で競うもの、サッカーやバスケットボールといったチームで協力するものとさまざまな種類があります。そのため、自分に合った趣味が見つけやすいでしょう。
「趣味を持つこと自体が死亡リスクを低下させる」という研究発表もあります。健康な体の維持に役立つため、一生を健やかに過ごすためにも趣味はおすすめです。
【子ども向け】学力の向上につながる
運動は脳に刺激を与えて学力の向上につながると考えられています。アメリカのカリフォルニア州における小中学生を対象にした「カリフォルニア州の体力と学力の相関関係の調査」では、体力が高い子どもは学力テストの結果も良いといった報告がされています。
走ったり投げたりなど、多様な運動を行うと脳の神経細胞や記憶を司る海馬が大きくなります。そのため、学力の向上のためにもスポーツはとても効果的なのです。
寒さに負けない!冬が来る前に冷え対策
運動は筋肉量や毛細血管密度を増加させるため、体の冷え対策に効果的です。
体内で代謝が行われる際にエネルギーを利用し最終的に熱が発生し、その結果として体が温められます。筋肉量が増えると基礎代謝量が向上し、生み出される熱の量が増えて体を温めやすくなります。また、運動を行うと毛細血管密度も高まり血流がよくなるため、熱を生みやすい体に変化します。
本格的な冬到来の前の秋のうちにスポーツをしておくことで、冷えに強い体づくりができ、冬を元気に乗り越えられるでしょう。
秋におすすめのスポーツを紹介
■2023年の東京の日最高気温 月平均値(℃)
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
10.2 | 12.1 | 17.9 | 21.7 | 24 | 27.6 | 33.9 | 34.3 | 31.2 | 23.7 | 19.2 | 14.3 |
10月の平均気温は23.7℃で、8月の34.3℃と比べて運動に適した気温・湿度になります。そのため、屋内で行われる運動とともにウォーキング・ジョギング、ハイキング、サイクリング、キャンプといった屋外で行われるスポーツもとてもおすすめです。
また、秋には各地でスポーツイベントやマラソン大会、スタンプラリーのような体を動かすイベントが行われます。
興味のあるイベントに何気なく参加したことから、それをきっかけにスポーツにハマっていくこともあるので検討してもいいかもしれません。
ウォーキング・ジョギング
運動初心者におすすめなのがウォーキング・ジョギングです。ウォーキングは特別な服や靴が必要なく今すぐにでも始められ、ジョギングは運動しやすい服装と靴さえあれば自分の好きなタイミングで行えます。
運動強度も量も自分で自由に決められます。初心者であれば少しだけ速く歩くことから始めてもよいですし、気持ちが乗らなければ休んでもよいのです。
心地よい秋風を受けながら晴れた日に紅葉の中を走れば、肉体だけでなく精神もリフレッシュします。
気をつけてほしいのは、水分補給です。夏のように明らかに喉が渇くことは少ないかもしれませんが、油断せずにこまめに水分を摂るようにしましょう。
ヨガ
ヨガは体が固い運動初心者にもとてもおすすめです。上級者向けの難しいポーズもありますが、初心者向けの簡単なポーズから徐々にレベルアップをしていく過程で柔軟性・筋力がついて体力が向上するため、年齢や体力に関係なく行えるのです。
ストレッチマットと運動着があれば、年齢・性別・体力に関係なく始められますし、とくに気候の良い秋は公園などの屋外でも実施すると気持ちが良いでしょう。
一人で公園で行ってもいいですし、「外ヨガ」で調べるとイベントやレッスンの情報も出てきます。
カラダの進化を感じやすく趣味としておすすめです。
【一緒に楽しむ】子どもとできる秋のスポーツおすすめ3選
お子さんがいる方は子どもと一緒にスポーツを楽しむのもよいでしょう。おすすめなのは屋外で誰でも簡単にできるハイキングやサイクリング、キャンプです。それぞれのメリットを知って、家族に合いそうなスポーツを見つけましょう。
ハイキング
ハイキングは自然を楽しみながら山野などを歩くことです。ゆるやかな山道を気軽に上り下りして自然を楽しむ程度がハイキングと言われるため、登山ほどハードではなく誰でも楽しむことができます。
秋には紅葉を楽しめますし、自然の中で運動を行うため子どもの発達や教育にとてもおすすめのスポーツです。
服装はスニーカーやトレッキングシューズ、汚れてもいい長袖トップスと、動きやすい長ズボン、日差し避けの帽子があれば十分です。出発時晴れていても、雨が降ることがあるためレインコートも用意しておいたほうがいいでしょう。水分補給の飲み物も忘れずに持っていきましょう。
適した靴や防寒・雨天対策は必要になりますが、難しく考えずに歩いて自然を楽しめるため、家族で一緒に行うのに向いています。
一般的には「ハイキング=なだらかな山道を気軽に楽しむ」、「トレッキング=山頂を目指すわけではないがそれなりに山登りをする」、「登山=山頂を目指す」という意味で分類されており、ハイキングで山の楽しさに目覚めたら、トレッキング、登山に挑戦するのもいいかもしれません。
サイクリング
サイクリングは自転車に乗って走るのを楽しむことです。特徴的なのが長距離を移動できる点で、ウォーキングやジョギングよりも同じ時間で遠くまで移動できるため、景色が大きく変わり飽きにくいです。
20分以上走ると十分な有酸素運動になると言われています。
体重が直接かからないので膝・足へのダメージが小さいのもメリットです。そのため、運動初心者や関節に不安のある人におすすめです。
初心者には、ロードバイクよりも安価でどんなシーンでも使いやすいクロスバイクがおすすめです。最近ではスポーツ自転車に電動アシスト機能を搭載したe-bikeも人気です。
サイクルウェアや自転車にこだわれば無限に世界が広がっていくスポーツですが、まずは動きやすい服装で、今持っている自転車で少し遠くまで行ってみるので十分でしょう。
家族とともに秋色の自然の中を自転車でかけるのは爽快感があり、家族と一緒に楽しむのにピッタリです。
キャンプ
キャンプもスポーツに十分に含まれます。スポーツは日常から離れて楽しむ活動という意味です。テントなどの機材の設営や運搬、キャンプ場内で行うレクリエーションは体を十分に動かすものです。
文部科学省が施行している「スポーツ基本法」の二十四条に「ハイキング、サイクリング、キャンプ活動その他の野外活動及びスポーツとして行われるレクリエーション活動」と定義されています。
キャンプをしようとしたら、まずはキャンプ場の予約が必要です。小分けにされたスペースでキャンプを楽しめる区画サイト、大きな区画の中で自由にテントが張れるフリーサイトなど種類があります。一時期よりは落ち着いたものの、キャンプ人気は続いているので、予約は早めにするのがおすすめです。
テント等キャンプ用品は、ソロキャンプかファミリーにもよりますが、数万円~10万円程度の費用がかかります。最初はレンタルでやってみて、長く続けそうだと思えたら購入を考えるのがいいかもしれません。
不安定な地面や石などの障害物がある自然の中で体を動かすことで、子どもの体力だけでなく、大人の体力も自然と培われます。秋食材をバーベキューなどで調理し、食欲の秋も楽しめるキャンプは家族におすすめの秋のスポーツです。
スポーツの秋に関するよくある質問
Q.秋にスポーツを実施すると夏の疲れは解消できる?
A.夏バテの根本的な原因は自律神経や生活習慣の乱れです。
夏は高い外気温と冷え切っている室内温の気温差があったり、夜の気温が高く日の出が早いため睡眠時間も質も下がりがちで自律神経が乱れやすくなります。
高温・多湿で疲労も溜まり、生活習慣も乱れがちになるためさらに自律神経に負荷がかかって疲労につながります。疲労を解消するには、季節を問わず自律神経や生活習慣を整えるのが大切です。
スポーツは体力を上げるため、夏の疲れを解消する助けになります。
秋バテ対策や夏の疲れ対策を紹介した以下の記事も参考にしてください。
Q.運動前後にストレッチはするべき?
A.運動は日常生活よりも身体にかかる負荷の強度が高いので筋肉や関節にダメージを与えます。その際に、筋肉や関節が運動に適した状態になっていないと関節や筋肉の動ける正常な範囲を超えて動かされてしまいます。そのため、運動前にストレッチで準備をするのがとても大切になります。
筋肉は運動後や1日の終わりにも固くなり、放っておくと慢性的な痛みにつながりやすくなります。体を動かした後や就寝前にもストレッチも行ってケガを予防しましょう。
秋にスポーツを始めて健康的な体づくりをしよう
運動に適した気候の秋は何か新しくスポーツを始めるタイミングとしてピッタリです。屋内で行うヨガや筋トレだけでなく、屋外で行われるウォーキング・ジョギングやサイクリング、ハイキングなども季節の気持ちよさや景色の美しさを感じられるため、楽しく続けやすくなります。
気持ちよく運動ができる秋にスポーツを始め健康的な体づくりをして、冬に備えましょう。